179: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/11/22(日) 02:12:39.96 ID:+my5+5nCo
"血の力"もしくは、それから派生した戦闘技術、"ブラッドアーツ"の発現には、"新型"神機使いの起こす"感応現象"が密接に関わっている。
以前も触れたけど、"感応現象"は体内の"オラクル細胞"が脳神経と結合し、"偏食場"と同種の脳波を発現させるという現象だ。
"偏食場"を発生させるということは、神機使いの体質がよりアラガミに近づくという事であり、
また、神機を制御する人工細胞の容れ物でしかなかった人間の肉体が、細胞を受容し、自発的にオラクルを伴った機能を発するまでに至ったという事でもある。
この神機使い側の、体内の"オラクル細胞"の増幅をより強化したのが"血の力"だ。
滞空時間の中、私は神機を握りしめ、刃先に念じるイメージで戦意を込めた。
P66偏食因子の作用により、私の感情を媒介に増幅された脳波が、腕輪の介入を必要とせずに神機まで伝達される。
伝達した"偏食場"は神機内で循環する"オラクル細胞"に影響を及ぼし、その流量を増加させる。
こうして瞬間的に強化された神機はその威力を高めるだけでなく、それに付随する機構をも発達させる。
つまり短剣型の場合、一つの行動の中でいくつも壁を作ることも可能になる。
斜め下から斜め上へ、右から左へ、上から下へ。
壁を蹴った先に壁を作り、オラクルの刃で強化された刀身を用いて、貫通攻撃の通る部位を切り刻む。
攻撃対象は尾無しだけに止まらない。
活性化で発達した脚力で壁を蹴り、無貌も射程に捉える。
だけど、ずっとやられていてくれるほど、アラガミも単純じゃない。
段々と私の動きに適応し始め、迎撃に前脚や雷球、電磁波を織り交ぜてくる。
元々回避も織り交ぜた空中機動とはいえ、今度は深追いした私の方が対応しきれず、無貌の体当たりをギリギリ避けたところで地に降ろされた。
その隙を狙い、尾無しが再度飛びかかってくる。
身をよじって回避しようとするも、虎型の雷爪は制服の肩口付近を切り裂き、私の肉体からも鮮血を噴出させた。
534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20