【ゴッドイーター2】隊長「ヘアクリップ」
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167: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/10/22(木) 02:09:36.65 ID:IxHqraCLo


 人気のない街並み。
アラガミに喰い散らかされ、不自然な風穴がぽっかりと空いたビル群。
崩れ落ちた民家。
区画全体に漂う頽廃的な雰囲気と、中心部にある、嘗ての街のシンボルだった教会に准えて、ここは"贖罪の

街"と呼ばれている。
極東支部から北東に位置するこの亡都が、再編された"ブラッド"にとって初の任務地となった。

討伐対象は大型が2体。
先の防衛任務でも確認された、虎の姿を模したアラガミだ。
硬化した皮膚に覆われた容貌の、その上半分は古代の兵士の戦兜や、王冠をも思わせる形状。
背中に配されたマント状の器官はあらゆる攻撃を弾き、それを満開の花びらのように展開させた際には、雷光にも似たオラクルエネルギーを帯びる。
大地を踏みしめる筋肉質な四肢は強靭で、常人を轢き潰す剛力と、軽やかに宙を舞うしなやかさとを併せ持つ。
このアラガミは大型種の中でも特に名の知れた種であり、これを若手神機使いにとっての登竜門と目する者もいる。
それ故に、この任務は新たな"ブラッド"の戦力的な指標にもなり得るだろう。

……名前だけの副隊長だった頃とは違う。
今の私には隊長として彼らの命を預かり、守らなければならない責任がある。
失敗は許されない。
逃げ場もない。
久しく感じていなかった緊張と重圧に、神機を持つ手が震える。

「――隊長?」

ふと我に返ると、ナナが俯く私の顔を覗き込んでいた。


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