117: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/06(日) 01:35:54.83 ID:CwQRhC1A0
「だから我慢ならなくて、リヴィに言ったんだよ。"自分だけが不幸だなんて思うなよな"って」
「……それに怒って、リヴィが初めてこっちに感情ぶつけてきてさ、俺はそれが内心嬉しくて、イライラなんて吹っ飛んだ」
「これで仲良くなれる、って……実際、それがきっかけになって、リヴィとも仲良くなることができた」
"自分だけが不幸だなんて思わないで"
あの口論の際、私の口を突いて出た言葉は、奇しくも、嘗てのロミオが発したそれと重なっていた。
「それからクラスが進んで、皆大きくなって、色んな奴に差をつけられ始めて……俺は、自信を無くしちまった」
「そしたら段々、自分の居場所を守る事に必死になって、俺の上にいる奴らが羨ましくてたまらなくなっていって、」
「自分が最初に何を思ってたかなんて、すっかり忘れちまってたんだ」
ロミオが焦燥に駆られていた時期、私はロミオに、過去の自分を重ねていた。
だけど、彼はやはり独自の過去を持っていて、それが歪んだ果てにああなったことを、ここで理解した。
その事実を知り、今の私は何故だか、酷く安心している。
ロミオが私のようになることはないという、確証が取れたからだろうか。
「それが"ブラッド"に入った後も続いてさ、皆といる間も、ずっと考えてたんだ」
「どうやったら皆みたいに上手く戦えるんだろうとか、役に立つにはどうすればいいんだろう、って」
「だから、仲間の戦法を真似たり、独りで突っ走ったり、色々試してみた……でもさ、そうじゃないんだよな」
それまで俯きがちに語っていたロミオが、そこで改めて顔を上げ直す。
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