提督「劇をしたい」龍驤「あのさぁ、さっきからなんなの」
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302: ◆zqJl2dhSHw[sage saga]
2016/07/31(日) 22:53:04.61 ID:uwv4RRxW0
――御召艦――

提督「私もとうとうケッコンカッコカリを決意しまして。そこで大元帥に承認いただきたく、御台覧をお願いしました」

大元帥「あ、そう」

提督「地域住民との交流を兼ねた演劇を執り行います。ゲストとして深海棲艦を招くことができ、新しい一歩を踏み出せると存じます」

大元帥「あ、そう」

提督「……はい」

提督に血縁者は一切なく、仮に親と言えるものがあるとすれば大元帥しか存在しなかった。

ケッコンカッコカリはあくまで艦娘の練度上限解放の手続きでしかないが、どうしても直接報告し認めてもらいたかったのだ。

無理を承知で上申したのはただその一点に尽きる。

比叡「……」

比叡は御召艦として同伴しつつ、提督がひどく緊張していることを気にしていた。

普段通りでよいが、そう簡単には行かない。

何しろ相手が大元帥なのだから。

大元帥は司令の話をよくよく聞いてくれているが、司令は大元帥に話を聞いてもらえているとは思っていないだろう。

比叡「ひえぇええ!」

提督「うおぉ!? どうした急に」

大元帥「どうかしましたか?」

比叡「大元帥! うちの司令をあまりビビらせないでください」

提督「ビビらすって、おい比叡なんと言う口の聞き方だ!」

大元帥「あ、そう。いや、そうかい? すまないね、ちゃんと聞いているんだけども」

比叡「私は分かってますよ? けどうちの司令は分かってないんです」

提督「あれ?」

大元帥「比叡くん、君は相も変わらず素晴らしい戦艦です。昔も今も心からそう思っています」

比叡「はい! 金剛型の次女ですから!」

大元帥「そうですね。本日の演劇とケッコンカッコカリの立会いに関する文(ふみ)が提督から届いたんですけども。いつ以来の文だと思いますか」

比叡「不定期に送ってるんじゃないですか? それこそ季節に1通くらいは」

大元帥「電くんを遣わした時以来です」

比叡「うわぁ。司令なに考えてるんですか」

提督「だって大元帥だぞ? おいそれと手紙なんか送れないだろう」

大元帥「良(なが)ちゃんが、知らせがないのは良い知らせと言ってくれていたから良い物を。まぁ、報告書には目を通していたので状況はわかっていましたが」

大元帥は提督を見据える。

大元帥「親は子の心配をするものです」

提督「あ……」

たった一言だ。もしかするとこの言葉をかけてもらいたかっただけなのかもしれない。

比叡「よかったですね、司令!」

提督「あぁ!」




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