提督「劇をしたい」龍驤「あのさぁ、さっきからなんなの」
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◆zqJl2dhSHw
[sage saga]
2016/07/31(日) 22:52:28.71 ID:uwv4RRxW0
ここで阿武隈が我に返った。
完全に命令違反。
今回の命令は劇を成功させることであり、けっしてゲストに攻撃を仕掛けることではなかった。
さらに駆逐艦まで煽動してしまっているため、阿武隈は言い訳することができない。
龍驤「ほらほら、お客さんは長旅で疲れとるんや。はよう控室に案内したって」
阿武隈「えっと」
龍驤「それとな阿武隈、しかめっ面しやんとスマイルや。にぃ」
秘書艦の登場は一気に場の空気を変えてしまった。
阿武隈自身の心情もさることながら、港湾棲姫が再び手を下ろしたことからもそれが伺える。
阿武隈「こちらに来てくださぁい、ご案内します」
血の気が多い水雷戦隊だが、切り替えは速くさっぱりとしている。
罪滅ぼし、というわけでもないだろうが。非常に丁寧な振る舞いをする。
港湾棲姫は北方棲姫の表情を読み取り、軽巡と駆逐艦の咎を海に流した。
価値観の隔たりもあるだろうが、大切なものの順位をよく知っているとも言えた。
護衛要塞はそのまま待機。姫2体が阿武隈と駆逐艦に導かれ控室に移動する。
ここで初めて北方棲姫が動いた。
動くと言っても視線を動かすだけだったが、その視線の先にとらえたのは龍驤だった。
当然龍驤もそれに気が付き視線を交わす。
龍驤の視線は一度だけ北方棲姫の胸元、抱えている飛行機に移動した。
龍驤「……」
北方棲姫「……」
すれ違ったが互いにかける言葉はなかった。
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