提督「劇をしたい」龍驤「あのさぁ、さっきからなんなの」
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209: ◆zqJl2dhSHw[sage saga]
2016/01/17(日) 22:38:13.93 ID:aN6QjdXx0
――食堂――

瑞鶴「ねぇ、加賀。今度やる劇のことなんだけど」

加賀「あなたが主役でしたね。主役抜擢おめでとう」

瑞鶴「ありがとう。えっ? この前と反応が違うんじゃない?」

加賀「これだから五航戦は」

瑞鶴「待って! 今のは私悪くないわよ!」

加賀「まぁいいでしょう。それで何か気になることでも?」

瑞鶴「いや、私の恩人役? 師匠役? だったら龍驤……さんよりも加賀になるんじゃないかって思って」

加賀「ふん」

瑞鶴「その表情で頭なでないでよ。まぁいいんだけどさ」

加賀「基準を履き違えています。主役はあなたですがこの劇は龍驤さんを中心に用意されています」

瑞鶴「やっぱそうだよね」

加賀「龍驤さんはあなたと翔鶴と一緒に蟻を討伐しに行きます。道中の蟻は、いうなればエリート級の重巡や空母並の脅威でしょう」

瑞鶴「うん」

加賀「龍驤さんは当然として、あなた達も十分に渡り合えます」

瑞鶴「うん」

加賀「ところが、最奥にいた蟻は想像を絶するものです。いわば姫級の深海棲艦に相当するでしょう」

瑞鶴「姫級ってそんなにすごいの? 見たことがないから想像もつかないんだけど」

加賀「ある姫はただの一盃で連合艦隊を相手取る事ができます」

瑞鶴「は?」

加賀「ある姫は私達空母機動部隊の艦載機を壊滅に追いやることができます」

瑞鶴「それ勝てないじゃん」

加賀「だからあなた達は龍驤さんを囮にして逃げ帰ります。囮になった龍驤さんの戦闘場面が今回の山場でしょうか」

瑞鶴「今更だけど、台本ひどくない? 龍驤さん轟沈しちゃうし。私もなんというか、あんまり気分が良くないのよ」

加賀「劇だと割り切りなさい。真剣に考えることは良いですが、深淵まで飛び込んではいけません」

瑞鶴「わかったわよ。けど何でこんな演目にしたんだろうね。他にもっと楽しいやつがあるんじゃない」

加賀「青猫と射撃王なら子供も楽しめるかもしれないわね。しかし、慢心はいけません。短編はともかく長編になると当然のように戦争が発生しているわ」

瑞鶴「そうなの?」

加賀「なぜ知らないのかしら。座学であったでしょう」

瑞鶴「ちょっと、別に寝てなんかなかったんだからね!」

加賀「まだ何も言っていませんが」

瑞鶴「あう」

加賀「まぁいいでしょう。長編の一つに錻の星で人間が作ったからくりが反乱するというものがあります。身から出た錆、教訓としても十分な話です。龍驤さんが轟沈する際の台詞はこれから引用されています」

瑞鶴「なんであんな台詞を引用したのかしら。なくても何も変わらないわよ」

加賀「提督の我儘でしょう。最期の時に自分を思い出して欲しいといった類のものです」

瑞鶴「提督さんって龍驤さんのこと大好きだからね。もしかして、劇もその台詞を言わせたいだけなんじゃないの」

加賀「大いにありえます。2人とも阿呆ですから、それくらいのお膳立てをしなくてはいけないのでしょう」

瑞鶴「ちょっと、いいの? そんなこと言っちゃって」

加賀「構いません。いい加減先に進む必要があります。それは提督然り、龍驤さん然り。当然私達もです」

瑞鶴「わかってるって」



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