提督「劇をしたい」龍驤「あのさぁ、さっきからなんなの」
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201: ◆zqJl2dhSHw[sage saga]
2015/12/20(日) 23:14:21.77 ID:2edvc8Ln0
瑞鶴「ふぅ、よし! 鳳翔さん、蜻蛉じゃなくてこれを使っていいですか?」

鳳翔「流星改ですか。えぇ、いいですよ。扱いは難しいかもしれませんが、実戦を想定することは良いことです」

瑞鶴「はい! これって空母の先輩方から着任祝いで貰ったものなんですよ。私用に調整してくれたのか、ものすごく使いやすいんです」

鳳翔「あの時はお祭り騒ぎでしたから。保有制限の問題で正規空母はもう着任できないと思っていましたからね」

瑞鶴「そうなんですか?」

鳳翔「えぇ、あなたが着任することわかった瞬間に『瑞鶴着任祝やー!』とか『祝い酒だぜ! ヒャッハー』なんて。ついこの前のようですね」

瑞鶴「あはは、あの時は緊張していたので気が付かなかったけど。そんなに歓迎されていたんですね」

鳳翔「そうですよ。瑞鶴さんは皆さんから期待されているんですよ。贈り物は気に入ってもらえましたか?」

瑞鶴「もちろんです。今着ている道着は祥鳳さんから貰ったものですし」

鳳翔「紬を使っていますからね、祥鳳さんも張り込んだんでしょう」

瑞鶴「これを着ているとなぜか肌脱ぎしたくなっちゃうのが不思議です」

鳳翔「ふふ、気合が入りすぎですよ。肩の力を抜いてください」

瑞鶴「さすがに胸当てを付けずに離れは怖いのでやらないですよ。龍驤さんと隼鷹さんは、間宮券とお酒でした。意外と私達と同じ名前のお酒ってあるんですね。実はまだ残ってるんですよ」

鳳翔「ご相伴預りに行きますね。肴は用意しますので」

瑞鶴「ほんとですか? やった! そろそろあの樽を開けちゃいたいです」

鳳翔「皆さんをお誘いしましょう。隼鷹さんらしい贈り物ですからね」

瑞鶴「瓶で貰えるのかと思ってましたよ。まさか神社に奉納するような樽が来るとは思っても見なかったです。

鳳翔「お祝いの気持ちですよ」

瑞鶴「そうですね。赤城さんからは彗星一二型甲と流星改を……。いえ、一航戦の先輩から艦爆と艦攻をいただきました」

『五航戦に譲るものなどありません』

記憶の底から浮上してきた、思い出したくもない言葉。

何か欲しかったわけではなかった。

強いて言うなら、認めて欲しかった。

頭を振って雑念をかき消す。

鳳翔「……」

瑞鶴「なるほど、私って実は期待されていたんですね! 期待していない相手にこんな贈り物なんてないですから」

鳳翔「そうですよ。全員が期待しています」

瑞鶴「鳳翔さん、稽古の続きをおねがいします。この流星改なら百発百中ですから!」

再び射位に立ち、発艦準備を整える。

瑞鶴「鳳翔さん。私ってどこを直せばもっと強い空母になれそうですか? 今日は何か掴めそうな気がするんです」

鳳翔「あえて言うなら。胴造りですね」

瑞鶴は驚き、取り掛けを外して鳳翔の方を見る。

瑞鶴「……胴造り、ですか?」

鳳翔「はい。発艦の作法が八節に近いので我々は弓を使っています。弓を使っていますが、的中の本質は艦載機の妖精さんです。彼らに聞けばわかりますよね。安定した艦体、安定した甲板が如何に飛び立ちやすいか」

瑞鶴「……私の胴造りはそんなに酷いですか?」

鳳翔「及第点を超えています。それでも今以上を目指すなら、やはり胴造りになるんですよ」

瑞鶴「……」



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