提督「劇をしたい」龍驤「あのさぁ、さっきからなんなの」
1- 20
202: ◆zqJl2dhSHw[sage saga]
2015/12/20(日) 23:14:54.44 ID:2edvc8Ln0
『艦妖一体』

これは艦娘が最大の戦力を発揮できる状態のことを指す言葉だ。

瑞鶴は搭乗員の妖精達にいつもお願いをしていたし、感謝もしていた。

彼らも無声劇の様な反応をしてくれていたので伝わっていると思っていた。

果たして意思疎通は十分だったのだろうか。

瑞鶴はこれまでにないほど感覚を研ぎ澄まし、艦攻の妖精に注目する。

彼らの言葉が聞きたかった。



艦攻妖精長「加賀姐さんたっての願いだ。あたしらが瑞鶴嬢を育てないとね」

艦攻妖精達「「よーそろー」」



瑞鶴「……鳳翔さん。何で私にとって一番使いやすい艦載機はこの流星改なんでしょうか?」

鳳翔「加賀さんがあなた用に調整したからです」

瑞鶴「……」

鳳翔「妖精さんたちに瑞鶴さんへの力添えもお願いしていました」

瑞鶴「……」

鳳翔「お礼、きちんと伝えなくてはいけませんよ」

瑞鶴「……はい」

鳳翔に返事をした後、取り掛けをし直す。

瑞鶴「皆、頼んだわよ」

妖精達に言葉を掛けると、彼らは笑い顔で敬礼を返してくれた。

瑞鶴はとうとう掴むことができたのだ。

目を閉じたまま打起こし、引き分け、会に至る。

勝手が自然に離れを出し、それは今までで一番鋭かった。

的を確認する必要はない、見なくとも心は揺らがなかった。

瑞鶴が知る最強の空母とその搭乗員が力を添えてくれているのだから。

瑞鶴「……言葉が足りなさすぎるのよ、加賀」

思わずこぼしてしまう。

瑞鶴「鳳翔さん、艦載機回収してきます!」

鳳翔「はい、いってらっしゃい」

瑞鶴は安土へ向かう。

鳳翔「さて」

鳳翔は目を凝らし、遥か彼方からこちらを見ていた空母を捉え言葉を伝える。

『稽古の続きをしてあげてくださいね』

彼方の空母は鳳翔の口の動きを読み取り、一礼する。

急いでこちらへ向かっているが、しばらく時間がかかるだろう。

鳳翔「しかし、どうしてこの鎮守府の空母は言葉足らずで不器用なのでしょうか。大事なことこそ言葉にしなければいけないというのに」

呆れながらも、その表情は優しかった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
403Res/357.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice