とある後日の幻想創話(イマジンストーリー)4
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777: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2016/12/05(月) 00:20:20.55 ID:FyUFA4MH0

その言葉から数秒後、降り続いていた雨が突如止む。
空には数多の星と紅い月が浮かんでおり、先ほどまで雨が降っていたことなど微塵も感じさせない。
不意に一陣の風が公園を吹き抜け、水に濡れた体から戦いの余韻を瞬く間に奪っていった。


やがて聞こえてきた水溜まりを歩く音に対し、そちらの方角を見やると、
パチュリーが些か疲れた様子でこちらの方に向かってくるのが見えた。
その足取りはやや遅く、未だ魔力切れの症状が残っているように見受けられたが、
少なくとも先ほどのような身動きが取れない状態から回復しているようだった。


パチュリーは当麻の右耳に簡易的な治療魔術を施すと、地面に伏せたまま目を覚まさないレミリアを見下ろす。
彼女の表情をその背後に立つ当麻から見ることは出来ない。
ただその背中から感じられるものは、如何ともし難い虚無を感じさせるものであり、心なしか姿も小さく見えた。
今、彼女は何を思っているのだろうか。嘗てパチュリーとレミリアが知人の間柄であったことは土御門から聞き及んでいる。


嘗ての友人と殺し合う。例えそれが偶然に因って齎されたものであり、
お互いの立場上仕方のないことだったとしても、そう簡単に割り切れるようなものではないだろう。
表面上は平静を取り繕っていても、内心は深い傷を負っているのは想像に難くない。
本人は絶対にそれを認めることはないであろうが。




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