とある後日の幻想創話(イマジンストーリー)4
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750: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2016/10/11(火) 01:23:56.92 ID:i8/dHQWr0

一方、歴史の表に出ることがなかったスカーレット家はどうなったのか。
彼等の結末を一言で済ませるならば、『関係者は皆、一人残らず死んだ』。


ヴラド三世の身に起こった異変を真っ先に察知したのは、他ならぬ彼等であった。
刻印発動の経過観察のため、常に彼の傍にいたのだから当然である。
だがそれでも、その時には全てが手遅れの状態となっていた。
ヴラド三世は元々、歳をとるにつれて気性が荒くなっていたために、
『性格の凶暴化は刻印の影響によるものである』と即座に判断できなかったのだ。
故に彼等が気づいた時にはもはや、刻印によるヴラド三世の人格浸食は末期に至っていた。


スカーレット家は即座に『竜の子の刻印』を停止することを進言。
合わせて『人造吸血鬼による自軍の戦力補強計画』の中止を請うた。
彼等は暴走した吸血鬼によって自国が破壊されることを恐れたのだ。
まぎれもなく、彼らの行動は国を守るための善意によるものである。
しかし皮肉にもその行動は、他ならぬヴラド三世によって国への敵対行為として判断されてしまった。


国の存亡の全てをその計画に賭けていたヴラド三世にとっては、計画を否定する存在は正しく国賊そのもの。
その言葉をその耳に聞いた時、怒りに思考の全てを奪われた彼は、有無を言わさず魔術師達を皆殺しにした。
最も卑しい処刑とされる『串刺しの刑』を、彼らに生きたまま施したのである。




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