とある後日の幻想創話(イマジンストーリー)4
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748: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2016/10/11(火) 01:21:28.07 ID:i8/dHQWr0

人が人以上の力を手にするためには、相応の対価が必要だ。
聖人が神の力を手にする代わり、常に力の暴発による自滅の危険を背負うように。
無論それは『竜の子の刻印』についても当てはまる。
そして当然、ヴラド三世やスカーレット家もそのことを理解していた。


――――いや、『理解しているつもりだった』。
彼らは理解していたが、対価の程度を見誤ったのだ。
毎日血を飲み続けることなど、対価と呼べるものですらないことに。
本当は、もっと大切なものを犠牲にしなければならないことに。


結論から言うと一年後、ヴラド三世は不完全ながら吸血鬼となった。
『不完全ながら』と言っても、本物と比較することができないので憶測ではあるが、その見立てに間違いはない。
吸血鬼は不死の存在なのだ。死亡が確認された彼は、本物にはなれなかったということである。
では彼の計画は失敗したかと言えば、必ずしもそうとは言い切れない。
不完全であっても吸血鬼である。寿命は飛躍的に伸び、その結果彼は膨大な魔力を手にした。


ただ一つ問題があったとすれば。
彼の性格が、別人のように変わり果ててしまったことだろう。




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