とある後日の幻想創話(イマジンストーリー)4
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746: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2016/10/11(火) 01:19:03.34 ID:i8/dHQWr0

幸いにして、その狂気に塗れた実験に使える『囚人(モルモット)』は豊富にあった。
散発的に起こる戦争から得られる捕虜達、ヴラド三世が政敵と認めた貴族、その他諸々である。
スカーレット家は彼等を十分に活用し、日夜実験に明け暮れた。
その間、彼等の館の地下からは断末魔の声が絶えることはなく、館の周辺には夥しい数の墓標が生まれたという。


そうして、僅かな歳月で生み出された魔術である『竜の子の刻印』。
その試作の被検体に名乗り出たのは、他ならぬヴラド三世その人であった。
おそらく我慢の限界だったのだろう。オスマン帝国からの執拗な貢納の催促と、政敵である自国の大貴族による謀略。
内にも外にも敵がいる状況、いつ自分の身に何が起こってもおかしくはない。
故に彼は、それらの敵対する存在に対し一刻も早く力を見せつけ、牽制をかける必要があったのである。


魔術に関しては、ヴラド三世も国を治める者としてある程度の知識がある。
中世に於ける戦争は『魔術の戦争』と言っても過言ではない。
表では兵士達が剣や槍、あるいは弓を使って合戦を行うが、本当の主戦場は裏で行われる魔術を使用した戦争である。
裏の戦争に比べれば、表の戦争など子供同士の喧嘩のようなものだ。
何故ならば魔術を使った戦争は、剣や槍を使ったそれよりも遥かに効率よく敵を殺すことができる。
故に軍を動かす者として、魔術を学ぶのは必須事項であった。




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