とある後日の幻想創話(イマジンストーリー)4
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745: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2016/10/11(火) 01:17:51.67 ID:i8/dHQWr0

その名は『ヴォルデンベルク男爵』。
吸血鬼研究の第一人者と『設定された』一人の男。
間諜達は一人一人がヴォルデンベルク男爵となり、吸血鬼の情報を集める。
そして集められた情報は架空の存在である、ヴォルデンベルク男爵によって取り纏められるのである。
名前のみが共通している、姿形がまるで違う者達。仮に敵国がその存在に気づいたとしても、そう易々とその本質には近づけまい。
そうして始められた吸血鬼の探索は5年の歳月をかけて行われ、情報の真贋を精査した上で一冊の手記に纏められた。
その手記はワラキア公国において数少ない魔術師家系である『スカーレット家』に委ねられることになる。


スカーレット家に与えられた使命は、集められた吸血鬼の情報を元に、
自身の肉体を吸血鬼の近い肉体に組み替える魔術を構築すること。
本当であれば長い期間をかけて行われる新しい魔術の構築。
ところが彼等に与えられた時間は、本来必要とされるものより遥かに短かった。
与えられた時間はたったの二年。それだけヴラド三世は焦っていたのだ。


そんな短時間では、まともな形で魔術を成立させることなど出来ない。
吸血鬼の肉体に辛うじて近づけることは出来るだろうが、どんな弊害が生まれるかわかったものではない。
だが指示を出しているのは一国の王である。王の勅命に逆らうなど出来るはずはないし、
そもそもスカーレット家に逆らうつもりなど欠片もなかった。
限られた時間の中、魔術を完成させるにはどうするべきか。
彼等がとった行動は、言ってしまえば『とにかく数をこなす』ということであった。
片っ端から魔術の刻印を作成し、それを人間に刻み込む。
刻印を刻まれた者がどうなるかについては考えない。
何か変化があれば重畳。生死は些細な問題ということである。




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