702: ◆A0cfz0tVgA[saga]
2016/08/08(月) 00:36:43.71 ID:Bpm/9TPL0
一見、同じような状況立たされているように見える二人。
しかしその身に受けた傷には歴然とした差がある。
無論、傷の大きさは当麻の方が上だ。聖水の雨で弱体化されているとはいえ、
吸血鬼の肉体から繰り出される蹴りは、鍛えられた人間のそれを軽く凌駕する。
本来であれば肋骨は粉砕され、それらが心臓に突き刺さり即死していた。
故に、『骨に罅が入る程度』で済んだのは幸運と言えるだろう。
脇腹に捻子を数十本ねじ込まれたかのような激痛を耐え、当麻は四つん這いから体を起こして立ち上がる。
本当であれば激痛に悶絶して直ぐには動けないはずだが、それを彼は圧倒的な精神力で押さえ込んだ。
過去に腕を切断したこともあるのだ。この程度の痛みなど、最早慣れている。
一方のレミリアも、おぼつかない足取りで立ち上がろうとしていた。
当麻を睨もうとしているが、彼女の眼の焦点は明らかに定まっていない。
顎の強打によって脳が揺さぶられ、平衡感覚を狂わされているのだ。
如何に体が頑丈でも、流石に脳はそうも行かないらしい。
今彼女の視界は、さぞグロッキーなことになっているのだろう。
だがそれでも、彼女からあふれ出る闘志は留まることを知らない。
レミリア「やるじゃ、ないか。 吸血鬼である私にここまで縋り付くなんてね」
上条「そりゃどうも。 でもパチュリーの援護がなかったら、こうはなってないさ」
レミリア「だろうな。 動き難いったらありゃしない。 お前の攻撃も躱せずに殴り飛ばされることにもなっている」
上条「俺としては穏便に話し合いで解決したいんだけどな……降参してくれないか?」
レミリア「……ふん、お断りだ」
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