222: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2015/08/10(月) 00:13:53.53 ID:Ns/1g1At0
ガチャッ!
その行動を遮るようにして、玄関先から扉が開く音が聞こえてきた。
レミリア(……帰って来たみたいね)
音を出した人物に当たりを付けた彼女は、受話器にのばした手を引く。
おそらく、フランドールが戻ってきたのだろう。
彼女が家を飛び出してから3時間余り。その間何をしていたのかは知る由もないが、
おそらくこの周辺をただ歩き回っていたのだろうとレミリアは想像した。
フランドールは財布も持たずに飛び出していっていたので、何処かの店で暇つぶしをすることは出来ない。
ホテルに泊まって一夜を過ごすなど、尚更あり得ないことである。
また特別に親密な友人を持たない彼女が、その友人の家に転がり込むとは思えない。
何よりも、彼女の友人が居るであろう学校の寮と自宅は、歩いて向かうには距離が離れ過ぎている。
故に家を飛び出したフランドールが最終的に取る行動は、次の日の朝になるまでこの街の何処かで野宿をするか、
もしくは大人しく自宅に戻るかのどちらかに帰結するのは必然であった。
もっとも、野宿をした場合はレミリアから依頼を受けた『警備員』が彼女を補導し、
自宅に連れてくることになっていたはずなので、どちらにしても結果は変わらなかったのだが。
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