223: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2015/08/10(月) 00:14:49.00 ID:Ns/1g1At0
レミリア「フラン、今までどこに――――」
レミリアは玄関に赴き、帰宅したフランドールを迎え入れる。
感情のままに行動した不出来な妹を刺激しないように、穏やかな口調を装いつつ。
しかしその言葉は、最後まで紡がれることはなかった。
フラン「……」
レミリア「フラン、貴方……」
レミリアはフランドールを見て、その場に棒立ちになる。
目の前に立つ妹の姿は、自身が想像していたものとはかけ離れたものだったからだ。
顔、腕、足……全身に見られる擦り傷と打撲。
血こそは流れていなかったが、赤く腫れ上がったそれは元から色白の彼女の肌にはあまりにも目立ち、
特に顔の傷は実際の怪我の度合い以上に、見た目の痛々しさを強調している。
彼女が着ている服は何故か灰色に染まっており、何処かに引っかけたかのように破れている箇所もあった。
これではもはや、その服を着ることは二度と出来ないだろう。
しかしそれ以上に、レミリアの視線を引いたのが『眼』だ。
普段の快活な彼女の様子からは考えられない『座った眼』。家を飛び出す前とは違った、覇気のない眼だ
それが生み出す周りの全てを拒絶するかのような眼光は、レミリアの体に深く突き刺さり、その場に縫い付けた。
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