柔沢ジュウ「雨か」 堕花雨「お呼びですか?」
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9: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2014/11/25(火) 20:37:04.38 ID:tQslcSvIO
「………………御意」

雨はジュウの命令に少し動揺したようだったが、数瞬思考を巡らせると、大人しく頷いた。
そして、まだ若干混乱気味の光を一瞥し、それからジュウをじっと見上げる。
その姿はなんというか、まるで置き去りにされる子犬を見ているようで、ジュウの中で罪悪感が首をもたげてくる。
しかし、今更命令を取り下げることもできず、雨はジュウを見上げたまま、ジュウは雨を見下ろしたまま、二人はその場でほんの少しの間、見つめ合うことになった。

「……では、お気をつけてお帰りください、ジュウ様」

暫くそうしてから、雨は深々と頭を下げると、普段よりもややゆっくりとした動きでその場をあとにした。

「お、お姉ちゃ……」

光はその様子を見て、雨を引き止めようと一瞬腕を伸ばしかけるが、何かを躊躇うように瞳を伏せ、その場で力無く腕を下ろした。
そして、ジュウの方を振り向くと、普段よりも威力不足の眼光(普段から迫力不足ではある)を飛ばしてくる。

「……あんな言い方……」

「他にどうしろって言うんだよ」



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