5: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2014/11/25(火) 20:34:53.51 ID:tQslcSvIO
うちの学校は特に変わり映えのしない普通の高校だが、進学クラスに関して言えばこの辺でもトップレベルの学力であり、有名私立にも引けを取らない。
しかし、そういった学校よりも遅れている授業を補習という形で埋めているので、高2の冬ともなると、必然的にその回数も増える。
今朝、雨はわざわざ遠いジュウのクラスまでその旨を伝えにやって来たのだが、今こうしてここにいるというのはどういうことだろう。
「ジュウ様のお心に呼ばれましたので」
「あのな……」
いつも通りの返事に、ジュウはどこから諭せばいいものかと悩みかけたが、雨は少しだけ口元を綻ばせると、冗談です、と言った。
……こいつの場合、冗談に聞こえないのが笑えない。
「この後大雨が降るそうで、補習も予定より早く進んでいることから、今日は無しになりました」
「そうか」
もともとそこまで興味があったわけでもないので、ジュウはあっさりと引き下がり、再び歩き出す。
自分のような不良にかまけて、雨の将来が台無しになるようなことがなければ、それでいい、とジュウは思っている。
別に、雨のことを思いやってというわけではなく、そうなった場合、確実に皺寄せがこちらに来るのがわかっているからだ。
特に――――
「柔沢ジュウ!」
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