463: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/12/30(土) 02:07:27.27 ID:HfYWLYgWO
「ちょっといいか」
ジュウが声をかけると、その女子生徒は全身を硬直させた。
女子生徒と一緒に隣を歩いていた短髪の少女は怪訝な表情を浮かべて、ジュウと女子生徒の顔を見比べている。
「悪いな、急用なんだ」
「す、ストーカー!!」
彼女から飛び出した言葉に、今度はジュウが硬直する番だった。
このご時世、ストーカーがエスカレートした殺人犯など珍しくもない。
中学校の校門周辺に響き渡るその大声は、周囲の視線を集めるのに十分過ぎた。
しかし、怪我の功名というか、一斉に集中した大量の視線は、彼女――堕花光の混乱を落ち着けるのに一役買ってくれてたようだった。
「あ、ち、違います! なんでもないです! な、なんでここにいんのよアンタ!」
「あ、ああ……ちょっとお前に用があってな」
光は周囲にストーカー発言を誤魔化そうとしたが、その様子が逆に挙動不審で、好機の視線は途切れていない。
なんなら、ジュウの言葉を受けてどんどん赤く染まっていく表情に、更に視線が集まってくるようだった。
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