462: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/12/30(土) 02:04:03.74 ID:HfYWLYgWO
――正しい解答を導き出すのは、頭の良い方
――努力が必ず報われるなら、不満を持つ人間なんかいない
当然のことだ。ジュウには頭が足りなかった。だからどれだけ努力しても自力で事件を解決などできなかった。
事件を終わらせることができたのは、いつでも隣に頭のいい奴がいたから。
堕花雨。
ジュウが望めば、雨は何でもやる。
試験で全教科満点をとれと言えばあらゆる手段で満点をとるだろうし、人を殺せと言えば証拠を残さずに完全犯罪もするだろう。
それは、自分の身を顧みることなどない挺身。
頭の悪いジュウだけなら、それだけ走り回ってもそもそも事件の尻尾すら見つけることはできず、それは逆に危険に遭遇することもないということ。
しかし、ジュウが望めば、雨はそこへ必ず辿り着く。
そして、ジュウをその危険から守ろうとするだろう。
二人が言いたのは、そういうことだった。
ジュウにはそれが悔しかった。
自分の弱さを突き付けられたこと自体ではなく、雨に守られてばかりの自分が悔しかった。
それを痛烈に自覚してしまった。
「ガキか、俺は!」
一人で吠える自分の小ささに、ますます嫌気がした。
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