柔沢ジュウ「雨か」 堕花雨「お呼びですか?」
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42: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2014/11/28(金) 01:32:19.83 ID:TLlppmv/O
わかっていて恍けていたのだ。
しかし、その最後通告をもってしても、真九郎は口を噤む。
その顔色が真っ青でさえなければ、少しは格好もつくのかもしれないが、幼馴染の怒髪天を前にした真九郎には、それは無理が過ぎると言うものだった。

「金曜日、私との、幼馴染であるこの村上銀子との約束をすっぽかして、一体全体、何処で、誰と、何をしていたのかしら?」

「ごめんなさい!」

自分の人生で、一体これまでに何度土下座をしたことだろう。
その中でも今回は、まず間違いなくナンバーワンにエントリーされるぐらいに、美しい土下座だろう、と真九郎は思った。
当たり前なことに、土下座の美しさなど、された当人である銀子には関係あるはずもなく、真九郎の頭上から降り注ぐ威圧感はますます勢いを増していく。

「真九郎、紅真九郎くん、揉め事処理屋の紅真九郎くん、開業してから10年近く経つのに未だにペット探しが主な業務内容の紅
真九郎くん? 私はあんたの土下座なんか見たくないのよ。質問に答えてくれればそれでいいの。わかる?」

頭上から降り注ぐ精神攻撃は、傷口にグリグリと指を押し付けられている光景を真九郎に思わせる。
普段無口な銀子だが、幼馴染で親友である真九郎といるときはその例ではない。
しかし、その会話も淡々としたものであり、ここまで感情的に言葉をぶつけてくることはかなり稀である。
それほどまでに怒り心頭なのだ。
……もうこれは、正直に話すしかないか。



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