柔沢ジュウ「雨か」 堕花雨「お呼びですか?」
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406: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/28(金) 15:40:05.45 ID:yEOjnOa9O
「っ‥‥…ォォオオオオォォオオォァアアアァアアアァアアァアアアアッ!!!!」

井原が駆け出し、雪姫は跳んだ。
ジュウを吹き飛ばしたときと同じく噴出する炎。
先に撃ち出されたはずなのに、相手よりも後に打撃点を定める黒腕。
通常、一度跳躍した人間がいくら空中で身体を捻っても、その軌道や着地点を大きく変えることはできない。
黒腕は一直線に雪姫を目指し、井原は勝利の確信を得た。
それに対して雪姫は、左側のポケットから新たなナイフを投げ飛ばした。
折り畳み式の小さなナイフは井原の眉間を狙い、井原は辛うじてそれを避ける。
ナイフは頬を切り裂き、同時に井原の体勢を崩した。
雪姫の横を素通りする黒腕。
黒腕の勢いに引きずられるように肩から転倒する井原。
そしてその顔面に、雪姫は正面から膝を叩き込んだ。
全体重をかけた完璧なニードロップ。

「ふう」

雪姫が立ち上がると、井原は白目を剥いて気絶していた。
二つのナイフを回収した雪姫が、何事も無かったかのように駆け寄ってくる。

「柔沢くん、大丈夫?」

「……ああ」

差し出された手を無視して起き上がり、ジュウは井原を見遣った。
井原は前歯が粉々で、ピクリとも動かない。
黒腕は蒸気を途切れ途切れに吐き出しながら地面にめり込んでいた。
この状況で平然と携帯をいじっている雪姫は、傷一つどころか汚れ一つ無い。
警察に通報しているわけではなさそうなので、ジュウは自分の携帯を取り出したが、画面が粉々に割れていた。
試しに電源ボタンを押してみると、辛うじて画面が認識できた。
コール音を聞きながら先程の雪姫の言葉思い出して、ジュウはもはや溜息すら出なかった。


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