柔沢ジュウ「雨か」 堕花雨「お呼びですか?」
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402: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/28(金) 15:38:09.57 ID:yEOjnOa9O

凄まじい破壊力だが、避けられないほどの速度ではないことを確信する。
再び距離をとって、ジュウは大きく息を吐いた。

「柔沢ァ……」

呟きながら身体を起こす井原の血走った目が、ジュウを捉える。
よく見れば右目があらぬ方向を向いており、残る左目の焦点も合っていないようだ。
肉食動物が威嚇をするように、荒く呼吸を繰り返す井原。
どう見ても尋常な状態ではない。

「柔沢、知り合いか?」

「まあな……」

「柔沢ァアアァアァアアアァアァァァアアアアアアアアッ!!!!」

雪姫の問いに対するジュウの返答を遮るように井原が吠え、一歩、また一歩と少しずつ足を進めてくる。

「殺す……テメエは殺す……殺す、殺す! 殺す!」

怨嗟を漏らす井原が一気に距離を詰めてくる。
しかし、やはり遅い。
もとから素早くはなかったが、以前のスピードに比べれば半分以下。
ジュウは今度は後ろに跳ばず、凄まじい威力で撃ち抜かれる黒腕の横を滑るように身体を開いて拳を振りかぶる。
腕が巨大化したからといって、井原の攻撃は基本的にケンカスタイル。
大振りで避けるのは容易い――

「がっ……!?」




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