137: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2015/05/26(火) 21:42:54.49 ID:9m0+RSJ8O
ドアの隙間から顔をのぞかせたのは、杉原麻里子。
真九郎が紫と出会うより少し前、ストーカー被害に遭っていた女性を助けたことがあった。
それが彼女である。
その後、別の事件で再会し、今でも交友がある。
真九郎にとって、数少ない表社会の友人でもある。
彼女は真九郎よりも4つ年上で、普通の企業に勤める社会人だ。
会社が休みの日はこうして事務所に顔を出し、お茶を淹れたり掃除をしてくれたりする。
真九郎は申し訳ないので何度も遠慮したのだが、「私がやりたくてやってることだから」と笑って押し通されてしまった。
「おはようございます、麻里子さん」
「おはよう、真九郎くん。切彦ちゃんも」
麻里子は切彦に声をかけるが、寝ているのか無視しているのか返事は無し。
別段構うことなく、麻里子は肩に提げていたトートバッグを床に降ろした。
その中から、大きな布状のものを引き摺り出す。
それは厚手のブランケットだった。
麻里子は一度それを広げ、優しく切彦にかける。
「これで、電気代もちょっとは浮くでしょ。身体冷やすのも良くないしねー」
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