136: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2015/05/26(火) 21:42:25.64 ID:9m0+RSJ8O
漸く落ち着き、書類に目を落とす。
取り敢えず昼間は猫探し、夜はコンビニに向かうことに決めた真九郎は、最後の一枚を見つめる。
『《Carnival Floor》へのご招待
ご機嫌麗しゅう、紅真九郎様。
カーニバルへようこそ!
人でなしとして、私達と共に愉快な夜を過ごしましょう!』
差出人名の無い、一見すればただのイタズラ広告でしかない。
しかし、真九郎にとってはそうではない。
カーニバル。
醜悪な祭。
ヒトでなし共が蠢く洞の下。
思い出すだけでも胸糞悪くなるあの光景を、真九郎は忘れていない。
真九郎は無意識に、左肘を抱くようにして握りしめていた。
そこに、ノックの音が響く。
真九郎はその招待状をデスクの引き出しの一番奥に押し込み、小さく深呼吸をしてから、どうぞ、と返事をする。
「おはようございまーす」
507Res/213.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20