611: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/11/14(月) 01:45:24.65 ID:nSKR7Chn0
「お疲れ様です! かっこよかったですよ♪」
「ありがとう。槙原さんたちもね。ソファ、座らせてもらうわね」
そう言った相川さんは、飲み物のボトルとコーヒーゼリーをガラステーブルに置いて、革張りの椅子に腰掛けた。
「始まる」
モニターの向こう。MCが終わり、ステージの照明が一度落ちる。客席では、次の曲を期待しているのだろう。コンサートライトがさざめく。
もちろん、私たちは知ってる。千奈美ちゃんにとって…いや、私たちにとって、因縁の曲だ。
「……見に来たのかな」
「確認はしてないけど……来てくれてるといいね」
アヤちゃんの言葉に、私は小さく頷いて返す。
モニターに映るステージでは、千奈美ちゃんをセンターに、浜川さんと松山さん。三人のシルエットが伸びる。
艶っぽく鳴るエレキギターのメロディと、軽快さを意識してジャジーに弾むドラムワーク。
三人のコケティッシュなダンスと同時にステージを切り裂くのは、青系のライトを中心にした、クールで切なげな演出。
「あれ? 持ち歌じゃないわよね? どこかで聞いたことあるんだけど……」
黒川さんが首を傾げる。そうですよね、さすがにレッスン見る時間ないですよね。
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