忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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◆jOsNS7W.Ovhu
[saga]
2014/09/16(火) 01:08:53.40 ID:h7ZtWU6Z0
――AM9:30
シノを迎えた後、最後の調整に向かっていた男子たちも戻ってきていた。
全ての席が埋まる――おお、何だかんだで皆、楽しみなんだなぁ。
そうして、隣同士でワイワイとやってると、カラスちゃんがゆっくりと入ってきた。
「はい、皆さん! 今日までお疲れ様でした」
そして響く、優しい声。あぁ、これだけで癒される……。
周りを見れば、例えば「ホントきつかったよねー」なんて言いながら、頬が緩みきった女子の姿がある。
「もうこんな力仕事、二度とやりたくねー」なんて言う男子も、素晴らしい笑顔だった。
私は、そんな皆を見てしみじみと思う。
学園祭ってのは、そういう行事だよなぁ、と。
「そして、今日からが本番です!」
教壇上で満面の笑みを浮かべるカラスちゃんは、本当に楽しそうだ。
その気持ちは、きっと全員が持ち合わせているんだろう。
「皆さん、楽しみましょう!」
「おおーっ!」
カラスちゃんがガッツポーズを取るのと同時に、私たちも腕を大きく上げた。
いやぁ、始まる前からワクワクするね!
「この服で、接客、なんて……」
ちょいと近くのお嬢さんは、振り上げた腕がプルプルと震えてますけど……。
さてと。
何か色々なおカタい注意事項とかを言った後で、カラスちゃんは「それでは!」と教室を出て行った。
チラッと時計を見れば、9時40分。うん、まだちょっと余裕アリ。
「陽子、私、ちょっとお手洗いに行ってくるね」
「ん、行ってらっしゃい」
「うん!」
律儀にそう言ってくれたアリスに返事をし、私は机に頬杖をついた。
少し、この余韻みたいな感覚に浸っていたい……。
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