忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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333: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2014/09/16(火) 01:08:53.40 ID:h7ZtWU6Z0
 ――AM9:30


 シノを迎えた後、最後の調整に向かっていた男子たちも戻ってきていた。
 全ての席が埋まる――おお、何だかんだで皆、楽しみなんだなぁ。
 そうして、隣同士でワイワイとやってると、カラスちゃんがゆっくりと入ってきた。


「はい、皆さん! 今日までお疲れ様でした」


 そして響く、優しい声。あぁ、これだけで癒される……。
 周りを見れば、例えば「ホントきつかったよねー」なんて言いながら、頬が緩みきった女子の姿がある。
「もうこんな力仕事、二度とやりたくねー」なんて言う男子も、素晴らしい笑顔だった。


 私は、そんな皆を見てしみじみと思う。
 学園祭ってのは、そういう行事だよなぁ、と。


「そして、今日からが本番です!」


 教壇上で満面の笑みを浮かべるカラスちゃんは、本当に楽しそうだ。
 その気持ちは、きっと全員が持ち合わせているんだろう。


「皆さん、楽しみましょう!」
「おおーっ!」


 カラスちゃんがガッツポーズを取るのと同時に、私たちも腕を大きく上げた。
 いやぁ、始まる前からワクワクするね!


「この服で、接客、なんて……」


 ちょいと近くのお嬢さんは、振り上げた腕がプルプルと震えてますけど……。



 さてと。
 何か色々なおカタい注意事項とかを言った後で、カラスちゃんは「それでは!」と教室を出て行った。
 チラッと時計を見れば、9時40分。うん、まだちょっと余裕アリ。


「陽子、私、ちょっとお手洗いに行ってくるね」
「ん、行ってらっしゃい」
「うん!」


 律儀にそう言ってくれたアリスに返事をし、私は机に頬杖をついた。
 少し、この余韻みたいな感覚に浸っていたい……。


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