忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
↓
1-
覧
板
20
280
:
◆jOsNS7W.Ovhu
[saga]
2014/01/09(木) 00:46:53.85 ID:5OGn1x0I0
「――だって」
綾は少し首を振ってみせると、再び私に顔を寄せる。
近くにやって来た友人の顔に、私は出来る限り真摯に応じようと思った
(さっきから綾をどこか蔑ろにしていた罪悪感かもしれない)。
「陽子が……陽子が!」
悪いのよ、と綾は絞りだすように言う。
「?」としてしまったのは言うまでもないだろう。
私が、悪いことを?
「――ごめん、綾。何か悪いことしたんなら謝るよ。ほら、私ってバカなトコあるからさ」
普段なら冗談めかして言うところをスラスラ言ってしまえたのは、綾の表情が真剣だったこともあるだろうけど
恐らく私にもアルコールの効力が出てきていたんだろう。
ほら、何かお酒を飲むと、饒舌になったりする人はいるみたいだし。
「だから……泣かないで?」
泣き上戸なことを分かりながら、こんなことを言うのは酷だろうか。
とはいえ、綾のことを放っておけなくなっちゃったみたいだ。
「――そういう、所が」
少しの間の後に、綾は再びグスッと洟をすすりながら言う。
「そういう所が、ズルいのよ、陽子は……!」
そういう妙な所で気が利いて、変な所で優しくて、それでそれで――
堰を切ったようにまくし立てる綾は、本当に別人のようだった。
なるほど、酒は麻薬なわけだ。
「あ、あはは……そ、それはともかく、その――」
そろそろ重いんだけど、なんて台詞が過ぎってしまったことに罪悪感を覚えた。
とことん、今の私は甘くなっているらしい。
「……話、聴くよ。だからさ、その……この体勢じゃ、色々と」
恥ずかしいよ、と言ったら、綾はキョトンとした、ように見えた。
そして、
「――!」
ほんの一瞬我に返ったのか、バッと私の上から向こうに跳ねた。
そして、数秒間、顔を伏せたままだったものの……
「――聴いて、くれるの?」
その上目遣いの表情を見るに、うん、やっぱりまだ酔っ払ってるんだな……。
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
713Res/681.14 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
書[5]
板[3]
1-[1]
l20
忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」-SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377977875/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice