忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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279: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2014/01/09(木) 00:46:19.98 ID:5OGn1x0I0
ふと目の前を見てみると、シノがアリスの首筋を舐めていた。
 シノが舌を動かす度に、アリスの身体が艶めかしく跳ねる。
 ――本当に、男子が見たら、倒れこんでしまう勢いだ(二回目)。
 というよりこれって、冷静に考えたら――


「酒に酔った男女が、互いの身体をつつき合う、過剰なスキンシップ」


 とかいうやつじゃないか?
 表向き、女子同士のじゃれ合いだけれど、そういった意味でも問題になりそうだな……。
 ほら、「酔った勢いで――」とかいう話も聞くし。



「……はぁ」


 そんな二人にカレンが混ざり、「シノ! 私も舐いいデスカ?」「カ、カレン! ダ、ダメェ……!」
とか話している光景を見て、「陽子ぉ……」と再び近づいてこようとする綾を見ながら、嘆息してしまった。
 なんで、こんなよくわからない分析をしているんだ、私は……。



 実のところ、私はアルコールを以前にちょこっと飲んだことがある。
 あれは、そう……高校に入学が決まった頃のことだったっけ。
「記念だ」といって、父さんが注いでくれたビールを飲んで、「おおイケるじゃん」とか思っちゃったんだ。


 グビグビ飲んだわけじゃないけれど、その時にわかったことは、私は酒が強いということ。
 うんまぁ、父さんと母さんを見てたら、何となくわかるけどさ……遺伝したんだな、きっと。


 そして、わかったことがもう一つ。
 それは私が「傍観者タイプ」だということ。
 こうして、顔を真っ赤に染めて、それぞれの反応を示す友人たちを見て思った。
 私だけが妙に冷静に、いわば「観察」している。


 もしかしたら、試験前に飲んだら問題もスラスラと……いや、それは絶対にやめておこう。


 だから――


「……もう、陽子ったら、またボーッとしちゃって」


 いや、色んな意味でボーッとしてるのはそっちだよ、というツッコミは抑えて、私は再び綾と向き合う。
 なるほど、綾は泣き上戸タイプらしい。目に浮かんだ涙を見て、そう感じた。
 シノは典型的なテンションが上がるタイプで、アリスは普段と違う態度を見せるタイプ。で、カレンは甘えに転じるタイプか。
 色んな反応があるんだなぁ……。


「――ねぇったら!」


 ヤバい、つい綾への警戒を怠った!
 綾は首筋に手を回す動作を途中で止め、私にぶつかってきた。
 その細い身体のどこにそんな力があったのか。
 気づいたら、私は綾に押し倒される格好になってしまった。


「……なぁ、綾?」
「――」
「なんかさ、泣きそうな顔、してるよ?」


 そりゃ、泣き上戸タイプなら、そうだろう。
 けれど、なんだか……綾の涙目は、それだけじゃないような気がした。


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