忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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219: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2013/12/10(火) 00:23:25.76 ID:bZBTqQiJ0

 

 ――考えてみれば、あの日も夏だったっけ。

 

「ホント、大宮は猪熊と仲良いよなー」


 写真は、卒業アルバムに載せられるらしい。
 そんな話を適当に聞き流していると、後ろからそんな声がした。


「だよな。ずっと昔から、仲良いんだ」


 重なるようにして、もう一つ。
 チラッと、隣を見る。
 予想通りというべきか、笑顔の私の友人が――


「はいっ! 仲良しです!」


 後ろの男子に、元気良く応える。
 そして、さっきまで引っ付いていた私から離れると、


「でも、二人も仲良しですよね?」
「いやまぁ、そうだけど……お前と猪熊って」
「そうだな、仲良しだな」


 そんな風にして、三人で笑う。
 私は、そんなシノを見る度に、何だか複雑な気持ちになっちゃってたっけ。




 ――帰り道



 当然のように、私とシノは一緒に帰っていた。
 イサ姉に、「シノをよろしく」と言われていたこともあったけど、何よりも――


「今日も、楽しかったですねぇ……」


 正直、一緒にいて落ち着いたんだな、これが。
 エヘヘと笑いながら楽しそうに話すシノを見てると、どうにも放っておけない。

 元々私は、男勝りな性格だってことは自覚していたから、男子といることもあった。
 勿論、女子とだって一緒にいられた。

 けれど、なんというか、色々と――


「……ねぇ、陽子ちゃん」


 シノは、特別だった。


「ん? どした?」


 私はシノを振り向いて、「あれ?」と思った。
 シノの目は、私の目に向けられてはいない。
 それは――


「――陽子ちゃんは、大きくなるんですね」


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