忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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218: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2013/12/10(火) 00:21:51.71 ID:bZBTqQiJ0
(そういえば……)


 中学以来、か。
 そんなフレーズに気を取られながら、本棚を見上げてみた。

 そのためか、すんなりと「それ」は視界に入り込んできた。


「……」
「陽子?」


 誘われるように、私は本棚に向かう。
 「それ」を取り、再び座布団に戻ると、


「……『〇〇小学校 卒業アルバム?』」


 綾が、そこに書かれた文字を読み上げた。
 そう。いかにもこれは、卒業アルバム。
 それもまだ――


「――何か、さっき居眠りしてる時にさ、ちょっと昔のことを」


 思い出しちゃってね、と我ながら照れくさそうに言った。
 綾は、足を止め、少しばかり真剣そうな表情になる。


「……もしかして」
「そっ。その『もしや』」


 おどけた口調で、私は勉強机にアルバムを開く。
 綾もベッドから下りて、私の近くに腰を下ろした。
 長い髪が私の頬をくすぐり、またさっきの「光景」を意識する。


「――これって」


 綾が目に留めた写真には、白色が目立つ。
 体操着服姿の私たちが、そこにはいた。

 男子たちに混ざって我ながら元気よくピースサインをする私。
 そして、そんな私にピタッとくっついているのが――



「そ、昔の……」


 ページを繰って、私は、


「――私と、シノ」


 あの日に、帰る――


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