忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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◆jOsNS7W.Ovhu
[saga]
2013/12/10(火) 00:21:10.21 ID:bZBTqQiJ0
「――」
「……ねぇ――こ」
身体が揺さぶられるような感覚がして、ぼんやりとした視界がくっきりと映し出される。
今度は……さっきより、ずっと髪が長い顔見知りがすぐ近くにいた。
「……なんだ、綾か」
「『なんだ』って……あなたねぇ」
ハァ、と溜息を一つ。
目の前の友人は、怒ったような呆れたような目で、私を見つめる。
「――宿題、手伝ってくれって言うから来たのに」
「そう、だったっけ……ごめん」
私が返すと「まったく、もう」と、綾は横を向いてしまった。
綾の良い所は、何だかんだ言いつつも根に持たない所だ。
そんな綾に、私は甘えることも多い。
「ああ、ノートがグシャグシャじゃない……」
「そりゃまぁ、突っ伏して寝ちゃってたし?」
「『何が問題なの?』みたいな顔しないでよ……」
ハァ、と再び溜息を一つ。本日、二つ目?
とはいえ、綾の憂い顔の理由も分かる。
8月31日。
この日付に何を感じるか。
私に言わせれば、この3つの数字ほど心を惑わせ、痺れさせるものはないんだけど。
貴方は、どうだろう?
その感じ方によって、普段の行いが見えてくる――
「……また、ロクでもないこと、考えてるでしょ?」
「きっと、綾は『恐怖』なんて感じないんだろうなぁ」
「何言ってるのよ……」
ハァ、と溜息を――しつこいか。
さて、気を取り直して、と。
「ちょっと、休憩しよう」
「どうしてそうなるのよ!」
綾は、溜息に飽きたのか、今度はツッコミに切り替えてきた。
いやー、普段なら私がツッコミで綾が天然ボケって感じなんだけど、私の起き抜けは立場逆転するんだよねぇ……。
「まったくもう、陽子ったら……」
「とか言いつつ、ノリノリじゃないか」
私のベッドに座り、足をパタパタとさせる綾を見るに、言葉とは裏腹にどこか楽しそうだった。
座布団に座りながらそのことを指摘すると、綾の頬に何故か少し赤みが差す。
「気、気のせい、でしょ」
「そうか……」
こういう時に、深入りすると思わぬ事態を生みかねない。
だからいつもこの辺りで引くんだけど、そうするとこれまた何故か、綾の表情は少し不機嫌そうになる。
中学以来の付き合いだけど、こういう所はちょっぴり慣れなかったり。
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