らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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98:こなたの旅A 3/6[saga sage]
2013/04/07(日) 14:32:17.89 ID:yZ1bxUxf0
「店長、お客様がお見えです」
店内のインターホンから連絡が来た。時間ピッタリ午後1時だった。
かえで「応接間に通して」
私達は定位置に着いた。暫くするとドアがノックされた。
かえで「どうぞ」
ドアが開いた。
「失礼します」
部屋に入ってきたのは女性だった。女性記者なのだろうか。歳は二十歳代後半位か……髪は長く下ろしている。
彼女は鞄から名刺入れを取り出した。
「私、〇〇雑誌編集部の神埼あやめともうします」
神崎さんはかえでさんに名刺を渡した。かえでさんも神崎さんに名刺を渡した。
かえで「レストランかえで店長、田中かえでです」
そうそう、かえでさんは結婚したから名前が変わったのだった。二人は名刺交換すると席に着いた。そしてあやのの淹れたコーヒーを私が二人に持っていった。
こなた「どうぞ」
私は二人の前にコーヒーを置いた。
あやめ「お構いなく」
私は一礼して低位置に戻った。神崎さんは私達の方を見ている。
かえで「二人は私の店のスタッフです、副店長の日下部あやの、コーヒーを持って来たのがホール長の泉こなた」
私とあやのは神崎さんにお辞儀をした。神崎さんも私達に礼をした。
なんだろう。この人、どこかで見た事あるような……初めて会った感じがしない。何故だろう。
あやめ「取材は初めてと聞いています、どうぞ気を楽にして下さい」
かえで「そ、そう出来れば良いのですが……」
わぁ、かえでさんガチガチに緊張している。神崎さんがそう言うのも分かる。
かえで「それでは早速取材に入らせてもらいます、連絡した様に私はある事件の真相を調べるために取材をしてきました」
え、え、え、お店の取材じゃないの……どうして……私は自分の耳を疑った。あやのも少し驚いている。
かえで「はい、それは聞いています、ですが私達の店と何の関係があるのでしょうか、さっぱり検討がつきません、それに十年前の事件だけでは分かりません」
神崎さんは鞄から何か取り出し机の中央に置いた。あれは……ボイスレコーダー……
あやめ「十年前で分かると思ったのだけど……正確に言うと十一年前の9月〇日、旧ワールドホテル会長、柊けいこ、同秘書、木村めぐみ連続失踪事件……これだけ言えば分かるかしら」
かえで「それは知っています……」
あやめ「それは良かった、ワールドホテル会長の巨額脱税事件の取調べのため拘置所に拘留されていた二人が同じ日、同じ時間に何の痕跡も残さずに失踪した」
かえで「……当時大々的に報道されてましたね、未だに二人は見つからない様ですね」
神崎さんは鞄からファイルを数冊取り出すと広げて見せた。そこには彼女が取材したメモや写真、新聞や雑誌の記事の切り貼りがあった。かなり調べている。
あやめ「巨額脱税とは言え、有罪になったとしても抗わなければ大した刑にはならなかったはず、拘置所脱走という大きなリスクを冒してまで何故二人は失踪したのか、
    特に柊けいこはかなりの高齢、今生きていたとしたら90歳は超えている……見つからないのが不思議……そう思いませんか?」
かえで「……前置きはその位で、何が言いたいのですか?」
神崎さんはニヤリと笑った。
あやめ「私は二人が失踪前後に交流した人を取材して彼女達の足取りを追っているのです、確かこの店はホテルの店として出店契約を結んだ筈です」
この雰囲気、ボイスレコーダーを置く所、誰かに似ていると思ったけど、昔のひよりに似ているような気がする。容姿や話し方ではなく雰囲気が……そんな気がした。
かえで「確かに出店契約をしましたが白紙にしたはずです……彼女とはそれに関する事意外は話していませんが」
あやめ「そうでしょうか、レストランかえで……何故か日本全国数箇所で何度か会合をしていますね、逮捕前には本社で、この当時何店か同じ契約をしている記録があるのですが、
    貴女の店は圧倒的に会合回数が多い……何か特別な契約でも結ぶつもりだったのでは?」
あの会合はつかさ達とお稲荷さんとの会合だ。そんな記録が残っていたなんて……突然な出来事でめぐみさんは情報を消しきれなかったのかもしれない。
会合内容までは知られていない、知られていたら大変な事になっていた。
かえで「……移転前の店の土地が買収されてしまい、それについて協議していただけです」
あやめ「その土地とは名前もない神社じゃないですか、その神社は現在町の私有財産になっていますね」
この人……なんだろう。鋭い……
かえで「……そうです」
あやめ「大企業が小さな店に対してこれほど優遇するなんて、よっぽど何かがなければしない……どんな魔法をつかったのです?」
この人……神社の事まで調べている……かえでさんが応答は全て自分でするって言ってた意味がやっと分かった。下手な事は言えない……
かえで「魔法……ふふ、そんな物使っていません、店の料理が全てです……あやの、こなた、彼女にコース料理を」
こなた・あやの「は、はい……」
私達は応接室を出て厨房に移動した。そしてコース料理をオーダした。




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