らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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こなたの旅A 2/6
[saga sage]
2013/04/07(日) 14:31:28.07 ID:yZ1bxUxf0
つかさは未だ真奈美を救えなかった事を後悔している。あれはどうする事もできなかった。誰もがあの場面に遭遇しても結果は同じだった。皆がそう言っている。
私もそう思っている。そもそもつかさでなかったら真奈美に殺されていたかもしれない。あの時あの場面でつかさでなければ今はなかった……
信号が赤になって車を止める。ふと我に返った。
私ったら何を考えている。もうこんな話は昔から何度もしてきたじゃないか。もう考える余地なんかない。でも何故考えている。
何故って……そう、つかさは即答で否定した。私が狐を見たと言って直ぐに違うって言った。これは昔のつかさなら在りえなかった。
『え、本当、きっとお稲荷さんだよ』って言うと思った。私自身それを期待していたのかもしれない。でも実際は違った。リアルとバーチャルを行ったり来たりして遊んでいる私と
結婚、子育て、店の経営とリアルを生きているつかさの違いなのか。それともつかさは何かを隠しているのか……
こなた「ふ、ふふふ……」
信号が青になり車を進めた。
笑っちゃうね、それこそつかさらしくないや。つかさが隠し事なんて。それにもしあの時見付けたのがお稲荷さんなら……
そう、四人の元お稲荷さんがとっくに気付いている。私が見間違えた。なんだかもやもやしていたのが晴れた。さて……帰って寝よう……
そして数日後……
その取材の日が来た、私は休暇だったけどこれと言って用事もなかったので参加することにした。時間は午後1時、場所はレストランかえでの応接間。予約のお客様も
時折使う部屋だ。初めての取材……と言っていたが。取材という言葉だけで言えば初めてではなかった。
ひよりとゆたかが一度だけこのレストランの取材をしている。その時私とかがみも参加している。でもこれは店の紹介の取材じゃない。漫画を描くための取材だった。
商業用ではなくあくまで個人出版で出す。つまりコミケで少数出版する程度の作品の取材だ。これはかえでさんも快く受けてくれた。
でも今回は雑誌の記者が直々に出向く取材。一言一言が雑誌の記事に成りかねない。そしてその記事がどう評価されるかも未知数。スタッフ一同も緊張と不安で一杯だ。
もちろんかえでさんも例外ではない。取材を受けるのはかえでさん。そして副店長のあやの。見学でホール長の私。
こなた「スーツ姿のかえでさんも良いね……」
かえで「10年前のスーツだけど……なんとか着れたわ」
こなた「10年前……そんな昔?」
かえで「そうよ、あれは確かワールドホテルに呼ばれた時に……」
こなた「あぁ、あの時に着てたんだ……」
私は時計を見た。
あやの「まだ時間にはなっていないけど、どうしたの?」
こなた「い、いやね、つかさは来ないのかなって……」
かえでさんの顔が険しくなった。
かえで「あやの、彼女には言わないでって言ったのに」
あやの「ごめなさい、つい弾みで……」
こなた「え、何々」
あやのが珍しく謝っている。かえでさんは溜め息をつくと私の方を向いた。
かえで「昨日つかさから取材に参加したいって連絡が来た」
お、つかさが私の言うように自分から行動した。
こなた「つかさから聞いてくるなんて、よっぽど参加したかったんだね、早くしないと始まっちゃうよ」
かえで「いや、断った、来る必要はない」
こなた「断ったって、この店を出た時間の方がながいかもしれないけど、ちょっとそれは酷くない?」
かえでさんの表情がさらに険しくなった。
かえで「こなた、これは遊びじゃないのよ、内輪で和気藹々なんていかない、来られても迷惑なだけ」
こなた「う……う」
何時に無く厳しい態度だった。私がミスや間違いをしてもそこまで厳しくした事ないのに。その気迫に圧倒されて何も言えなかった。それだけこの取材に力を入れているって事なのか?
かえで「あやの、こなた、取材の応答は全て私がするからそのつもりで」
こなた・あやの「は、はい」
私とあやのは顔を見合わせた。あやのも私と同じ気持ちだだろう。かえでさんの緊張感が私達にも伝わってきた。
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