らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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75:ひよりの旅 110/112[saga sage]
2013/02/11(月) 21:40:37.61 ID:W145K4B60
110こなた「うぅ……ひよりん……ひよりんだけは仲間だとおもっていたのに……」
ひより「あ、あの、まだ告白もしていないのに……気が早過ぎますよ……」
泉先輩はゆたかの方を向いた。
こなた「ゆーちゃんは、ゆーちゃんは居るの?」
ゆたか「……はい、心に決めた人ならば……」
泉先輩は絶句して硬直してしまった。
あやの「誰なの……その人は?」
ゆたか「出版社のマネージャの……」
ひより「え、まさか田所さん?」
ゆたかは顔を赤くして頷いた。
ひより「……あの人苦手だな……締め切り厳しいし……」
ゆたか「そんな事ないよ、とってもいい人だよ」
かえでさんが急に立ち上がった。
かえで「田村さん、小早川さんの恋が実るように、そしてこなたに彼氏ができるように……はなむけにワインを持ってくるわ、丁度三十年物が手に入ったのよ、皆であけましょ」
つかさ「え、手に入るの大変だったて言っていたけど、いいの?」
かえで「今出さずして何時だすのよ、グラス用意しておいて」
かえでさんは店を出て行った。隣のレストランに取りに行ったにちがいない。
つかさ「あのワイン、店で出すためじゃないのに……」
ワイングラスの準備しながら話すつかさ先輩。
あやの「え、出すためじゃないのなら何の為のに、私はてっきりお得意様のためかと……」
つかさ「旦那さんと一緒に飲むために買ったの、かえでさん忙しくて結婚式していないから……」
ゆたか「そんな大事なワイン飲めないよ……」
かがみ「それなら私は飲まないわ、お腹の赤ちゃんも居るしね、こなた達は分けてもらいなさい、かえでさんの結婚を祝うワイン……三人のはなむけにピッタリよ」
あやの「そうね、私も止めておく、車だしね」
つかさ「それじゃ二人は葡萄ジュースにしておくね、乾杯の時用に」
つかさ先輩は冷蔵庫からジュースの瓶を取り出した。それと同時にかえでさんが戻ってきた。
かえで「フランス、ボルドー産の三十年物よ」
こなた「……そんな事言われても分かんないよ、早くちょうだい」
かえで「こらこら、慌てるな、コルク栓を開けるところが良いのよ、見ていなさい」
かえでさんはコルク栓に栓抜きを慣れた手つきで差し込むと引っ張った。
『キュー シュポン!!!』
綺麗な音と共にコルク栓が取れた。つかさ先輩がグラスを持って来た。
かえで「いい香りね……」
ワインをグラスに注ぐ。三分一くらいの量だった。
こなた「けち臭いな〜」
かえで「本来ワインは香りを楽しむものなのよ……足りなければまた注ぐわよ」
グラスをつかさ先輩が皆に配った。
かえで「つかさの演奏を聴いて思った事がある……私はつかさに会わなければ自分の店を持とうとは思わなかった、そしてこの町でまた店を開くなんて思いもしなかった、
    そして……ここに居る皆は知っているようにお稲荷さんとの出会い……不思議ね、田村さんと小早川さんもそうでしょ」
ゆたか「はい、彼らとの出会いが無ければひよりと同じ仕事をするなんて無かったかもしれません」
こなた「私もつかさと同じ仕事をするとはね……」
かがみ「私はひとしと一緒にはならなかった……」
かえで「一つの出来事が与える影響は大きい、本人が自覚していなくても何かをすれば水面に投げた石の波紋の様に広がっていく、これからもきっとそうなるわ、
    良い事も、悪い事もね……これまでの事に感謝しつつ、三人のこれからの門出に……乾杯」
皆『乾杯』
こなた「うげ〜何この味……しぶい……これならボジョレーヌーボの方が飲み易いや……」
泉先輩が今にも吐き出しそうな顔をしている。
かがみ「バカね、その渋みが良いんじゃないの……まだまだお子ちゃまには分からない味ね」
かえで「こなた、もう少し味覚を鍛えなさい、それじゃホール長としては落第よ」
こなた「かがみとかえでさんが居るとやり難いよ〜つかさ〜何とかして〜」
つかさ「ワインは料理にもお菓子にもつかうの……こなちゃん、私もそう思う……もう少し味覚を……」
こなた「えー」
泉先輩がいうように少し渋かった。大人の味と言われればそれまで。泉先輩は自分の気持ちに正直すぎる。それが子供と言われてしまうのかもしれない。
だけど……それが泉先輩の良い所でもある。同じ物が長所にも短所にもなるなんて。
面白い。やっぱり戻ってきて正解だった。私は久しぶりにネタ帳を手に取った。
シナリオはゆたかだけに書かせるのは勿体無い。私も参加させてもらう。
つかさ「それよりお姉ちゃん、独立するって聞いたけど」
かがみ「子供が生まれて落ち着いたら、ひとしが準備をしている」
かえで「それは初耳ね、よ〜し、今日は前祝だ、店からお酒もってくるから」
つかさ「ちょ、今日は飲み会じゃ……」
制止する間もなくかえでさんは出て行った。
つかさ「しょうがない、おつまみも用意しないと……」
ひより「演奏会、良かったです、私の中が変わりました」
つかさ「ありがとう」
つかさ先輩は厨房へと向かって行った。
それから夜遅くなるまで下ネタから宇宙論までまったく何を話しているのか分からなく程いろいろな話しをした。




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