らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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38:ひよりの旅 74/112[saga sage]
2013/02/11(月) 20:57:19.49 ID:W145K4B60
 さっきからゆーちゃんはモジモジして何かを言いたそうにしていた。少し間があったので決心がついたの小林さんに向かって話しだした。
ゆたか「あ、あの〜、質問いいですか?」
ひとし「何か?」
ゆたか「かがみ先輩とはどうして知り合ったのですか、かがみ先輩は小林さんの正体を知っているの?」
ひとし「彼女に私からは話していない、多分私の正体は知らないだろう……彼女とどうして出会ったか……それは、
    たかしが再び彼女を呪うのを監視してくれ……そう友人に頼まれてね、それが切欠だ」
頼まれた……同じだ。私が泉先輩からかがみ先輩の様子を見てくれって言われたのと同じじゃないか。
ゆたか「その友人もお稲荷さんなんですね……」
小林さんは頷いた。
ひとし「……結局たかしは一度もかがみの前に現れていない、しばらくして友人がたかしを保護したと連絡があった、それで私の仕事は終わるはずだった」
ゆたか「筈だった?」
ひとし「たかしは何時現れるか分からない、彼女の監視は四六時中続いた……そういえば君達三人も何度かかがみと会っていたな……
監視していて、そのうちに、一度くらい直接会ってみたくなってね……声を掛けた……」
ひより「それでかがみ先輩を好きになった……ですか?」
小林さんは何も言わず、何も反応しなかった。でもそれが答えだった。
ひとし「さて、身の上話しはここまでだ、約束通り彼を、たかしを探しに行かないとな」
小林さんは立ち上がった。
ひとし「この事務所は好きなように使うと良い、所長には私から言っておく」
そう言うと小林さんは会議室を出て行った。

私は溜め息を一回つくとみなみちゃんに向かって話した。
ひより「たかしと交渉ね……そんな無茶振りをアドリブでしちゃうなんて……失敗は許されないよ……私、自信なんかない……」
みなみ「ご、ごめん……」
みなみちゃんは俯いてしまった。
ゆたか「で、でも、あの時みなみちゃんが小林さんを止めなかったら大変な事になっていたよ、私なんかあの時どうして良いか分からなかった……」
それは私も同じか。小林さんが出て行こうとした時、ただの傍観者になっていたのは事実だった。
ひより「こうなるのは必然だったのかな……それはそうとみなみちゃんは何故急に私達を手伝うようになったの」
みなみ「それは、みゆきさんがお稲荷さんを許したから……お稲荷さんの知識を知りたいって……」
ひより「みなみちゃんが説得したんだね、それは良かった」
みなみちゃんは首を横に振った。
ひより「え、それじゃどうして高良先輩はお稲荷さんを許したの?」
私はゆーちゃんの方を向いた。ゆーちゃんは慌てて首を横に振った。
みなみ「つかさ先輩は人間とお稲荷さんが一緒に暮らせるように何かしている、それに賛同するようになったと聞いた……」
ここでもつかさ先輩が出てきた。私の知らない所で、しらないうちに……何故……私の一歩も二歩も先に行っているような気がする。
ゆたか「流石だね……」
当然の事の様に言うゆーちゃん。つかさ先輩はそんな人だったのか。高校時代のつかさ先輩はもっと……もっとボーとしていて、いつも皆の後に付いている様な……
まなぶ「ところで、たかしとの交渉はどうするつもりなんだ?」
まなぶの声に一気に現実に戻された。私達は顔を見合わせるだけだった。
まなぶ「一度はかがみさんを呪った人だ、そんな人にかがみさんの病気を治す薬を作ってもらうように頼むなんて……出来るのか?」
ゆたか「出来る出来ないじゃない、しないとダメだよ……」
まなぶ「どうやって、行き当たりバッタリが通用する相手とも思えないが」
ゆーちゃんは言葉に詰まった。私もみなみちゃんも何も言えない。
ゆたか「頼むしかないよ、頼んで頼んで命乞いするの」
みなみ「私も頼む……」
ひより「それしかない……」
まなぶ「無策の策か、それも良いだろう」
まなぶは席を立った。
まなぶ「ひとし一人より二人で探したほうが早い、手伝ってくる」
まなぶは会議室を出て行った。
ゆーちゃんはまなぶの出たドアを見ていた。
ゆたか「コンちゃん……少し変わったかな」
ひより「変わった?」
ゆたか「うん、なんか少し頼もしくなった、それに人間になっているのに苦しそうじゃなくなってる」
ひより「人間としてまつりさんに会いたいって言ってからね……」
ゆかた「そ、そうだった、もうコンちゃんなんて言えないね……」
みなみちゃんは立ち上がった。
みなみ「こうして居ても仕方がない帰ろう、それで、それぞれがたかしに何を言うのか考えよう、宮本さんが言うように今の私達は無策、
    このままだとたかしはかがみ先輩を救ってくれない……」
ゆたか「そうだね……今はそれしか出来ないよね、帰ろう」
ゆーちゃんも立ち上がった。そして私も立ち上がった。
事務所を出るとき、所長さんに私達の携帯電話の番号と家の電話番号を小林さんに伝えて貰うように頼んでから帰宅した。




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