らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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37:ひよりの旅 73/112[saga sage]
2013/02/11(月) 20:56:19.59 ID:W145K4B60
 小林さんの勤める法律事務所の会議室に通された。そこで私達は今まで経緯を小林さんに話した。
まなぶとの出会い、佐々木さんとの出会い、柊家との関係……そしてかがみ先輩の病気の事……
ひとし「脳腫瘍だと……」
私は頷いた。
ひとし「ば、ばかな、そんな気配は微塵も感じなかった」
ひより「秘密にしていたようです、多分家族や親友には知られたくなかったと思います、もちろん恋人の貴方にも……」
ひとし「彼女の心を読めなかったと言うのか、それは在り得ない」
まなぶ「かがみさんは以前呪われている、その時に呪術者と何度も接触しているはずだ、そうこうしているうちに心を読まれない術を身につけたのかもしれないな」
小林さんは何も言わず考え込んでしまった。
ゆたか「そんな事より公園で話していたたかしってお稲荷さんを探さないと、かがみ先輩の病気を治す薬を作れるのでしょ?」
小林さんは目を閉じて腕を組んた。
ゆたか「どこに居るのですか、協力して下さい……」
ひとし「……まなぶはたかしを知らないのか……」
まなぶ「初めて聞く名前……すすむも何も言わなかった……極度の人間嫌いだって言っていたね……」
小林さんは目を開け腕組みを解いた。
ひとし「幼かったまなぶでは覚えていなかったか……人間嫌いだけならまだ希望もあるがな……」
まなぶ「何が言いたい、こっちは急いでいる、こうしている間にも……」
小林さんはもったいぶった様に少し間を空けてから話した。
ひとし「かがみに禁呪をしたのが……そのたかしだ……」
まなぶは何も言い返せなかった。私たち三人は顔を見合わせて驚いた。
私達はかがみ先輩に呪いを掛けたおいなりさんにかがみ先輩の病気を治してもらわなければならない……気が遠くなるような事だった。
でも諦められない。諦めたらかがみ先輩はあと半年後には亡くなってしまう。
ひより「そのたかしってお稲荷さんは何故かがみ先輩に呪いをかけたのです?」
それならばたかしってお稲荷さんの情報をなるべく詳しく知る必要がある。
ひとし「私も直接彼から聞いたわけじゃないから真意はわからん……真奈美が亡くなったのをかがみの妹が原因と思っているらしい、
    その妹に彼と同じ境遇を味合わせてやりと思ったのだろう」
違う……確かにつかさ先輩が関係しているかもしれないけど、真奈美さんが亡くなったのはつかさ先輩のせいじゃない。誤解だ。
ひより「たかしって真奈美さんを好きだったのですか?」
ひとし「好きもなにも婚約者だった……」
ひより「こ、婚約者……」
好きな人……愛する人が亡くなれば何かのせいにしたくもなる。それはなんとなく理解できる。
ゆたか「でも、真奈美さんが亡くなったのはつかさ先輩のせいではありません」
珍しく断定的に言うゆーちゃんだった。それも私が思っていたのと同じ内容だった。
ひとし「……そうだな、そうの通り、真奈美が死んだのはむしろ我々側の問題だ……族に言う逆恨みと言うやつだろう」
ゆたか「お願いです、なんとかたかしさんを探し出せませんか……」
祈るように手を合わせて懇願するゆーちゃんだった。
ひとし「君達に頼まれるまでもない、私が直接彼に頼む……いや助けさせる、それが彼の責任だ」
小林さんは席を立ち上がった。そして会議室を出ようとした。
みなみ「何処に行くの?」
小林さんは立ち止まった。会議室に入って初めてみなみちゃんが口を開いた。
ひとし「たかしの所に会いに行く……」
みなみ「会う……何処に居るのか知っている?」
ひとし「草の根分けてでも探し出すまでだ……」
みなみ「会ってたかしさんが拒んだらどうする?」
ひとし「拒むだと、そんな事をすれば彼の命はない、悪いが急いでいる話はこれまでだ」
また小林さんは部屋を出ようとした。
みなみ「……かがみ先輩を第二の真奈美さんにしたいの?」
ドアのノブに手を掛けた所で小林さんは止まった。
ひとし「第二の真奈美……どう言う意味だ」
みなみ「怒りで話しかければ怒りで返ってくるだけ、誰も助からない、誰も救えない……」
小林さんは暫くノブを持ったまま動かなかった。そしてノブから手を放してから大きく深呼吸をした。
ひとし「……そうだな、その通りだ、岩崎さんと言ったな、私は危うく同じ過ちを仕出かすところだった」
小林さんはさっき座っていた椅子に戻り座った。
ひとし「私がたかしに会うとお互いに感情的になってしまう……どうしたものか……」
みなみ「たかしさんとの交渉は私達がします、だから彼を探し出して欲しい……」
そんな話は聞いていない。私には荷が重過ぎる。
ひより「ちょっと……」
ゆーちゃんと目が合った。そしてゆーちゃんは頷いた。その決意に私はその先の言葉を言えなかった。
ひとし「そうか……やってみるが良い、そのくらいの時間はまだある、しかし君達が失敗したら私が直接出向く、それで良いな?」
ゆたか・みなみ「はい!!」
ひより「は、はい……」
急に振って湧いたミッション。自信なんかない。でもやるしかないのか……




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