らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
↓
1-
覧
板
20
32
:
ひよりの旅 68/112
[saga sage]
2013/02/11(月) 20:50:21.26 ID:W145K4B60
佐々木さんは暫くしてからゆっくり私の方に向いた。
すすむ「さすが私達の正体を見破っただけのことはある、感情に任せて言った失言からそこまで分かるとは」
ひより「呪いは解けていなかった……」
すすむ「呪いならまだましだ、彼女の脳に悪性新生物がある……」
ひより「あくせいしんせいぶつ……まさかそれって」
すすむ「そう、脳腫瘍だ、それもかなりの悪性だろう、場所もおそらく外科的には取り除けまい」
目の前が急に真っ白になった。
ひより「そ、それで、さっきの整体で綺麗スッキリ治しちゃったのでしょ?」
佐々木さんは首を横に振った。
すすむ「私の整体は今まで人間から得た知識や技術を私なりに統合、改良をしたものだ、残念ながら悪性新生物には対応していない」
ひより「で、でも、かがみ先輩、あんなに肌艶も綺麗になって、健康その物だった」
佐々木さんはまた首を横に振った。
すすむ「免疫を強めるようにしたが気休めだ、進行を遅らすくらいしかできない……あともって半年くら……」
ひより「やめてー!!!」
私は両耳を手で押さえて叫んだ。この先は聞きたくなかった。
ひより「何故です、何故、かがみ先輩がそんな病気にならないといけない、呪い……呪いのセイでしょ、」
すすむ「あの呪いは脳に直接働きかけるもの、全く影響がなかったとは言えない、しかし呪われなくとも何れは発病しただろう」
身体が熱い、怒りが込み上げてきた。
ひより「だったら責任を取って、かがみ先輩がお稲荷さんに何をした、何もしていないでしょ、勝手に呪って、かがみ先輩を病気にして」
佐々木さんには何も責任は無い。それは分かっていた。だけどこう言うしかなかった。
佐々木さんは私の顔をじっと見た。
すすむ「目から水が出ているな……泣いているのか、残念ながら私達は泣くと言う心理状況を理解していない、人間になっても頭の中までは変わらないのでね、
大事な物を失った時、得た時に泣くと聞いたが……柊かがみは田村さんにとってそう言う存在なのか、親でも姉妹でもない赤の他人ではないか」
ひより「……そんな事はどうでもいいから、早く治して……」
すすむ「……治す方法はある、だが人類の技術では合成できない物質がいくつかあって……無理だ……」
ひより「もういい、何処にでも引っ越して、二度と私達の前に現れないで」
私は立ち上がった。
すすむ「彼女は自分でも分かっていたのだろう、病気の事を言ってもあまり驚かなかった、只、内緒にしてくれと言っていた……私は約束を破ってしまったな、すまない」
私はそのまま診療室を出た。
別れの言葉も何も言わない。
所詮人間とお稲荷さんはそんな関係。分かり合えるはずも無い。
何もする気がしない。気が重くなるばかりだった。大学に行っても上の空。家に帰ってもボーとしているだけ。
ときよりかがみ先輩の事を思い出しては涙を流すだけだった。
佐々木さんと別れてから一週間、そんな事の繰り返し。
自分の部屋で机に向かってペンを取っても何も描けなかった。
『ピピピーピー』
私の携帯電話に着信が入った。泉先輩からだ。いつもはメールのやりとりだけだったのに。珍しい。携帯電話を手に取った。
ひより「もしもし……」
こなた『やふ〜ひよりん』
まだ半年も経っていないのにとても懐かしい声に思えた。
ひより「先輩、久しぶりっス、どうしました」
こなた『いや〜最近めっきり報告が途絶えちゃっているからどうしたのかなと思ってね、かがみんのミッションは行き詰まったかな?』
そういえば最近になって何も報告していなかった。そうだ。こんなミッションなんか関係ない。もっと大事な事を言わなければ。
ひより「そんな事よりもっと大事な話があります」
こなた『なんだい改まって……』
ひより「かがみ先輩は……」
『内緒にして』
かがみ先輩の声が私の頭の中に響いた。
ひより「かがみ先輩は……」
こなた『かがみがどうしたの?』
ひより「かがみ先輩には彼氏がいるっス」
病気なんて言えない……何故、いつもの私なら話しているのに……
こなた『お、おお、その断定的な言葉、それ、それだよ、それを待っていたんだ、まぁ、だいたい想像はしていたけど、これは面白く成ってきたぞ』
声が弾んでいる。楽しんでいるようだ。
こなた『しかし、どこでその情報を仕入れたの、かがみ自らそんなのは言わないはず』
ひより「実はかがみ先輩から「ひより」って呼ばれているっス」
こなた『なるほどねぇ〜かがみの信頼を得たってことか、ひよりんもやるじゃん』
ひより「い、いえ、それほどでも……」
こなた『そうそう、かがみは親しくなると呼び捨てになるんだよね、高校時代初めて会った時なんかね……』
かがみ先輩の出会いの話しを長々話す泉先輩……ゲームの話しをしている時よりも活き活きとしていた。かがみ先輩が病気と分かったらどうなるのだろうか。
私と同じようになるのかな。いや、もっと悲しむかもしれない。つかさ先輩はどうなのだろう……ますます言えなくなってしまう。
やばい。また涙が出てきてしまった。これが電話でよかった……
こなた『ちょっと、ひよりん、聞いているの?』
やばい、上の空だった。
ひより「は、はい、聞いてるっス……それよりそっちの状況はどうなんですか、つかさ先輩達と上手くいっています、例の店長さんとは?」
こなた『ふ、ふ、ふ、聞いておどろけ、私はホール長になったのだよ』
ひより「え、それは凄いっすね、おめでとうございます」
こなた『声が棒読みだよ……まぁいいや、つかさとはシフト制になってからあまり会えなくてね、同じ部屋を借りているのにおかしいよね』
なぜか素直に喜びを表現できなかった。
こなた『最近松本店長とつかさが私達スタッフに内緒で何かしているみたいだけど、まぁ、つかさの腕も上がっているからもしかしたら副店長になる打ち合わせかもね』
ひより「二人揃って凄いですね、応援しています」
こなた『ありがとう……』
『ただいま〜』
携帯からつかさ先輩の声が聞こえたとても小さい声、遠くからのようだ。
こなた『お、つかさが帰ってきた、やばい、今日は私が夕食当番だった、それじゃまた連絡よろしくね』
ひより『は、はい……』
二人は私が思っていた以上に成功している。すごいな。
携帯電話を切って机に置いた。結局話せなかった……
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
728Res/1149.80 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
書[5]
板[3]
1-[1]
l20
らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360577276/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice