らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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29:ひよりの旅 65/112[saga sage]
2013/02/11(月) 20:46:56.97 ID:W145K4B60
かがみ「宮本さんがまつり姉さんを好きだって?」
〇ッキーを食べながら驚くかがみ先輩だった。私は今までの出来事をかがみ先輩に話した。
ひより「はい」
かがみ「まぁ、分らないではないわね、宮本さんの正体がコンならばね……人間としてか……彼は本気みたいね、私はその気持ちを大事にしたい、問題はまつり姉さんが
    どう思っているか、それだけだわ、私から見た感じではまんざらでも無さそうよ、他に彼氏もいなさそうだし」
ひより「本当ですか!?」
私は少し声を高くして聞き返した。かがみ先輩は食べかけた〇ッキーをお皿に置いた。
かがみ「あくまで私が見た感じよ、本人に直接聞いたわけじゃない、確証はないわ」
ひより「そ、そうでした、軽率でした」
かがみ「それより、いのり姉さんと佐々木さんが心配ね」
ひより「あの、佐々木さんが整体院を辞めて、引越しするのは……」
かがみ「そうね、これも本人聞かないと真意は分らないけど、大筋、田村さんの推理で合っていると思う、確かにあの整体院は評判が良すぎたかもしれない、
    そこに利害が出てきて、いろいろな事を考える族(やから)が出てくるのも確かよ……考えてみれば私達人間の方もややこしいわね……」
かがみ先輩はまたお皿に盛った〇ッキーを食べだした。
かがみ「田村さんも遠慮なく食べなさいよ、お茶も入れたし」
かがみ先輩はお菓子の盛られたお皿を私に差し出した。私はお皿を掴んだ……あれ、かがみ先輩はお皿を放そうとしない。私は少し力を入れた。しかしかがみ先輩は放そうとしない。
ひより「いゃ〜、かがみ先輩、全部食べたいならそう言って下さいよ……」
かがみ先輩は何も言わなかった。しまった。禁句(タブー)を言ってしまったか。私は慌ててお皿を放した……
ひより「か、かがみ先輩?」
私の問い掛けにまったく反応しない。まるで人形の様に固まっている。
ひより「かがみ先輩、冗談はよしてください……」
全く反応がない。もっともかがみ先輩はこういった冗談はしないタイプだ。私はかがみ先輩の目の前で手を振った。反応なし。この時、事の重大さに気付いた。
ひより「かがみ先輩!!!」
ありったけの大声、そしてかがみ先輩の両肩を掴んで前後左右に激しく揺さぶった。かがみ先輩の全身が激しく揺れる。
ひより「しっかり、しっかりするっス、だめ、死んだらダメ、つかさ先輩が、ご両親が……私だって……私だって……」
なんだろう。目の前のかがみ先輩が歪んで見える。目頭が熱くなってきた。
こんな時は救急車を呼ぶのが先だっけ……
頭はそう思っていても手ははかがみ先輩から放れなかった。
泉先輩との漫才。時には怒って、時には笑って……そんな光景が頭の中を過ぎっていく。
冷静に。
早くかがみ先輩から離れて電話を……
別の私が私に語りかけてくる。私は我に返ってかがみ先輩を放した。そして携帯電話を取り出し119番に掛けようとした。
かがみ「ちょっと、お菓子が全部床に落ちちゃったじゃない……」
電話をする動作を止めてかがみ先輩の方を見た。かがみ先輩は何事も無かった様に床に落ちたお菓子を拾ってお皿に戻していた。
ひより「かがみ……先輩?」
かがみ先輩は私の方を見た。私の顔を見て驚いた。私の目から涙が出ていたのに気付いたのだろう。
かがみ「な、なによ、お菓子が落ちたくらいでそんな、泣くなんて……」
ひより「え、たった今、何が起きたのか分らなかったっスか?」
かがみ「何って、お皿からお菓子が落ちて……」
ひより「その前っス、よく思い出して下さい、かがみ先輩は人形みたいに動かなかった」
かがみ「あ、あぁ、そ、そうだったかしら、最近論文を書いていて徹夜続きだったから、疲れが出たのかも……」
思いついたような言い訳だった。私には嘘だと直ぐに分った。
ひより「そんな在り来りなもんじゃなかったっス、あれはどう見ても意識が飛んでいました」
かがみ先輩は残りのお菓子を全て拾うとお皿を机の上に置いた。
かがみ「田村さんには隠せないわ……最近、意識が飛ぶことがあってね……この前もゼミ途中で抗議の意味が分らなくなった……」
ひより「それは尋常じゃないっス、早くお医者さんに診てもらわないと……」
かがみ「大丈夫よ、高校受験の時もそんな事があったから、田村さん、もしかして心配して泣いてくれたの、嬉しいじゃない」
笑顔ではいるけど、いつもの笑顔とは違った。作っている。
ひより「以前、呪いにかかったって言っていましたけど、その後遺症とかじゃないっスか?」
かがみ「……そんなの、分るわけないじゃない、呪いの知識なんて全くないのよ」
やっと本音が出た。見栄っ張りもここまでくると頑固者って感じだ。皆に心配を掛けまいとしているのだろうか。
ひより「それは私も同じです」
かがみ「この事は、皆には内緒にして……」
力ない声だった。
やっぱりそう言う事だったのか。このまますんなり内緒にして良いのだろうか。呪いならお医者さんに診せても分らないだろう。仮に何かの病気だったら皆に分かってしまう。
皆に知られないように確認する方法……ある。あるじゃないか。
ひより「佐々木さんならそれが分かるかも、治療法も知っているいるかも」
かがみ「だから大丈夫だって、この話は止めましょう」
ここは折れてはだめだ。
ひより「他人の私ですら涙がでてしまった、これがつかさ先輩、ご家族、泉先輩、高良先輩だったらどうだっか想像できます?」
かがみ「つかさ……お母さん……こなた……」
さぁ、かがみ先輩、ここで想像力を使って下さい。かがみ先輩が亡くなったらどれだけの人が悲しむのか……
ひより「かがみ先輩の恋人はどうですか」
ここでダメ押しだ。
かがみ「わ、分かったわよ、白黒付けようじゃない、でも佐々木さんの所は休診中じゃないの」
やった。診てもらう気になってくれた。
ひより「それは問題ないっス」
私は携帯電話を取り出した。
かがみ「ま、まさか、今から?」
ひより「善は急げ、っス」
佐々木さんは快く引き受けてくれた。
私達はかがみ先輩の用意した車に乗って佐々木整体院に向かった。




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