らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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ひよりの旅 64/112
[saga sage]
2013/02/11(月) 20:45:28.05 ID:W145K4B60
まなぶは後ろを向くと狐の姿になった。そしてそのまま草むらに消えていった。狐に戻っても気を失わなくなっている。思ったよりも早くまつりさんの再会ができそうだ。
ひより「さて、私達も行きましょうか」
ゆたか「行くって、何処に?」
ひより「柊家だよ、約束しているしね」
私が歩き出してもゆーちゃんはその場に留まったままだった。
ゆたか「でも、コンちゃん、宮本さんは居ないし……」
肩を落とし落胆している様子が私にも分る。
ひより「かがみ先輩の様子もみないといけないから、泉先輩のミッション……あ」
しまった。これは内緒の話しだった。
ゆたか「……ひよりちゃん、この状況で別の依頼まで出来るの……私はそんなに頭が回らない、いのりさんと佐々木さん……私じゃ力不足だった」
ゆーちゃんは佐々木さんが引っ越すのを気にしているのか。そのおかげでミッションはスルーだ。良かった。
ひより「いや、優先順位を見誤っただけだよ、まつりさんはコンの時に基本的なコミュニケーションが取れていたからまなぶさんになっても手を掛ける必要は無かった、
私なんか必要ない位だよ、問題なのはいのりさんと佐々木さん、人間同士だけの付き合いだから手を焼く必要があった、それだけだよ、ゆーちゃんのせいじゃない」
それでもゆーちゃんは動こうとしなかった。
ゆたか「ひよりちゃんは凄いね、そんな分析まで直ぐにできるなんて、なんでそんなに切り替えが早いの……まるで図書館でいくつもの小説を代わる代わる読んでいるような、
週刊誌の漫画を好きな順番で観ているような……楽しんでいる、そんな感じにさえ見える……これも他人事だからできるの?」
ひより「え、えっと、それは〜」
私ってそんなに気移りするように見えるのかな。私はまつりさんもいのりさんもかがみさんも別の物語だとは思っていない。
ひより「別の漫画とか小説とか、そんなんじゃないよ、この物語は一つ、全てはつかさ先輩の一人旅から始まった一つの物語、こう考えられない?」
ゆーちゃんは目を閉じて暫く考えた。そして目を開けて首を何度も横に振った。
ゆたか「だめ、ダメだよ、まつりさんはまつりさん、いのりさんはいのりさんだよ、それぞれ別だよ……ごめんなさい、少し考えたいの……ごめんなさい」
ゆーちゃんは走って倉庫を出て行ってしまった。そして私一人が残った。
私ってあまりに客観的に考えすぎるのだろうか。ネタを探すときとかは主観的に考えると詰まる場合が多い、だから一歩も二歩も引いて考える。
時には自分でさえも他人として考える……ゲームのプレーヤーとキャラクターと同じ関係、キャラクターを画面から操作しているからキャラクターがいくら危険な目に遭っても
悲しい出来事があっても進んでいける……泉先輩もそれに似ているように思っていたけど……従姉妹のゆーちゃんがあの反応じゃ違うのかな、やっぱり私は普通じゃないのかな……。
腕時計を見た。もう行かないと約束の時間に間に合わない。一回深呼吸をした。
それでも私は行くしかない。柊家に。
柊家の玄関の前、ゆーちゃんは見当たらない。きっと帰ってしまったのだろう。気を取り直して私は呼び鈴を押した。出てきたのはかがみ先輩だった。
かがみ「いらっしゃい」
かがみ先輩は私を見てから周りを見渡した。
かがみ「ゆたかちゃんと宮本さんは、一緒だって聞いていたけど?」
ひより「はぁ、実は諸事情がありまして……」
かがみ先輩は溜め息をついた。
かがみ「そっちも大変ね、まつり姉さんも居なくてね、急に仕事が入ったとか言って出て行ったわ……連絡する時間もなくて、ごめんなさい」
これで私の目的は泉先輩のミッションだけになってしまった。これは今までの出来事に比べればお遊びみたいなもの。かがみ先輩は彼氏とうまく行っているいみたいだし、
私の出る幕はなさそうだ。ゆーちゃんも心配だし……
ひより「そうですか、それでは今日は無しと言う事で、お手数を掛けました」
私は会釈をして帰ろうとした。
かがみ「待って、興味があるわ諸事情に、良かったら聞かせて」
かがみ先輩はドアを開けた。かがみ先輩は笑顔で私を迎えた。
ひより「……お邪魔します……」
吸い込まれるように私は泉家に入った。そしてかがみ先輩の部屋に案内された。
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