らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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186:こなたの旅 J 2/5[saga sage]
2013/07/15(月) 21:29:24.66 ID:AiDLb0Nc0
正子「ごめんないね、こんなものしか無くって……」
こなた「お構いなく……」
正子さんはお茶とお茶菓子を私の前に置いた。
正子「丁度一ヶ月くらい前かしら、貴女がここに来たのは」
正子さんは私の目の前に座った。
こなた「そ、そうですね、そのくらいになります」
もう一ヶ月経つのか。潜入取材が終わったからそのくらいの期間は経っている。
正子「あやめもそのくらい仕事で空けていましてね、もしかしてご一緒でしたか?」
こなた「え、ええ、そうですね、半分くらいは一緒でした」
正子「あやめはいろいろなお友達を連れてきますけど、学生時代からの友人の様み見える」
そうか、取材とかでいろいろな人を連れてくるのか。私もその中の一人。
こなた「そうですか、私って童顔だから……身体も小さいし」
正子「ごめんなさい、私はそんな意味で言ったのでは……」
卑屈になったのが悪かった。話が途切れてしまった。初対面の人と話すのは難しいな。正子さんは二回目だけど。同じようなものか。
正子「あやめと今日はお仕事の約束ですか?」
こなた「は、はい……」
正子「そうですか……」
話題を作らないと……そう思えば思うほど何も話題が出てこない。焦るばかりだった。
正子「一昨日、慌てて帰ってくるなり「私宛の郵便はどこ」って問い詰められて、泉さんが出したものではなかったのですか?」
こなた「郵便……いいえ、私は出していません」
正子「良かった、それなら安心」
サイン会の招待状を探しにきたのかな。そうか。神崎さんは私に言われて一度帰ったのか。それでサイン会の招待状を見つけたのか。
こなた「すみません、それで、それより前は帰ってこなかったのですか?」
正子さんは頷いた。
正子「一度も連絡もしないで、酷いでしょ?」
帰っていなかった。まさかとは思ったけど彼女は本当に帰っていなかったのか。一人で貿易会社を調べて居たのだろうか。
お母さんに連絡もしないで一体何を調べていたのか。いや、どんな大事な取材か知らないけどお母さんを放って置いて良いなんてないよ……
こなた「そんなに一人が良いなら引っ越せば良いのに……」
正子「そうね……本当はそれが一番良いのかもしれない、でもあやめは分かれて暮らすなんて一言も言わない、なんだかんだ言ってまだ親離れできていないのかもしれない、
   そう言う私も子離れ出来ていないのかも……」
こなた「ははは、実は私もまだお父さんと一緒に暮らしていたりして……」
正子「そうでしたか……こんな可愛い娘さんが居たら手放したくなるのも分かります」
こなた「はは、もう可愛いなんて言われる歳じゃ……それはないと思うけど………」
正子さんは照れている私を見て笑っていた。
こなた「あやめさんって子供の頃はどんな子だったの?」
正子さんは遠い目で私の向こう側を見た。
正子「そうね……学校から帰ってくると直ぐに遊びに出かけて、夕方になるまで帰ってこなかったかった……」
こなた「それって、遊びが仕事になっただだけで今と同じじゃないですか」
正子さんは笑った。
正子「ふふ、そうかもしれない……あの子は昔からそうだった、何にでも興味を持って……それでいて正義感は人一倍だった、
   いじめられっ子を庇って男の子と喧嘩もしたくらいだった」
こなた「へぇ…」
正子「それでもやっぱり女の子、半べそで帰ってきた……それでも男の子の方に怪我をさせたみたいで、後で学校に呼び出された……」
こなた「あらら……男勝りだったんだね……」
私はただ正子さんに合わせているだけでいい。それだけで話がどんどん進んでいった。
正子「曲がった事が嫌いだった、それでも女の子らしい所もあってね……あれは小学校に入学する少し前だったかしら……
   怪我をした狐を大事そうに抱えてきて、助けたいって……」
狐……怪我をした狐だって……私は身を乗り出した。正子さんは私の反応を見て嬉しかったのだろう、話しを続けた。
正子「野生の動物は無理だよって何度も言い聞かせても聞かなくってね、勝手にしなさいって怒った……だけどあやめは諦めないで看病したみたいね……
   一週間くらいでその狐は元気になってあやめのあげた餌なら食べるくらいまで懐いた……真奈美なんて名前をつけたくらいだからあやめもよっぽど気に入ったみただった」
こなた「ま、真奈美!?」
正子「え、ええ、そうですけど、何か?」
こなた「な、何でもありません、それで、その狐はその後どうしたの?」
傷付いた狐……真奈美……そして、神社のすぐ近くの家……これは偶然じゃない。その狐は、真奈美は……つかさを助けたあの真奈美に違いない。
正子「どんなに馴れても野生の動物は飼えない……別れの日が来ました、丁度あやめが小学校に入学する日だったかしら、狐を山に帰す時……あの子の悲しい顔が今でも忘れなれない
   まるで親友と別れる様だった……」
親友……彼女は狐の正体を、お稲荷さんの秘密を知っているのか。
神社とこんなに近い家だだから。たとえ別れたとしても再会できる機会は幾らでもあるよね
だとしたら……
まさか神崎さんがしようとしている事は。貿易会社に囚われている真奈美を助ける為。これはみゆきさんの推理と一致している……
真奈美は生きているのか……そういえば神崎さんと私達は少しちぐはぐだった。それは私達と同じように彼女にも秘密があるから。
共通の秘密ならもう隠す必要はない。真奈美を助けるなら皆で協力しないと。私達が今まで彼女に秘密にしていたのも無意味だ。
もしかして今一番必要なのは神崎さんとつかさを逢わす事なのかもしれない……
正子「どうかしましたか?」
こなた「え、い、いいえ、何でもありません、あやめさんに早く会いたくなりまして……」
正子「私のお話が役にたったのかしら……」
こなた「なりました、すっごく、あやめさんの事が分かりました」
正子「そうですか、泉さんのその、喜ぶ顔が見られてよかった……」
その後は私の話しを正子さんにした。高校時代、大学時代、もちろんつかさやかがみ、かえでさんの話しもした。
でも、お稲荷さんの話しと潜入取材の話しは出来なかった。




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