らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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181:こなたの旅I 5/6[saga sage]
2013/07/10(水) 20:38:50.22 ID:H4+RYPH30
こなた「うん、そうして……それから一度使ったパソコンはもう仕事や私用で使わないでね」
かがみ「専用パソコンを用意すればいいのか、分かった」
急いでデータをコピーしただけだから何が仕込まれているか分からない。
かがみはSDカードを財布に仕舞った。

まなみ「あ、かがみ叔母さんとこなたお姉ちゃんだ」
かがみとの話が一段落した時だった。厨房から出てきたまなみちゃんが私達に気付いた。まなみちゃんは嬉しそうに私達に近づいてきた。それからみなみも少し遅れて出てきた。
こなた「やふ〜、まなみちゃん、さっきの演奏凄かったね」
まなみ「え、聴いちゃったの?」
こなた「うん、聴いちゃった」
かがみ「私も聴いた、今度の演奏会楽しみにしているわよ」
急に顔が赤くなって何も言わなくなってしまった。さっきまであんなに堂々と演奏していたのに。知り合いが居ると緊張するタイプなのかな。
つかさ「こなちゃん!!」
まなみちゃんを呼ぶつもりだったのだろうか。コック姿のつかさが厨房から出てきた。私の顔を見るなりまるで何年も会っていないような勢いで飛んできた。
つかさ「どうして一ヶ月も来なかったの?」
神崎さんの話しはまだつかさに話さない方がいいかもしれない。もし話すならかがみやかえでさんがとっくに話している筈だ。
こなた「ちょっと研修に行っていて……なかなか帰る機会がなくって」
かがみ「こなた曰く……会いたい時に会うのが心情だそうだ、理由なんて要らないってね、つまり一ヶ月間会いたくなかったって事だろ、薄情ななつだな」
こなた「ちょ、か、かがみ、それは……」
あの時言ったのをそんな言い方されたら……いや、そうか。かがみは私のした事ををつかさに隠す為に……かがみに合すか。
こなた「だからこうして来たんじゃないの、会いたくなかったら来るわけないじゃん、それよりかがみさ、少し太くなったんじゃない?」
かがみの眉がピクリと動いた。
こなた「かがみはつかさの所に来過ぎじゃないの、ケーキとか食べまくっていない?」
かがみ「洋菓子店でお菓子を食べないで何をするのよ」
こなた「あらら、開き直っちゃったよ」
かがみの座っているテーブルに置いてあるお土産用の箱を私は見逃さなかった。
こなた「1、2、3、4……あれ、数が多くない?」
かがみ「みゆきのお土産と家族の分よ……」
こなた「本当に? 全部かがみのじゃないの?」
かがみ「う、うるさいわね、どっちでも良いでしょ」
私とかがみのやり取りを見てまなみちゃんが笑い始めた。そして、少し怒り気味だったつかさも笑った。
みなみ「懐かしい雰囲気……思い出しますね、あの頃の時代を……」
私とかがみは顔を見合わせた。まったくそう言う意識はなかった。私はただかがみに合わせただけだった。
それが高校時代によくやっていたのと同じような調子になってしまうなんて。
つかさ「はは、そうだね、なんか懐かしいね……お姉ちゃんとこなちゃん、もうそんな事しないと思ってた、またあの頃に戻りたいね……」
さっきまでグズっていたつかさが笑っている……
かがみ「つかさ、こなたに何か言いたいんじゃなかったっけ?」
つかさは上を向いて暫く考えた。
つかさ「ん〜〜無事に帰って来たし、もういいや……こちゃん、今度からちゃんと連絡して」
こなた「う、うん……」
かがみは私にウインクをした。なるほど。つかさを誤魔化したのか……確かに私だけだと誤魔化し切れなかったかもしれない。
たった一ヶ月来なかっただけでつかさはあの様になってしまう。かえでさんはつかさに何て言うのだろう……
みなみ「それじゃまなみちゃん、続きは私の家で練習しよう」
まなみ「うん……」
つかさ「みなみちゃん、お願いしますね……」
みなみとまなみちゃんは店を出ようとしている。そうだ。試してみるか。
こなた「まなみちゃん、さっきの練習曲もう一度聴きたいな……」
まなみちゃんを呼び止めた。個室で練習しても上がり症は治らない。まなみちゃんは立ち止まって振り向いた。表情を見る限りさっきの時のような覇気はなかった。
こなた「まなみちゃん、私とゲームしていた時を思い出して……」
まなみ「ゲーム?」
こなた「そうだよ、私が居てもちゃんと操作していたじゃん、ピアノもそれと同じだよ……」
まなみちゃんはピアノをじっと見つめた。
まなみ「やってみる……」
まなみちゃんはゆっくりピアノに向かってそっと席についた。大きく深呼吸をすると両手を鍵盤に置いてゆっくり目を閉じた。
私達も店の客も皆まなみちゃんに注目している。緊迫した沈黙が暫く続いた……
まなみちゃんは目を閉じたまま突然ピアノを弾き始めた。
最初に聴いた時よりも激しく、そして繊細だった……我を忘れて無我夢中って感じだな。
さて……どうもクラッシックは私の性に合わない。神崎さんの約束もあるし店を出るか。私が席を立っても皆はそれに気付かない。まなみちゃんの演奏に釘付けになっている。
邪魔にならないようにそっと店を出た。



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