らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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127:こなたの旅D 2/5[saga sage]
2013/05/12(日) 12:37:54.04 ID:viSuFd2o0
こなた「はぁ、はぁ、はぁ……」
さすがに息が切れた。両膝に手を掛けて休んだ。そして階段を見下ろした。はるか小さく彼女が登ってくるのが見える。彼女がどんな反応をするか楽しみだ。
彼女は数分遅れて頂上に着いた。彼女も少し息を切らせていた。
あやめ「……凄い……まるで陸上選手みたい」
私を見上げて驚きの表情を見せた……あれ?
思った反応とは違った態度を取った。負け惜しみの一つでも言うのかと思った。そうしたら私も透かさずドヤ顔で返してやったのに。拍子抜けだな。
彼女は呼吸を整えると階段から少し歩いて私を手招きした。
あやめ「お弁当を食べるなら此処が良い」
私は彼女の指差す切り株に腰を落とした。そしてお弁当と広げた。
ゆたかの作ったお弁当か……高校時代以来か。盛り付けが上手くなっている。あれだけ全力で走って振ったのに具が崩れていない。それに彩りも鮮やかだ。
一口食べた……味付けはあの時とあまり変わっていない。懐かしい味だった……
あ、そういえば神崎さんは何処だ……
神崎さんは階段から景色を見下ろしていた。もしかしてそこが絶景なのか。別に教えてくれるもなにも頂上に着けば誰でも見れらる景色じゃないか……
もしかして私が食べ終わるのを待っているのかな……しょうがないな……私だけ食べているのも気が引けるし……
私は食べるのを止めて神崎さんの立っている所に向かった。
こなた「もしかして、これが絶景?」
神崎さんは遠い目をして眺めている。私の声が聞こえていないみたい。それならそれでいいや、残りのお弁当を食べちゃおう。
あやめ「泉さん、貴女はこの町に住んでいる時、この神社を登った事はあるの?」
戻ろうとしたその時だった。私は立ち止まった。
こなた「あるけど……」
あやめ「町内の住民ですら滅多に来ないこの神社なのに、あの店長さんに付き合わされたのかしら?」
そうじゃない、そうじゃないけど……なんて言えば……
神崎さんは景色を見ながら話した。
あやめ「ふふ、話したくないなら、無理には聞かない」
引いた……ますますこの人がどんな人なのか分からなくなった。これも取材の一環なのか?
あやめ「私の住んでいる家、そしてこの神社、十年前の計画で取り壊される計画だった」
こなた「家が、壊される?」
あやめ「そう、この神社の一帯が都市計画になったのは貴女も知っているでしょ、私の家の廻りもその区画だったの」
さらに話しは続いた。
あやめ「確かにワールドホテルからの補償金額は家と土地を足しても余りあるものだった……私達家族は反対した、そうしたら向こう側から交渉しようと持ちかけてきてね、
    交渉は順調に進んで私達の区画を計画から外すと決まり掛けた時だった、あの事件が起きたのは……」
こなた「事件って、ワールドホテル会長の逮捕?」
神崎さんは頷いた。
あやめ「その後の交渉についたのは貿易会社、今までの交渉を無視して彼等は区画を変更しないで私達に退去を迫った、しかも保証金は半分にされてね……
    でも私達にはそれを覆す手段も力も無かった、私はまだ駆け出しの記者にすぎなかった……」
そんな過去があったのか。しかし重い話しだ。私はこう言う話は苦手だな。
あやめ「それが一変した、匿名の誰かが計画区画を全て買い上げて無償で寄贈した、匿名でそんな事をしても得にはならない、会社や組織ではないのは直ぐに分かる、
ワールド会社から私達家族に示された保証金から換算して土地買収に数十億、それを上回る金額……私の計算では数百億のお金が動いたと思う、
でも個人でそんな金額を動かせる人物は限られる、一体誰がそんな事をしたのか……政治家か資産家か……分からない」
誰かって……私の事じゃないか……まさか本人を目の前にそんな話しをしているなんて彼女は判って言っているのか……ま、まさか、あれは全部ネットでやった事、
足跡は残らないようにしたし分かるはずはない。
あやめ「それが私の追い続ける真実」
こなた「そ、それで私を呼び出してどうしろって……私はしがないレストランのウエートレスですよ」
神崎さんは振り返り私の方を向いた。そして手に持っているお弁当を見ると手掴みで卵焼きをつまみ自分の口に入れた。
あやめ「もぐもぐ……それは私の家で話す」
こなた「あっ!! そ、それは……」
それは私の一番好きな卵焼き、楽しみに取っておいたのに……
あやめ「お弁当を食べるときは一人で食べるとつまらないでしょ、そう言ってたじゃない?」
こなた「そ、それは……」
神崎さんはにっこり微笑んだ。
あやめ「ふふ、貴女の無事を祈り込めて作っている、美味しかった」
そう言うと神崎さんはハンカチを取り出した。
あやめ「私は幼少からこの神社で遊んでいてね、この階段を速く下りる方法があって……」
神崎さんは階段の手摺にハンカチを巻くとそこに腰を下ろし両足を上げた。体と足でバランスを取りながら滑ってく、みるみる速度が増していく。
あやめ「下で待ってから〜」
あっと言う間に小さくなってしまった。




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