安価とコンマで異世界転生!その10

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1 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/06(火) 18:20:52.05 ID:aT2Wc+nu0
〜前回までのあらすじ〜
異世界に転生した男は仲間を募り、
世界を救うことを目標に行動する
仲間が突如救世主や魔王の力に目覚めたり、
彼も多くの神を奉ずる教団を創立したりしているが、実際に神の奇跡を代行することができる
現在はフェニックスの素材を手に入れるため極北への旅路の中におり、旅の中で出会った魔法人形にヒトの感覚を取り戻させるため魔獣の肉をオークションで落札した所である

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1707211251
2 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/06(火) 18:26:12.03 ID:aT2Wc+nu0
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3 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/06(火) 18:27:32.96 ID:aT2Wc+nu0
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4 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/06(火) 18:32:56.86 ID:aT2Wc+nu0
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5 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/06(火) 18:34:35.92 ID:aT2Wc+nu0
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6 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/06(火) 18:37:15.16 ID:aT2Wc+nu0
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7 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/06(火) 18:39:02.24 ID:aT2Wc+nu0
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8 : ◆cUhskXlNTw :2024/02/06(火) 18:40:01.84 ID:aT2Wc+nuo
・男
【筋力】124【HP】68【素早さ】200【MP】114【顔面】30(神の力)【歌唱力】74【料理】111【中華料理】97【画力】26【加護】13
【刀術】・閃火斬(火属性武器でのダメージ+6、それ以外で+3)
『平凡人』(戦闘能力以外最低保証50)
『魔法の才能』(魔法習得難度易化)
『多芸』(感覚系ステータス+20)
『万能通訳』、『降神術』(神の依り代に適性)
『マグネリレーション』
武器:レジストソード(攻撃翌翌翌力3.5、魔法生物特効)防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:上級火魔法 上級氷魔法 闇魔法 上級風魔法 回復魔法 光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 耳鼻咽喉キャンセラレーション 海割りの奇跡
所持:麻薬(1回分)"人は空を羽ばたけるのか?"鳥人間強制改造本ドラゴンキラー(ドラゴン系にダメージ増)、上級氷魔導書、13時間時計、魔王のデモウイルス、サファイアの原石、厨二っぽい太刀(攻撃翌力3、炎属性)、ベヒーモスの角剣
(経験値10/40……レベル31)

・中華
【筋力】133【素早さ】191【HP】43【MP】75【中華料理】112【顔面】76【加護】10【運命力】29【求心力】33
『救世主の資格』(【運命力】と【求心力】追加)
『魔王の資格』『神格』
『器用』(回数で壊れるアイテムを一回多く使え、罠や精密機械などに関するコンマ判定にボーナスが付く)
武器:デモンズスピア(攻撃翌力4) 防具:ミレニアムアーマー
装飾品:銀の腕輪(筋力+5)
習得魔法:上級火魔法 上級水魔法 上級光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 回復魔法
所持:危険な国三選、13時間時計
(経験値22/38……レベル29)

・氷魔【筋力】162【HP】??+36【MP】177【素早さ】151【料理】37【歌唱力】27【ダンス】1【顔面】37【加護】20
『消費MP1/2』、『ポリシーブレイク』
『究極氷魔法』消費【MP】:240(120)
『メルティング』、『氷魔法上位混合』
武器:ホークワンド(魔法ダメージ+5) 防具:ミスローブ
装飾品:冷却懐中時計(氷ダメージ+5)
習得魔法:極大氷魔法 氷空魔法 超上級水魔法 上級風魔法 超上級回復魔法 マナ電流互換改 着火魔法 照明魔法 洗濯魔法 水質検査魔法
所持:異性にモテる為の本(所持継続一日以上で【顔面】+5) 雷の魔導書、13時間時計
(経験値12/47……レベル38)

・やる気
【筋力】157【HP】57【MP】129 【素早さ】174【顔面】36【加護】20
『[ピーーー]気』(殺せると思った相手へのダメージ二段階上昇)
『魔王の資格(80%)』(不完全ながら能力値上昇、魔物の言語が分かる)
武器:スパイラルランス 防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:超上級水魔法 土魔法 回復魔法 着火魔法 照明魔法 マナ電流互換改 洗濯魔法 水質検査魔法 上級闇魔法 天候操作魔法 ジャミングウェイブ 解錠魔法
所持:氷の上なら狙った場所に届くカーリングストーン爆弾
(経験値0/36……レベル27)

・ぶりっ子
【筋力】122 【HP】??+32【MP】140【素早さ】102【料理】73【歌唱力】44【ダンス】51【加護】10
【顔面】58
『誘惑』(【顔面】以下の【MP】の生物をたまに行動阻止)
『やりくり術』(アイテム値段を二割引)
『ドジっ子』(ランダム攻撃の対象から外れ、【顔面】+10)
『毒手』(攻撃を命中させた相手に永続スリップダメージ)
『従者式格闘術』(後出しでかばいダメージ上昇)
『風より速く動く術』
武器:ドラゴンキラー 防具:ソードブレイカー 緋色の法衣(炎や熱系の魔法や攻撃の無力化+魔法だった場合魔翌力吸収 )
習得魔法:上級水魔法 上級氷魔法 光魔法 回復魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法
必殺技:ぴゅん太郎
所持:化粧品(試供品)、13時間時計
(経験値30/39……レベル30)

・怪盗
【HP】??+1【筋力】120
【MP】136【素早さ】355
【歌唱力】53
『盗む』
武器:丁半槌 防具:ソードブレイカー
習得魔法:上級火魔法 風魔法 回復魔法
所持:アダマンタイトの曲刀、雷の力を吸収する杖
(経験値6/34……レベル25)

・狙撃少女
【筋力】122【MP】137【素早さ】??+6
武器:守人のパチンコ(攻撃翌翌翌力3.5、攻撃前に属性魔法を使用して属性付加可能、三発)
習得魔法:水魔法 光魔法
所持:スパークナイフ(攻撃翌力2.5、雷属性)アンチオールスナイパー(攻撃翌力8、一発)
(経験値11/39……レベル30)

【所持アイテム】竜毒血清、毒竜管、人造人間の子宮、金属、不思議な赤石、銀の鎖鎌、危険物の魔導書(乙種)人間サイズの蛇の胴体パーツ、邪教典、硫酸の入った瓶、筋トレメソッド本、13時間時計×3、純金小判×5 レア珍獣の生息地(本) 忘却されるまで封印した機械(本)無限に重なる葉っぱ、ホームセンター便利グッズ紹介本 回復スライム、氷スライム レインボースライム 探し物の位置を指し示すコンパス(『4回』、不良品)、牛スライム、文字を書き込んだら対になるものに文字が浮かび上がる一対の巻物、壊れたものを何でも直すレンチ、黄金の番人像、世界樹の露(三回分)、なんでも開けるドアノブ型生命体、クイックポーション、超回復ポーション、仮死薬、とろける濃厚牛乳、タンブルウィード×5、オークションカタログ、ある兄弟の話、ベヒーモスの解体肉、葡萄龍の逆鱗、刺客蛸、フェニックスの稚児の肉
【ギルドの資金】80090795
9 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/06(火) 19:43:25.30 ID:aT2Wc+nu0
神官によってその場を解散され、
全員が中華と合流した


ガーゴイル妹「あの、私たちもついていっていいんですか?」

中華「報酬、まだでしょ?それにさ、こんなに肉があるんだから食べていきなよ」


馬車にひかせるような量の肉を台車に積まれており、十分振る舞える量であると分かる


司書コピー「それで、いくら使ったんですか?」

男「784万」

司書コピー「……は?」


【ギルドの資金】72230795
10 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/07(水) 03:03:11.54 ID:mtW5ziBH0
氷魔「……まぁ……正直使いすぎではありますが……私も咎めなかったので責任があります……」

やる気「そういう訳で、最終的にあそこにいたメンバー4人、全員の意志っすね」

司書コピー「……申し訳ないって感情がよく分かりましたよ。私のためにそんな金額使わせて」

男「そう言うな。俺たちもうまい肉が食える!win-winだろ?」

ぶりっ子「それに、人の命はそんなに安くありませんよぉ」

ガーゴイル妹「……最初は不安で仕方ありませんでしたが、素敵な人たちですね」

ガーゴイル姉「ああ……そうだな。で、この人たちは誰なんだ?」

ガーゴイル妹「あなたを助けに来た人たちですよ!!なんで分かってないんですか!!」
11 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/07(水) 03:13:33.42 ID:mtW5ziBH0
本日はここまでです
ありがとうございました
12 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/07(水) 19:31:49.79 ID:mtW5ziBH0
先日のホテルに再びチェックインし、
中華はさっそく調理を始めた


やる気「久しぶりにいい肉が食えるっすね!」

怪盗「太らないといいんですけど」

狙撃少女「あの蛸の肉だったら大丈夫そうですけどね」


そう話していると、ガーゴイル妹が話を切り出す
13 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/07(水) 19:35:54.36 ID:mtW5ziBH0
ガーゴイル妹「あの、本当にありがとうございました」

男「仕事だし……ってか、俺はほとんどなんもしてないけど」

ぶりっ子「お姉さんも、神官が助け出してくれたようなものですしねぇ」

氷魔「……そういえば……どうやって助け出したんですか……?」

怪盗「あの神官の人が、よく分からない魔法でコカトリスを封印したみたいです」

ガーゴイル姉「あれは光魔法と……空間操作系の複合だなぁ。魔力で勝っていれば、そのまま消滅させることもできる」
14 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/07(水) 20:30:34.11 ID:mtW5ziBH0
披露された知識に感じ入っていると、
その妹は話を戻す


ガーゴイル妹「ではなくて、報酬の話です」

狙撃少女「ああ、そのことですか」

男「金でも、あるいはそうでなくても……働きに見合ったなにかをくれるならそれでいい」

ガーゴイル妹「>>下1」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/07(水) 20:34:48.66 ID:aaqYP+VJ0
金山の採掘権を差し上げます
16 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/08(木) 03:01:19.70 ID:bp5hCG0W0
ガーゴイル妹「金山の採掘権を差し上げます」


そう言うと、彼女は丸められた書類を取り出した
簡易につけられた封が切られて開けば、
そこには金山を採掘する権利について記されていた


氷魔「……金山……!?」

ガーゴイル妹「およそ800万、これで取り返して下さい」
17 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/08(木) 03:18:18.73 ID:bp5hCG0W0
本日はここまでです
ありがとうございました
18 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/08(木) 19:56:50.84 ID:bp5hCG0W0
やる気「えっと、お姉さんはそれでもいいんすか?」

ガーゴイル姉「こいつがやると言ったならやる。そもそも、私は不動産の類は持たない」

ぶりっ子「本当に金山が掘れるなら、800万なんて端金ですねぇ!」

ガーゴイル妹「そうかもしれません。ですが、金山があっても私が姉を取り返せていたかは定かではありません」

男「ありがたく受け取ろう。採掘の方法は考えておかなければならないが……」
19 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/09(金) 00:45:16.13 ID:XjGgzDTA0
ガーゴイル妹「人手はないのですか?」

怪盗「ここにいるのでギルドメンバーは全員ですが……」


確かにギルドメンバーは少ないが、
頼れる人手自体は確かにあった


狙撃少女「教団の方々に働いていただくのはいかがでしょうか?」

ガーゴイル妹「……きょ、教団?あなたたち、なにかヤバいことをしているのではありませんか?」

男「見てみるか?神の力を……」
20 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/09(金) 00:50:41.90 ID:XjGgzDTA0
そう不敵に男が笑うと、キッチンから声が届く


中華「やめなよ、大体気絶するじゃないか。夕食があるんだからね」

男「すまん!……という訳で、証明はできない」

ガーゴイル姉「申し訳程度の威厳すら一瞬しか持たなかったな」

氷魔「……実際……ここでは力を発揮するのは難しいでしょうね……内陸ですし……」

ガーゴイル姉「はっはっは、神を見せてくれるってんなら面白いが、天使に会うのだけはごめんだな」

やる気「嫌いなんすか?」

ガーゴイル姉「そうとも、あいつらほとんどの人間には優しいが、私らのような錬金術から産み出された生命は軽蔑してるのさ」
21 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/09(金) 02:41:16.97 ID:XjGgzDTA0
本日はここまでです
ありがとうございました
22 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/09(金) 19:45:27.18 ID:XjGgzDTA0
ぶりっ子「でも私たちもまだ天使には会ったことないと思いますよぉ」

ガーゴイル姉「もしいたらぶん殴ってやれ」

怪盗「嫌ですよ!?」

狙撃少女「……この感じで捕まったんでしょうか、道化師に」

ガーゴイル妹「お察しの通り……」

男「そういえば聞いてなかったな。なんで捕まったんだ?」

ガーゴイル姉「>>下1」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/09(金) 21:30:17.09 ID:JHHHlcQB0
恋人を人質にされて彼と引き換えに……
24 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/10(土) 04:15:54.79 ID:dUrjJAZW0
ガーゴイル姉「恋人を人質にされて彼と引き換えに……」

氷魔「……えっ……」

ガーゴイル妹「恋人なんて、また作ればいいのに……そう思いません?」

やる気「いやいやいやいやいや!それで、その恋人さんは、無事帰ってきたんすか?」

ガーゴイル姉「ああ、もう返してもらった」

ぶりっ子「それはよかったですねぇ、でも、会いに行ってあげたほうがいいんじゃないんですかぁ?」
25 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/10(土) 04:19:55.78 ID:dUrjJAZW0
ガーゴイル姉「もう別れたしな」

怪盗「えっ、どのタイミングですか!?ないですよね、そんなタイミング!」

ガーゴイル姉「彼を返してもらうときに決まってるじゃん。私は、私より強い人間しか恋人にしないと決めているんだ」

狙撃少女「はぁ」

ガーゴイル姉「身柄の交換が行われたテントの裏で、あいつはどんな大立ち回りを見せてくれるのかと思えば、なにもせず帰りやがった」

司書コピー「無理もないと思いますが……」

ガーゴイル姉「私だったらあいつを連れて逃げることだってできたさ。でも私の恋人やってるんなら、そこは私よりうまいことできるかと期待してたんだがなぁ……」
26 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/10(土) 05:00:00.70 ID:dUrjJAZW0
本日はここまでです
ありがとうございました
27 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/10(土) 19:20:20.35 ID:5F6k9fV5O
そんなことを話しているうちに、
中華は肉をほとんど調理し終えた
ベヒーモスのそれだけはあまりに量が多いので、
保存して持ち歩くこととなった


中華「はーいみんな席についてね」


否応なしに高級宿を選択させられたとはいえ、
大所帯であれば高級な部屋でなければ全員で座って会食は不可能だっただろう


男「超楽しみ」
28 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/11(日) 02:53:14.78 ID:cVwqulGu0
中華「今日は沢山肉が手に入ったからね、コース方式で出していこうと思うよ」


言われてみれば、キッチンからはまだなにがしか音がする
準備中のものもあるのだろう


氷魔「……中華さんは……食べないんですか……?」

中華「メインディッシュからは一緒に食べるよ。それまではつまみ食いで腹を満たす」

やる気「先に食ってるってことっすね」
29 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/11(日) 03:41:49.17 ID:cVwqulGu0
本日はここまでです
ありがとうございました
30 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/11(日) 19:23:15.78 ID:cVwqulGu0
中華「そういうわけで前菜、刺客蛸だよ」


野菜と一緒に盛り付けられた、
海鮮サラダのようなヘルシーな料理が配膳される


ぶりっ子「おぉ!おしゃれですねぇ!」

怪盗「こういうのが出る店で優雅にワインでも飲みながら食べるのがいいんですよ!……あれ、ワインは?」

ガーゴイル姉「貰ってるよー」

怪盗「ちょっと!それ私のですよ!?」

狙撃少女「盗んだものでしょう!?」
31 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/12(月) 03:19:59.66 ID:8A33Kona0
結局二人でワインは分けあいながら食事をすることとなった


男「いい食感だな」

司書コピー「そうですね、触覚のほうが強いのでかなり好みです」


実質的には生まれたばかりの彼女だが、
優雅にナイフとフォークを使いこなしている


氷魔「……さて……これで魔獣の肉を取り込んだことになりますが……なにか変化はありますか……?」

司書コピー「まだないですね」
32 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/12(月) 04:41:51.68 ID:8A33Kona0
やる気「しかし、この街でよく他の食材を揃えられたっすね」

中華「買い置きのものもあるけど、確かに骨が折れたね」


と、厨房から声が聞こえる


ぶりっ子「すごいですねぇ、私としては、ヘルシーでおしゃれなものが食べられたので大満足ですよぉ」

中華「それはよかった。では次だ」


そう言って彼は別の料理を持って現れる
33 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/12(月) 04:42:42.35 ID:8A33Kona0
本日はここまでです
ありがとうございました
34 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/12(月) 19:24:27.06 ID:ifRxW6XaO
それはベヒーモスの解体肉のステーキだった


怪盗「中華料理じゃないんですね?」

中華「コースだし、洋風料理もやってみようかなって」

やる気「ステーキは大好きっすよ!」


やる気はものすごい勢いでステーキにかじりつく


司書コピー「それでは、私も……」


彼女もまたステーキを切ってほおばる
そして嚥下し、体に取り込んでいく


狙撃少女「どうでしょう、変化ありました?」

司書コピー「>>下1」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 19:35:06.87 ID:zb2MEoQG0
身体の中で何か熱が滾ってる感じが出てきた 悪い物ではなさそうですが……
36 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/12(月) 20:22:43.31 ID:tsiUZ8QnO
司書コピー「身体の中で何か熱が滾ってる感じが出てきた」

男「え、大丈夫か?」

司書コピー「悪い物ではなさそうですが……」


そう彼女は付け足す
悪い影響が発生するのでなければ、問題ないだろう


氷魔「……どんな反応が起きるのでしょうか……少し楽しみです……」
37 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/13(火) 03:12:24.81 ID:VP5Z76vo0
非常にジューシーな肉塊に、誰もがかじりつく
高級な肉のようにとろける訳ではないが、
噛めば噛むほど肉汁が溢れ出す


やる気「肉汁すごいっすね、ドリンク飲んでるみたいっす」

氷魔「……どうやら魔力が含まれているようです……MPを回復するポーションのような作用がありますね……」

ぶりっ子「それって、ベヒーモスは全身を巡る体液がそれぞれ魔力に満ちてるってことですよねぇ」

怪盗「恐ろしい生き物ですね、見た目は暴力装置でも、魔術を使いこなしますし」
38 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/13(火) 03:47:30.21 ID:VP5Z76vo0
本日はここまでです
ありがとうございました
39 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/13(火) 20:14:42.57 ID:VP5Z76vo0
すみません遅れました


食べやすいサイズ感で出されたため、
ボリューミーな肉でもすぐに食べきってしまった


中華「……よし!それじゃあメインディッシュだ!」


彼は全員分のメインディッシュを持ってきた
配膳し、一斉にクロッシュを外すように促す
蓋が外されると、そこには財宝のように輝くフェニックスの稚児の肉が、トマトの果汁を配合したソースで味付けされた状態で現れた
40 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/13(火) 21:31:24.59 ID:VP5Z76vo0
狙撃少女「す……すごい、これ本当に食べ物ですか?」

男「量が限られているだけに、希少な鉱物のようですらあるな」

中華「よし、じゃあいただこう。みんな、ナイフで一切れ切り離そう」


全員で丁寧に一切れ分を作り、きらびやかなそれをおずおずと口内へ放り込む


氷魔「……うまい……!!」

やる気「なんすかこれ!こんなもの食べたことないっす!!」


そして、誰もが衝撃とともに、
喜びに満ちた感想を述べる
41 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/14(水) 01:48:29.90 ID:cIm9cWy50
その味はまさしく究極で、
口内では燃えるような脂が踊っている
人類ではなく、神に与えられる食べ物なのではないかと考えるほどだ


司書コピー「……これはっ!」

ぶりっ子「ど、どうしましたぁ?」

司書コピー「熱が全身を駆け巡っています……!くっ……くぅぅっっ……!!!」

怪盗「!?」


次の瞬間、彼女は全身からまさに太陽のごとき眩い光と熱波を放った
42 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/14(水) 01:57:49.65 ID:cIm9cWy50
本日はここまでです
ありがとうございました
43 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/14(水) 19:28:18.73 ID:cIm9cWy50
狙撃少女「大丈夫ですか!?」


閃光が収まっていき、
全員の視界がはっきりとしてくる
そこに立っていたのは______


司書コピー「……生まれ変わったような気分です。いや、本当に私は今……生まれたのかもしれません」

男「その姿は……!?」


どう見ても普通の人間と同じ姿だった彼女だが、
今や炎でできた羽衣を纏い、
全身から暖かな光を放つ神々しい存在に変じていた
44 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/14(水) 21:05:03.49 ID:cIm9cWy50
ガーゴイル妹「元から魔力が溜まっていたところに、フェニックスの魔力を強く浴びたので変質したようですね」

司書コピー「今なら、分かります。私は人間の感覚を全て……そして、人ならざる感覚もまた得ました」

中華「よかった……んだよね?」

司書コピー「ええ、私はみなさんのおかげで、ついに自分を完全に持ったのです」

氷魔「……あれだけした甲斐があったというものです……」

司書コピー「私はもはや、司書のコピーなどではありません。そうですね……言うなれば、>>下1」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/14(水) 21:23:28.99 ID:vidPtUJw0
爆炎の魔法使い
46 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/15(木) 19:15:33.76 ID:QV1ZMeTK0
すみません寝落ちしました


司書コピー「爆炎の魔法使い」

氷魔「……なんか……私の対みたいなものになりましたね……」

炎魔「リスペクトです」

氷魔「……あ……ありがとうございます……?」

やる気「いいんじゃないすか?かっこよさそうっすし」

炎魔「でしょう?」
47 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/16(金) 01:00:30.29 ID:nazyfRVl0
ぶりっ子「ちなみに、魔法は使えるんですかぁ?」

炎魔「いえ、使えません」

怪盗「それなのに、魔法使いなんですね」

炎魔「大丈夫です、デカい花火を打ち上げることぐらいならできますよ」

狙撃少女「比喩ですか?」

炎魔「比喩です」

ガーゴイル姉「まぁ、フェニックスの力があるし……わざわざ魔法を詠唱しなくても、大抵のものは爆発させたり燃やしたりできるだろうな」
48 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/16(金) 01:21:00.99 ID:nazyfRVl0
男「うらやましいなぁ、俺もそういう体質になりたいものだ」

ガーゴイル妹「人間は、戦えば戦うほど成長するものですが……私や彼女は違いますよ。あなたたちがしてあげたように、与えられた物体が大切なのです」

炎魔「極端な話、『この世の全て』を手に入れたら私は頭打ちです。しかしみなさんはどこまでも強くなれますよ」

中華「そういえば話は変わるけど」

炎魔「はい」

中華「フェニックスの力があるってことは、飛べるの?」

炎魔「飛べます!」


彼女はそう言うと、
不思議な紋様の刻まれた、炎でできた翼を出現させた
49 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/16(金) 02:07:39.05 ID:nazyfRVl0
本日はここまでです
ありがとうございました
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/16(金) 02:33:17.46 ID:zWp3Tx+v0
坂上二郎「飛びます!飛びます!」
51 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/16(金) 18:31:03.37 ID:nazyfRVl0
やる気「うおっ、すげぇ」

炎魔「これが全能感というやつですね、今の私ならなんでもできちゃいそうです」


彼女は少し浮かぶと、翼をしまって着地した


氷魔「……そういえば……デザートは冷めていませんか……?」

中華「大丈夫。温かくして食べるものじゃないし」

炎魔「そういえば、食事中でしたね。食べ終えましょうか」
52 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/16(金) 20:21:53.21 ID:nazyfRVl0
一行はフェニックスの稚児の肉を食べ終え、
中華はデザートを運んできた


中華「という訳でデザート、葡萄龍の逆鱗だよ」


一つの逆鱗から『実』を取り出し、
それらを分けたものが運ばれてくる


ぶりっ子「いいですね、すごくコース料理のデザートっぽいですよぉ」

怪盗「優雅に食べたいですね」
53 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/17(土) 03:42:05.40 ID:CvXKJUXo0
狙撃少女「それでは、いただきます」


どう見ても葡萄にしか見えないその鱗を、
おずおずと口に運ぶ


男「……うまい!芳醇な甘味が暴力的なまでに弾けている!」

中華「確かにこれは……すごいね!」


一体の魔獣が、生涯をかけて溜め込んだ栄養や魔力が込められたその葡萄は、全身を活性化させるようなエネルギーに満ちている
54 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/17(土) 03:48:14.81 ID:CvXKJUXo0
本日はここまでです
ありがとうございました
55 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/17(土) 19:57:22.93 ID:CvXKJUXo0
炎魔「全身が喜ぶのを感じます」

氷魔「……本当に葡萄みたいですね……かなり甘いですが……」


一行はあっさりとデザートを平らげ、
その日の食事を終えた


やる気「いやぁ、こんなに食事で満足したのは初めてっすね」

ぶりっ子「ですです、私は幸せ者ですよぉ」
56 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/17(土) 21:34:06.54 ID:CvXKJUXo0
怪盗「まったく、今日はいい日ですねぇ」


どうやらワインをずっと飲んでいたので酔ってしまったようで、顔が真っ赤だ
向かいの席にいるガーゴイル姉は全く酔っていない


狙撃少女「あの、お酒はその辺にしておいた方が……」

怪盗「いや、まだ飲めますよぉ」

ガーゴイル姉「随分酒に弱いんだな」

ガーゴイル妹「姉さんがザルなだけです」

男「ほら、今日はもう終わり!な?」


男はワインの瓶を奪い、栓をした


怪盗「>>下1」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 19:40:10.07 ID:bXRTY8880
むーこんな時に、ワインやを出してくれる魔物が居れば良いのにー

落札した本に書いてないですかー?
58 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/18(日) 19:55:19.38 ID:i2WdZe510
怪盗「むーこんな時に、ワインやを出してくれる魔物が居れば良いのにー」

中華「まさか、ワインを出す魔物なんているわけないだろう?相当酔ってるな……」

怪盗「落札した本に書いてないですかー?」

男「あぁ、禁域の話?まぁ、ドアノブみたいな奴もいるんだし、いてもおかしくはないが……」


男はそう言って冒険記を開く
以前の持ち主の趣味か、奇妙な生物や物体の登場するページには皺が多く、よく読まれていることが分かる
59 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/18(日) 20:06:27.06 ID:i2WdZe510
そうした皺などから奇妙な描写を斜め読みしていき、
ワインを出すような存在がいないかを探した


氷魔「……まさか……いたんですか……?」

男「いや、流石にワインを出すような化物はいなかったな」

怪盗「つまんないですねぇ!」

男「でも、>>下1を出す生物は存在するらしい」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:10:29.24 ID:ghhXgEBH0
純金の卵
61 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/19(月) 03:23:46.82 ID:694qj6GD0
男「純金の卵を出す生物は存在するらしい」

やる気「へぇ、どんな生き物なんすか?」

男「乱獲されたら困るから教えないって書いてある。乱獲っていうか、禁域に人が立ち入りまくるのが嫌みたいだけど」

中華「なるほど……まさか?」

ぶりっ子「金の烏骨鶏、ですかぁ?」

中華「ああ、もしかしたら禁域に潜んでいるのかもしれない……あまり進んで行きたい場所じゃないけど」
62 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/19(月) 03:29:30.71 ID:694qj6GD0
本日はここまでです
ありがとうございました
63 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/19(月) 19:40:11.71 ID:694qj6GD0
それから、ガーゴイル姉妹は依頼の全手続きを終えたので去っていった
男たちも、時間的にもそろそろ眠ることとなる


狙撃少女「怪盗さんはもう寝ちゃいましたね」

男「勝手なもんだな。だが、酒は飲んでたしそんなもんだろう」

中華「あれだけのものを食べたんだし、寝てるうちに体が成長したりして」

氷魔「……いいですね……」
64 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/19(月) 21:59:01.28 ID:694qj6GD0
〜翌日・陰週月曜日〜


やる気「いい朝っすね……」

ぶりっ子「おはようございまぁす」


日当たりのいい部屋なので、
日光によって目覚めることができる
彼はカーテンを引き、窓を開く


やる気「……!?」

ぶりっ子「どうかしましたぁ?」
65 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/20(火) 03:02:37.20 ID:Iy6kDPpd0
炎魔「おはようございまーす!!」


いつの間にか外に出ていたらしく、
開けた窓から突貫してくる


怪盗「うわぁ!なんですか!」


眠りこけていた怪盗も、あまりの物音に目覚める


狙撃少女「びっくりしました、その……非常にアグレッシブになりましたね」
66 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/20(火) 03:13:15.49 ID:Iy6kDPpd0
本日はここまでです
ありがとうございました
67 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/20(火) 19:56:34.92 ID:Iy6kDPpd0
男「随分機嫌がいいな」

炎魔「はい、世界が輝いて見えます」

男「そうなのか?」

炎魔「今まで単なる物体でしかないと思っていたものにも、意味があったように思えるのです」

中華「随分極端に感受性が上がったものだね」

炎魔「私が今ここにいるのにも、きっとなにか意味があるんですよ!」
68 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/20(火) 21:27:39.95 ID:Iy6kDPpd0
やたらテンションの高い彼女をよそに、
チェックアウトするため受付までやってきた


受付「代金ですか?昨日、女性のお二方が払っていかれましたよ」

氷魔「……え……随分気前がいいですね……」

やる気「礼言う前に逃げられたっすね」

ぶりっ子「まぁ、ラッキーってことで行きましょう!」
69 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/21(水) 03:54:05.80 ID:TkBvAyhb0
本日はここまでです
ありがとうございました
70 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/21(水) 19:36:34.22 ID:TkBvAyhb0
この街ですべきことはあらかた終わったため、
一行は馬車を探すことにした


怪盗「そういえば、輸送ギルドの支部が昨日のオークション会場の近くにありました。そこに行きませんか?」

男「確実そうだな、行ってみよう」


目的地を目指し、例のオークション会場の付近を通ると、会場の付近に>>下1がいた
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/21(水) 19:50:15.55 ID:IYcWtxec0
ズタボロにされた進行役の道化師の姿
72 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/21(水) 20:58:27.62 ID:TkBvAyhb0
道化師「……………………」

狙撃少女「え……」


そこには、先日オークションの進行をしていた道化師が横たわっていた
まだ息はあるようだが、
全身を痛めつけられたようだ


中華「どうして?」

氷魔「……話を聞きますか……?」

やる気「待つっす、こいつらには自爆するタイプもいるっすからもうちょっと慎重になるべきっすよ」
73 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/22(木) 01:15:48.29 ID:Cvk3gHQf0
炎魔「私なら大丈夫だと思いますよ」

男「……浚われない?」

炎魔「もちろんです」

ぶりっ子「いいんじゃないですかぁ?」


合意が取れたため、炎魔は道化師に話しかけた


炎魔「そこの方、こんな所でなぜ寝ているのですか」

道化師「寝たくて寝ているように見えますか……」

炎魔「どうやら元気はまだあるようですね」
74 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/22(木) 01:26:55.25 ID:Cvk3gHQf0
本日はここまでです
ありがとうございました
75 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/22(木) 19:38:53.48 ID:Cvk3gHQf0
怪盗「落とし前でも取らされたんじゃないですかね」

炎魔「そうでしょうか?」

道化師「いや……まだ落とし前をつけさせられてはいない」

狙撃少女「あの組織の落とし前、普通に死にそうですからね」

炎魔「じゃあなんでこんなことになってるんですか?」
76 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/22(木) 20:29:26.98 ID:Cvk3gHQf0
道化師「そういえば、あなたたちはもういなくなった後でしたね……」

男「俺たちがいなくなった後?となるとあれか」

中華「揮毫だね」

道化師「我々はオークションに……かの司祭の熱狂的な信者が訪れるという情報を掴んでいた」

氷魔「……そうですか……」

道化師「ですから我々は、内通者を用意し……その値段を吊り上げる予定だったのです」
77 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/22(木) 21:00:32.25 ID:Cvk3gHQf0
やる気「ひでぇっすね」

道化師「しかし奴ら……ある程度までは応戦したものの、あっさり諦めてしまったのです」

ぶりっ子「読めてきましたよぉ」

道化師「結局、落札したのは我々ですから、我々が保管することになったのですが……先ほど、奴らから襲撃に遭ったのです」

やる気「道化師連中が、数人に襲撃された程度で負ける訳なくないっすか?」

道化師「あなたたちが我々をどう評価しているのかは分かりませんが……我々の敗因は、奴らが>>下1を使ってきたことです」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/22(木) 21:09:07.65 ID:0znugJDw0
とある兄弟の本に描かれてる様な魔獣を使役して来た
79 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/23(金) 04:07:40.63 ID:yYSfeoGu0
道化師「とある兄弟の本に描かれてる様な魔獣を使役して来たことです」

怪盗「ってことは、禁域の生物ですね。いやぁ、関わりたくない!」

男「全くだ、カルト的人気の司祭と、それを信奉する禁域の関係者……非常にきな臭い」

狙撃少女「しかしながら、彼らを助ける義理はないことが幸運でしたね」

男「そうだな、こいつらを助ける義理はないが……一応、うちのギルドの目的は世界平和だ。いざとなれば禁域の魔獣を使役できる奴らの存在は……あまり歓迎できない。傲慢なことだが」
80 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/23(金) 04:17:20.78 ID:yYSfeoGu0
本日はここまでです
ありがとうございました
81 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/23(金) 19:37:17.18 ID:yYSfeoGu0
中華「じゃあ、そいつら倒すの?」

男「優先的な目標じゃないし、警戒にとどめておくのもいいかな」

氷魔「……そうですね……私たちは……まず極北の地を……目指さなければなりませんから……」

やる気「そういう訳で!」

道化師「ひぃっ!?」


彼は道化師の眼前に槍を突き立て、
見下し、威圧する


やる気「その狂信者共がどこに行ったのか、分かる範囲で教えるっす」

道化師「>>下1」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 20:21:14.24 ID:NWp+Cpvu0
地下水道のエリアのどこかだと思う
83 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/23(金) 22:18:39.61 ID:yYSfeoGu0
道化師「地下水道のエリアのどこかだと思う」

ぶりっ子「下水ですかぁ?」

道化師「いや、下水じゃない。この大陸には、天然の巨大な地下水道が広がっているんだ」

男「……でかい地震でも来たら最悪だな」

道化師「そして……奴らはそれを拡張し、ねぐらとしている」

怪盗「つまり、この大陸のどこへでも行けるってことですね?」

道化師「時間は馬車より遥かにかかるが、そういうことになる」
84 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/24(土) 03:11:05.19 ID:A+fTAOZ00
狙撃少女「もしかしたら、旅の最中でその地下水道への入り口も一つは見つけられるかもしれませんね」

男「ああ、そうだな。情報提供に免じて、生かしておいてやる」


一行は這いつくばる道化師を尻目に、
輸送ギルドの支部へと歩いていった


中華「で、ここが輸送ギルドだね」


そこには、赤いレンガ造りの簡素な建物があった
85 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/24(土) 03:44:28.69 ID:A+fTAOZ00
隣に倉庫のような建物があり、
そちらの方が整備されている


氷魔「……すみませーん……」

受付「はい、ご依頼ですか?」

やる気「そっすね、俺っちらが移動するための馬車を手配して欲しいっすよ」

受付「なるほど、それでしたらすぐにご用意できます。ポイントカードはありますか?」

ぶりっ子「ポイント……カード?」

受付「なければお作りすることもできますが」
86 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/24(土) 03:51:00.25 ID:A+fTAOZ00
本日はここまでです
ありがとうございました
87 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/24(土) 18:42:18.00 ID:EQ5JF1n2O
男「なんか特典とかあります?」

受付「輸送距離に応じてポイントがつきます。あと、初回は街一つぶんの移動はタダになりますよ」

男「いい感じですね、じゃあ作ります」

受付「はい……あぁ、一応聞きますが、みなさまはギルドですよね?」

中華「そうだね」

受付「よかったです。ギルド名義で作成するものなので」
88 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/24(土) 20:18:13.56 ID:EQ5JF1n2O
一行はポイントカードを作成し、
手配された馬車に乗り込んだ


御者「どこまで行かれます?」

氷魔「……ここから北にひたすら……日が落ちるまでには適当な街に降ろしていただけると助かります……」

御者「分かりました。ではお乗りください」

やる気「ちなみに、どの街まで行けそうっすか?」

御者「>>下1」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 20:23:13.80 ID:0SRcRK1P0
ここからなら、『図書の街』に着くだろう。調べ物があるなら利用するも良し、美人の『AI市長』に会うも良しだ
90 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/25(日) 04:44:53.43 ID:yy8X6uYb0
御者「ここからなら、『図書の街』に着くだろう。調べ物があるなら利用するも良し、美人の『AI市長』に会うも良しだ」

炎魔「おお、図書の街ですか!ぜひ行ってみたかったんです!」

ぶりっ子「調べものも、できるならしたいですしねぇ」

怪盗「しかし、AI市長ってなんですか?」

御者「知らないんですか?……旅の方であれば無理もないですね。AI市長とは、まぁそのままの意味で、市長がAIなんですよ」

狙撃少女「AIとはなんですか?」

御者「人工知能……と言われているが、あれが本当に人によって作られたものなのかは疑問だね」
91 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/25(日) 04:45:49.84 ID:yy8X6uYb0
本日はここまでです
ありがとうございました
92 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/25(日) 19:50:25.21 ID:yy8X6uYb0
馬車は走りだし、
数日滞在した金満な街から遠ざかっていく


男「つまり、人間ではない存在……知性そのものが市長を行っているということですか」

御者「そうですね。図書の街というぐらいですから、知識や教養を人々は重んじます」

中華「奇妙なことだけど、住民性には合ってるってことだね」

御者「そうですね。あと、AI市長ならではの特長もあるみたいですよ」
93 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/25(日) 20:12:51.02 ID:yy8X6uYb0
氷魔「……そういえば……美人と言っていましたが……」

御者「そうそう、一つの知能を複数のインターフェイスで共有している……つまり、肉体的には沢山いるんですよね、市長」

やる気「怖くないっすか?」

御者「まぁ、それも感性だよね。でも、このお陰で市長が直接民の声を聞いて、市政に反映できているらしいよ」

ぶりっ子「そう考えると、すごいですねぇ」

御者「とはいえ、やっぱり不気味に感じる人はいるし、いまいち何考えてるのか分からないみたいで、不満な人もいるらしいよ」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:52:19.10 ID:9Us49Hc50
もしかして、シレッとベガバンクが目指してた偉業を達成してた?
95 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/26(月) 04:44:33.18 ID:bMfz/lah0
それから三時間ほど馬車に乗っていると、
図書の街が見えてきた


怪盗「なんですかあれ!?」

狙撃少女「塔ですね……結晶体でてきてます」


その街の中央には、そびえ立つ巨大な塔があった
太陽の光を乱反射し、
神々しさすら感じる光を放っている


御者「あれが世界最大の図書館です」
96 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/26(月) 04:46:09.56 ID:bMfz/lah0
本日はここまでです
ありがとうございました
97 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/26(月) 19:06:36.77 ID:bMfz/lah0
男「あんなもの、どうやって作ったんだ?」

御者「実は、それがよくわかっていないらしいんです」

中華「え?」

御者「言い伝えでは、ずっと昔に高名な魔術師が大勢の建築家を引き連れて建造したと聞きますが……」

氷魔「……その頃から……図書館だったんですか……?」

御者「いえ、違うはずです。あの街が街と呼ばれるようになったのは、ここ数十年のことですから。あの塔は、それよりずっと前からあったのです」
98 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/26(月) 21:19:34.09 ID:bMfz/lah0
やる気「それが、今は図書館なんすね」

御者「ええ、色んな本がありますよ。この世に存在する書物の半分は、あそこで読めるとも言われています」

ぶりっ子「あれだけ高ければ、それほどの本も収まりそうですねぇ」

御者「実は、それだけじゃないんですよ」

怪盗「それ、とは?」

御者「確かにあの塔は高いですが、地下にも続いているんです。これは噂ですが、地下には>>下1があるとか」
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 21:29:58.74 ID:TaU8vHac0
魔神を封印してる
100 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/27(火) 03:05:10.10 ID:YV+cz0bp0
御者「魔神を封印してるとか」

狙撃少女「魔神……!?」

男「もしかしてあの塔が作られた目的も、魔神の封印だったりするのか?」

御者「噂話に憶測を重ねる形ですが、ありえる話でしょう」

中華「……そんな所に街、作っちゃったんだ」

御者「この大陸は、開拓がどんどん進んでいますからね。金になるんでしょう」
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