安価とコンマで異世界転生!その10

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101 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/27(火) 03:54:22.21 ID:YV+cz0bp0
本日はここまでです
ありがとうございました
102 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/27(火) 19:28:23.87 ID:YV+cz0bp0
塔はどんどん近づいていき、
一行はついに街に到着した


氷魔「……ポイントカードの特典で……」

御者「はい、分かりました」


馬車が去っていき、街に放り出される
絢爛豪華なカジノの街とは異なり、
小綺麗で気品のある街だ


やる気「どこ行くっすか?」


>>下1……どこへ行く?
1.今晩の宿を探す
2.巨大図書館
3.市長を探してみる
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 19:31:39.74 ID:7iQ7+1TBO
1、先に宿を探して観よう
104 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/27(火) 19:46:31.75 ID:YV+cz0bp0
ぶりっ子「……ここもなんか高級感ありますし、先に休めの宿探しときません?」

怪盗「賛成ですね」

狙撃少女「そうですね、じゃあその辺の方に聞いてみましょうか」


男は通行人に声をかける


男「すみません、この街に安くていい感じの宿はありませんか?」

通行人「うーん、俺はこの街のもんだから、宿に注意は払ってないなぁ。……あ、そうだ。公民館に宿案内のパンフレットがあるぜ」
105 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/27(火) 21:04:21.62 ID:YV+cz0bp0
男「そうなんですか?ありがとうございます」

通行人「おう、公民館はすぐそこだ」


通行人の案内に従い、一行は公民館へとやって来た
玄関を通ると、街の案内図と受付があった


中華「あの、ここに宿をまとめたパンフレットがあると聞いてきたのですが」

受付「えぇ、ありますよ。これですね」


受付の女性は、『パンフレット』を取り出した


氷魔「……あの……これ……」

受付「情報の充実度には自信がありますよ」

氷魔「……これ……パンフレットなんですか……?」


そこに置かれたのはどう見ても本だった
しかも、かなり分厚く、一般的な辞書の半分ほどのサイズだ
106 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/28(水) 02:28:21.84 ID:dz/w5NE+0
やる気「返却したほうがいいやつっすよね?」

受付「パンフレットですから、持っていっても構いませんよ?」

やる気「いや、ちょっと荷物増やしすぎるのもアレなんで……」


街の常識に面食らいながらも、
『パンフレット』で宿の情報を調べることにした


ぶりっ子「すごい、それぞれの宿の毎年の納税額まで書いてありますねぇ!」

怪盗「ノイズでしかないですけどね……きちんとかいつまめば、十分で確度の高い情報が得られるのはいいところですが」
107 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/28(水) 02:33:04.81 ID:dz/w5NE+0
本日はここまでです
ありがとうございました
108 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/28(水) 19:48:47.25 ID:dz/w5NE+0
予想外に時間を取られたが、
無事自分たちにも使いやすい宿を特定できた


狙撃少女「いいところですね、それなりに自然もあります」


そこは、街はずれの宿だった
土地が安いため、部屋の大きさの割には料金が安いのだ


炎魔「さっそくチェックインです!」
109 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/28(水) 20:30:58.81 ID:dz/w5NE+0
看板娘「あ、いらっしゃいませ」


居眠りをしていた彼女は扉が開くのを聞いて、
慌てて挨拶をする


男「あー、全員入れる部屋あります?八人いるんだけど」

中華(思いっきり寝てたな……)

看板娘「そうですね、>>下1」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 20:36:01.42 ID:FBK6E10J0
今はあいにく4室の
スイートルームしか
空いておりませんね
111 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/29(木) 03:39:00.35 ID:JCnVZ4Zf0
看板娘「今はあいにく4室のスイートルームしか空いておりませんね」

男「うっ、スイートルームか……」

看板娘「一部屋六人までなら入れますが……」

氷魔「……それなら……二部屋宿泊するしかなさそうですね……」

看板娘「いいんですか?」

やる気「今からまたパンフレット読むのは骨が折れるっすよ」
112 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/29(木) 03:44:37.28 ID:JCnVZ4Zf0
本日はここまでです
ありがとうございました
113 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/29(木) 19:55:00.43 ID:JCnVZ4Zf0
とりあえず部屋は取り終えたので、
一行は街に繰り出すことにした


ぶりっ子「物静かでおしゃれな街ですねぇ!」

怪盗「そうですけど……どこ言ってもあんな分厚い本読まされるんじゃ疲れちゃいそうですね」

狙撃少女「目が疲れそうです」


>>下1……どこへ行く?
1.巨大図書館
2.市長を探してみる
3.自由安価
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 20:00:31.62 ID:EYbun/5E0
3.本のあるカフェ 

魔神について知りたい
115 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/01(金) 04:19:59.58 ID:pWHkA4hU0
男「……なんだかんだ、旅で疲れてるな」

炎魔「そうなんですか?」

中華「そうかも」

氷魔「……でしたら……カフェがありますよ……」

やる気「いいじゃないっすか、たまにはまったりするべきっすよ」

ぶりっ子「この街のカフェですから、調べものなんかもできそうですしねぇ」
116 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/01(金) 04:22:38.91 ID:pWHkA4hU0
そのまま、一行はカフェに入っていった
まだオープン数年なのだろう、
相当新しい雰囲気をしている


怪盗「本、本、本……」

狙撃少女「壁一面に本ですね」

男「目的の本は、どう探したものかな」

炎魔「なにか探してるんですか?」

男「……まぁ、実際そうかと言われれば噂だが。地下にいるらしい魔神について知りたくてな」
117 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/01(金) 04:32:16.90 ID:pWHkA4hU0
本日はここまでです
ありがとうございました
118 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/01(金) 19:47:34.45 ID:pWHkA4hU0
店員「魔神についての本をお探しですか?」

男「え、あぁ、そうですけど。まず注文いいですか?」

店員「はい、構いませんよ」

中華「みんな、注文決めた?」


中華がそう聞くと、
一人ずつメニュー表を指差して注文していく


店員「……はい、かしこまりました」
119 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/01(金) 21:08:12.69 ID:pWHkA4hU0
店員が去ってから五分ほどして、注文が運ばれてくる


氷魔「……おや……それは……?」


料理だけでなく、何冊かの本もそこにあった


店員「こちらの店では、食事とともに本の貸し出しも行っております」

男「ってことは、魔神の本も?」

店員「はい、リクエストがありましたら、それに従うようにしております。なければ、私どもの判断で選んでおります」
120 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/01(金) 21:11:25.97 ID:pWHkA4hU0
そうして全ての物品を提供すると、
店員はまた別の業務へと向かった


やる気「お、冒険モノっすね」


出された緑茶を飲みながら、彼は本を楽しんでいる


ぶりっ子「どうやら、みなさん大体趣味通りの本をもらっているようですねぇ」

怪盗「ぶりっ子さんはなんの本を……隠さないで下さいよ!?」

男(まぁ、大方の予想は付くけど……そういえば、炎魔はどういう本を出されたんだろう?)


>>下1……炎魔に貸し出された本とは
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/01(金) 21:31:58.49 ID:PohCgTKq0
フェニックスの力を得た者の末路 
122 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/02(土) 05:23:41.91 ID:wFWoyavO0
本日はここまでです
ありがとうございました
123 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/02(土) 19:28:48.05 ID:/mxqA6/wO
炎魔「……!?」


ちらりと本のタイトルを見やると、
そこには、『フェニックスの力を得た者の末路』と書かれていた


狙撃少女「どうかしましたか?」

炎魔「あ、いえ!なんでもないですよ!」


非常にショッキングな本だが、
どうにか平静を取り繕おうとしている
124 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/02(土) 19:40:03.67 ID:/mxqA6/wO
炎魔は神妙な面持ちで本を読んでいる
どうにかフォローを入れてやりたい、
と男は思ったが、その本のことが周りのメンバーに知られて大事になることを考えるとなにも言えなかった
それよりも、自分に貸し出された魔神についての本を読むことに専念すべきだと考えた


男「はぁ……」


魔神についてそのものの知識についてはそこそこに触れ、世界にいるとされる様々な魔神を考察している本のようだ
彼は目次から、塔の地下に眠る魔神についてのページを開いた


>>下1……大まかな記述
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 19:49:28.09 ID:eXcxBHgIO
道化師の悲恋:魔神誕生の切っ掛け

魔神に関して詩的、物語方式に記載せれてる本があった。手に取って読んでみる。

『王国軍と革命軍が争う中、忠臣の道化師が国王から離反し革命軍に寝返ったのが魔神誕生までの秒読みだった。

道化師の情報から革命軍幹部たちは次々と王国軍を蹴散らし本拠地まで攻め入った
降伏を促す為、革命軍リーダーと幹部五名、そして『革命の女神』が城に入城した

しかし、道化師は一抹の不安を抱き城へと侵入し、革命軍幹部全員が惨殺され『革命の女神』か凌辱され、ころされていたのを目撃した
道化師が激昂し、王以外の城の住人を皆殺しにし、仲間たちの屍を担ぎ、何処かに姿を消した

日が進み、月日が流れ、年月が経ち、戦争の記憶が風化した頃、『魔神』と化した道化師が仲間たちを身にまとい、火口へと逃げた王を追い廻す様になった』
126 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/03(日) 03:12:57.33 ID:sOZdBG3E0
中華「どう?なにか分かった?」


彼は自分に渡された紀行本を一旦閉じ、
男に問いかける


男「……分かったような、分からないような……難解だ。なんかの喩えか?」

中華「どういうこと?」

男「全ての魔神がそうであるのかは分からないが、塔の地下にいる魔神……奴は、道化師と何らかの関係があるのは間違いないだろう」

中華「へぇ」

男「そして、奴らの組織の行動原理……それに関して考察するにも足る内容が書かれている。伝承だから、完全な内容かは分からないが」
127 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/03(日) 03:26:05.54 ID:sOZdBG3E0
本日はここまでです
ありがとうございました
128 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/03(日) 19:52:51.79 ID:sOZdBG3E0
中華「それで、どうしたいの?」

男「……うぅん、魔神に会えば、いくつかの因縁について決着を着けるか、より深く知ることができそうだが……」


男は言葉を濁す


中華「リスク?」

男「あぁ、リスクだ。かつて俺たちが会った魔神のように、話のできる奴じゃなさそうだしな……」
129 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/04(月) 04:44:13.25 ID:cpURwvN50
それから一行は、飲み物やデザートを食べるとともに書物を読み、店を出るのは夕方だった


【ギルドの資金】72225295


氷魔「……宿に戻ったほうが……いいかもしれませんね……」

やる気「今日は休んでばかりになっちゃうっすね」

ぶりっ子「まぁまぁ、たまにはいいじゃないですかぁ」

男「そうだな」
130 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/04(月) 04:53:31.13 ID:cpURwvN50
本日はここまでです
ありがとうございました
131 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/04(月) 18:57:31.88 ID:cpURwvN50
宿に戻ると、看板娘から声をかけられた


看板娘「あの、お部屋の準備はできていますが……それぞれ何人で泊まられるのですか?」

怪盗「そういえば、決めてませんでしたね」

狙撃少女「四人組を二つ、ということですから……」

男「男性三人と炎魔、あと女性四人でいいんじゃないか?」
132 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/04(月) 21:17:12.65 ID:cpURwvN50
男の提案通りの四人ずつに別れ、
宿泊することとなった


中華「……うん、いい部屋じゃないか」


スイートルームというだけあり、
設備は豪華で、整えられた植物たちが植わる庭もよく見える


やる気「俺っちはこういう部屋が一番好きっすね」


彼は備え付けのお茶菓子に早速手をつけながらそう語る
133 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/05(火) 03:49:19.92 ID:oD+m7am70
一方、女子部屋


氷魔「……魔力が溜まっています……発散したいですね……」

ぶりっ子「え?」

氷魔「……体を休め……おいしい食事を摂っていると……魔力がどんどん溜まっていくんです……」

怪盗「上がるんですか?魔力が」

氷魔「……別にそんなことはないですね……もて余す感覚だけが……私を焦らせます……」
134 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/05(火) 04:06:48.64 ID:oD+m7am70
本日はここまでです
ありがとうございました
135 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/05(火) 19:48:23.09 ID:oD+m7am70
狙撃少女「そういうこともあるんですね」


彼女はそう言いながら、
巨大なライフルのメンテナンスをしている


ぶりっ子「しかし、そんな大きなライフル……重くないんですかぁ?」

狙撃少女「やっぱり重いです。メンテナンスもありますし、非常に肩が凝ります」

怪盗「そういえば、狙撃が得意なのは知ってますが、なにか上手になったきっかけとかあるんですかね?」

狙撃少女「>>下1」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/05(火) 19:55:47.09 ID:NaR1vaQD0
望遠鏡やスコープで遠く、遠くを見ていくうちに的や目標物に自然と当たる様になったのは覚えています
137 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/05(火) 20:08:38.04 ID:oD+m7am70
狙撃少女「望遠鏡やスコープで遠く、遠くを見ていくうちに的や目標物に自然と当たる様になったのは覚えています」

氷魔「……遠くを……」

狙撃少女「えぇ、私は遠くを見るのが……知れないモノを知ることができるのが、好きなんですよ」

ぶりっ子「探求心があるんですねぇ」

狙撃少女「そうなんですかね?……ともかく、私が頼み込んでみなさんに同行させてもらっているのにも、そういった私の趣味が関わっているんですね」
138 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/06(水) 00:36:04.78 ID:9HRgy4AI0
それからしばらくすると、夕食が届いた
どうやら、ピザのようだ


怪盗「おお、ピザですよ!私チーズ好きなんです」

狙撃少女「ピザは初めて食べますね。……こんなに濃厚な物体、食べても大丈夫なんですか?」

氷魔「……けっこうおいしいですよ……ローブに付くので……あまり食べませんが……」

ぶりっ子「ううっ、太りそう……でもおいしいんですよねぇ」
139 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/06(水) 01:53:52.93 ID:9HRgy4AI0
本日はここまでです
ありがとうございました
140 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/06(水) 18:13:24.57 ID:9HRgy4AI0
一方、男子と炎魔の部屋


炎魔「これがピザですね」

男「ああ、ピザだ。パーティの時なんかに食べることが多いな」

中華「どんな食べ物でもお腹が空いてると美味しそうに見えるものだけど、ピザは特にだね」

やる気「あー分かるっす、それ。早速食べるっすよ」


やる気は付いてきたピザカッターを淀みなく操り、
綺麗にピザを切り分けた
141 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/06(水) 20:58:44.96 ID:9HRgy4AI0
そして四人はピザを食べる


炎魔「ピザ……うまい!」

男「そうかそうか……ん!?」


そう言った次の瞬間には、
炎魔はピザ一枚の半分ほどを食べてしまっていた


中華「ま、待った!分け合おう!」

炎魔「おっと、すみません。あまりにおいしくて」
142 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/06(水) 21:02:26.00 ID:9HRgy4AI0
驚異の食欲に驚かせられながらも、
四人は夕食を終えた


やる気「ほんじゃ、風呂入るっすよ!」

中華「そうだね、早めに入ろうか」

男「……あっ、先行っててくれ。ちょっとだけ用事がある」

中華「そうかい?ま、なるべく早く来てくれよ」


そう言って二人は浴場へと向かっていった
143 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/06(水) 21:06:11.82 ID:9HRgy4AI0
男「……さて、炎魔」

炎魔「な、なんですか?」

男「俺には、お前と話さなければならないことがある」

炎魔「あっ、ああ……ピザ食べ過ぎました。ごめんなさい」

男「違うわ!」


深刻な表情をしていたものの、
炎魔が変なことを言うのでいつもの雰囲気に戻されてしまった


炎魔「じゃあ、なんですか?」

男「フェニックスの力を得た者の末路がどうとかって本を読んでいただろう。なにかお前の命に関わることがあるのなら、言ってくれ」

炎魔「>>下1」
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/06(水) 21:11:03.41 ID:8+IZ4dhUO
…私って『女性』なのか『男性』なのか分からなくなってしまったくらいですね。

フェニックスになった者は狩られたり身を隠したり、表で行動したりしてたみたいですが、その中で『性別』が雌雄同体みたいな記述しか載ってませんでした
145 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/07(木) 01:27:14.78 ID:bGv6QnJH0
炎魔「…私って『女性』なのか『男性』なのか分からなくなってしまったくらいですね」

男「……性別?」

炎魔「はい。フェニックスになった者は狩られたり身を隠したり、表で行動したりしてたみたいですが、その中で『性別』が雌雄同体みたいな記述しか載ってませんでした」

男「そ、そうか。命に関わることがないならよかった……いや、待て。これから風呂じゃないか」

炎魔「そうですね」
146 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/07(木) 01:31:12.54 ID:bGv6QnJH0
男「そうですね、じゃないだろう!?いいか、世界には男湯と女湯があるんだ」

炎魔「あぁ……」


特に何も言われなければ、
そのまま女湯に入っていたのだろうか


男「もしお前にアレが付いてるなら女湯に入るのは困難を極める。だが、今の外見は完全に女性だから、男湯に入ろうものなら場が騒然としてしまう」

炎魔「そうかもしれません」

男「……で、どうするんだ?」

炎魔「隠します」
147 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/07(木) 02:17:46.21 ID:bGv6QnJH0
本日はここまでです
ありがとうございました
148 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/07(木) 19:57:22.04 ID:bGv6QnJH0
男「隠すって、どうやって?」

炎魔「炎を出します。そうすれば分かりませんよね?」

男「怪しすぎるだろ!?」

炎魔「そうでしょうか……」

男「……仕方ない。交渉だ」

炎魔「交渉?」

男「そうだ。炎魔もついてこい」
149 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/08(金) 02:30:48.68 ID:23yssnpb0
男は炎魔を連れ、カウンターへと向かった
そこには看板娘ではなく、宿屋の店主がいた


店主「どうかされましたかな?」

男「不躾なのですが、頼みがありまして」

店主「ふむ、なんでございましょう。なるべくご期待に添えるようにいたしますが」

男「こちらの方なのですが……」

炎魔「ああどうも。炎魔です。私、両性具有なんです」
150 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/08(金) 02:33:09.95 ID:23yssnpb0
店主「なんと!それはそれは……」

男「えぇ、ですから浴場に入ると誤解を招いてしまうのです」

店主「そうかもしれませんな」

男「そこで、浴場の営業が終わった後すぐに彼女が入浴するための時間を設けていただきたいのです。無茶なお願いですが……」

店主「分かりました。お一人ならばいいでしょう」
151 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/08(金) 02:49:40.21 ID:23yssnpb0
本日はここまでです
ありがとうございました
152 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/08(金) 19:24:18.14 ID:23yssnpb0
そうして約束を取り付けられた男は、
急いで風呂へと向かった


中華「やっと来た」

やる気「ほら、早く脱いで入るっすよ」

男「すまんな、急ぐわ」


全裸になった三人は早速浴場へと入っていく
そこはそれなりに広く、
スイートルーム四つ分ほどの面積があった
153 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/08(金) 19:33:19.98 ID:23yssnpb0
それから三人は頭と体を流し、
いざ入浴という段階になった


中華「……あれ?」

やる気「どうしたっすか?」

中華「あそこの風呂、見たことないね」

男「電気とか、水とかじゃないな。なんか書いてあるぞ」


そこにはこの宿オリジナルの湯があり、
そしてその名前も掲載されていた


>>下1……湯の名前
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/08(金) 20:09:33.94 ID:Jb541SLDO
モフモフの湯
155 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/09(土) 04:05:22.96 ID:MXxiIowR0
そこには、モフモフの湯と書いてあった
実際、なにやら毛玉のような物体がいくつか浮いている


やる気「なんすか、あれ」


そのサイズはバスケットボールほどで、
片手で持てるギリギリのサイズ感だ


男「入れば分かるさっ!」


男はそう言うと湯船に飛び込んだ
156 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/09(土) 04:37:46.08 ID:MXxiIowR0
本日はここまでです
ありがとうございました
157 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/09(土) 20:33:39.69 ID:MRUBIkrMO
すみません遅れました


男に続いて二人も恐る恐る入っていく
浸かった感じはかなり普通の風呂であり、
浮いているモフモフの違和感が募る


中華「なんなんだろう、これ……」


そう言って一つのモフモフを掴む
すると、『それ』と目が合った
158 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/09(土) 20:37:24.71 ID:MRUBIkrMO
モフモフ「………………」

中華「ぇ………………」


二人は見つめあい、ただ沈黙する


やる気「どうしたっすか?」

中華「これ……」


彼はモフモフの顔をやる気に向ける
その顔は子猫のようであり、
客観的に見て非常にキュートだろう
159 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/09(土) 20:43:37.54 ID:MRUBIkrMO
やる気「おぉ、これ動物だったんすね」

男「なかなかかわいいじゃないか。これと戯れる湯ということだな」


そう話していると、店主がカートにモフモフを入れて入ってきた


中華「あれ、どうしたんですか?」

店主「モフモフの交代だ。あんまり浮かべとくとこいつらものぼせるんでね」

やる気「このモフモフ……球体の毛玉みたいな生き物はなんなんすか?」

店主「>>下1」
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 22:04:25.00 ID:5biNd+1DO
よく分からんが気がついたら存在し増えている謎の存在だ
161 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/10(日) 05:33:40.52 ID:bcfpHBz90
店主「よく分からんが気がついたら存在し増えている謎の存在だ」

男「え……?」

店主「空から降ってきたんだ。庭にな……」

中華「確かに謎の出自ですね」

店主「それで、娘が飼いたいっていうもんだから仕方なく餌やって、洗って……そんときに風呂が好きだってのが分かった」

やる気「だから、浮かべてるんすか?」

店主「最初はそんなつもりなかったさ。娘が店先にモフモフを置いて接客してたら、やたら評判がいいもんでな」
162 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/10(日) 05:35:28.76 ID:bcfpHBz90
本日はここまでです
ありがとうございました
163 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/10(日) 19:39:40.42 ID:bcfpHBz90
男「はぁ」

店主「で、風呂に入れてみたらどうだってことでやってみたが……名物になった」

中華「謎の存在……なんですよね?なんか変なこととかしてないですか?」

店主「いやぁ、ないなぁ。大体なんでも食うし、暴力的でもないし」

やる気「すごい生き物っすね」


そう言ってやる気は近くのモフモフを掴んで店主に渡す
164 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/11(月) 19:01:34.74 ID:L6vTt3eM0
すみません寝落ちしました


それから三人はモフモフの湯を楽しみ、
満足して部屋に戻ってきた


炎魔「じゃ、私もお風呂行ってきますね」

男「おう」

中華「あれ?そろそろ浴場は閉じるみたいだけど」

男「まぁ、色々あってな。炎魔だけ入ることになってるんだ」

やる気「事情は分からないっすが……まぁなんかありそうだし不思議ではないっすね」
165 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/11(月) 20:45:09.03 ID:L6vTt3eM0
三人が寝る準備をしていると、炎魔が帰ってきた


炎魔「うーん、さっぱりしましたね」

中華「それはよかった」

炎魔「みなさんも、あのモフモフと話しました?」

やる気「あぁ、モフモフ……え?いや、話はしてないっすよ?」

男「なんか言ってたのか?」

炎魔「>>下1」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 20:56:47.18 ID:JQbHq2BJ0
「この女、チ○コがある!」って言われました
167 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/12(火) 04:41:35.05 ID:kmZ4zDl40
炎魔「「この女、チ○コがある!」って言われました」

男「ぶっ」

中華「え……?」

やる気「ちん……え……?」

炎魔「そういえば皆さんにはお話ししていませんでしたね!私には______」

男「ちょっと黙れ!夜に大声でそんなこと話すな!聞かれたらやべぇぞ!」
168 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/12(火) 04:54:18.55 ID:kmZ4zDl40
男は咄嗟に炎魔を取り押さえ、口を塞いだ


炎魔「んんっ!?」

男「いいか、冷静に話せ……今はいいが、いつか後悔することになるから、なるべく冷静になってくれ」

炎魔「分かりました」


男は炎魔から離れる


中華「それで、本当なの?『その話』……」

炎魔「ええ、本当です。どうも、フェニックスの力によるもののようです」
169 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/12(火) 04:59:44.41 ID:kmZ4zDl40
本日はここまでです
ありがとうございました
170 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/12(火) 19:53:35.18 ID:kmZ4zDl40
男は必死に炎魔を制していたが、
実は隣の女子部屋には聞こえていた


怪盗「……とんでもない話が聞こえてきましたけど!?」

狙撃少女「私たちが誘っても断ったのは……もしかして、男性だから……?」

氷魔「……4:4で合わせる為に男さんが部屋を分けたのかと思いましたが……まさか……本当に男女分けだったとは……」

ぶりっ子「でも……男の子だったら、もっと早くバレてると思うんですよねぇ」
171 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/12(火) 21:09:13.38 ID:kmZ4zDl40
怪盗「どうします?確かめます?」

狙撃少女「え、流石にデリカシーがないですよ」

氷魔「……でも……これから炎魔さんと顔を合わせるたびに……男の子なのかな……って考えなきゃいけないのは嫌ですね……」

ぶりっ子「聞けば教えてくれそうですけどねぇ」

怪盗「じゃあ、確かめましょう!」


怪盗は部屋から出ていった
172 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/13(水) 04:28:56.47 ID:vo9HKwXg0
狙撃少女「えっ、どうします?」

氷魔「……代表者が現れたのなら……着いていきましょう……」

ぶりっ子「そんな気負うことでもないと思うんですけどねぇ」


三人も怪盗に続いて男子部屋に向かう


怪盗「なに話してるんですかー?」

やる気「うわっ!どうしたんすか急に!」
173 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/13(水) 05:11:01.95 ID:vo9HKwXg0
本日はここまでです
ありがとうございました
174 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/13(水) 19:36:10.48 ID:vo9HKwXg0
男「……聞かれたか」

怪盗「ってことは、本当に?」

炎魔「はい、私には生えてますよ」

氷魔「……男の子だったんですね……」


三人も続いて入室する


中華「待った、そりゃ語弊がある。炎魔さんは『両方』だ」
175 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/13(水) 20:34:04.42 ID:vo9HKwXg0
炎魔「理由はよく分かりませんが、フェニックスの自己完結性から来ているのかもしれませんね」

やる気「へぇ〜」

ぶりっ子「そういえば、排泄とかするんですかぁ?」


真面目な顔でとんでもないことを聞いている


炎魔「ないですね」

狙撃少女「え?じゃあ食べたモノはどこに行くんですか?」

炎魔「>>下1」
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/13(水) 20:46:56.72 ID:StQaoWJd0
火炎放射のエネルギーとなるのです
177 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/14(木) 04:07:22.17 ID:jQyGz4ce0
炎魔「火炎放射のエネルギーとなるのです」

氷魔「……魔石の類を食べたら……火力出そうですね……」

炎魔「ええっ!?嫌ですよ!おいしい物だけ食べてたいです!」


冗談めかして話す氷魔に、露骨に頬を膨らませて返す


中華「もし必要なら、僕が魔石料理を作ろう!」

男「ははは、そりゃ期待できるな」
178 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/14(木) 04:09:46.18 ID:jQyGz4ce0
本日はここまでです
ありがとうございました
179 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/14(木) 19:23:45.11 ID:jQyGz4ce0
やる気「それより、気になるのはあのモフモフが喋ったってことじゃないっすか?」

氷魔「……話したのですか……?」

男「ああ、炎魔が話しかけられたと」

ぶりっ子「へぇ、なんで私たちの時は黙ってたんでしょう?」

怪盗「こうは考えられませんか?『炎魔ちゃんだけはモフモフの声を聞くことができる』……とね」
180 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/14(木) 19:25:05.69 ID:jQyGz4ce0
狙撃少女「充分ありえます。ラジオのチャンネルが合ったように、たまたま聞き取れるのかもしれません」

中華「……ちょっと不気味になってきたね、あのモフモフ」

男「俺もそう思っていたところだ」

ぶりっ子「炎魔ちゃん、あのモフモフ……仲間内でなんか話してませんでしたか?」

炎魔「えぇ?そうですね……>>下1」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/14(木) 19:53:59.14 ID:IMtwiEGDO
もっともっとモフモフが欲しいねぇ
182 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/15(金) 01:42:02.96 ID:jVt3Hpfl0
炎魔「もっともっとモフモフが欲しいねぇ、って言ってましたよ」

怪盗「意外と平和的ですね」

狙撃少女「侵略を企んでいるのかと思いましたが、違いそうですね」

男「なんか増えるらしいし、もっと増殖するつもりかもしれないがな。だとしたら……」

中華「侵略とかしてきてもおかしくはないけれど、なにかした訳じゃないし、とりあえず安全と見てもいいね」
183 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/15(金) 02:28:47.32 ID:jVt3Hpfl0
本日はここまでです
ありがとうございました
184 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/15(金) 19:47:04.16 ID:jVt3Hpfl0
それから一行は再び部屋に分かれ、眠った


〜翌日・陰週火曜日〜


氷魔「……揃いましたね……」


全員が朝食を終え、部屋を出てロビーに集まる


やる気「ほんじゃ、チェックアウトするっすよ」


スイートルーム代は高く付いたが、
他に手がなかったので仕方ないだろう


【ギルドの資金】72285295
185 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/16(土) 03:23:54.92 ID:jrIEiAd70
怪盗「じゃ、張り切って行きましょう!」

狙撃少女「どこにですか?」

男「時間はいっぱいある。図書館の塔に向かおう」


乱反射するその塔は非常にシンボリックで、
この街はそれを中心に造られている
十分ほど歩けば、塔の前に着いた


中華「しかし、本当に大きな塔だ。本当に魔神がいるなら、これだけの物で封じるのも頷けるね」

ぶりっ子「うちの屋敷のちんけな地下でも封印できてましたけどねぇ」
186 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/16(土) 03:29:48.34 ID:jrIEiAd70
氷魔「……しかし……高低差はなかなかのものでした……それが重要なのかもしれません……」


そんな仮説を検討しつつ、一行は図書館に入っていく


炎魔「すごい……!」


どこまでも続いていくような螺旋階段が上へ上へと伸ばされており、
沿った壁面には無数の本棚が並んでいる
そして数メートルおきに足場で階層が作られており、
それらの階層ごとにもジャンルで分けられた本が本棚に入れられて陳列されている


氷魔「……これだけの本があれば当分飽きない……いや……永住できますね……許されるなら……」
187 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/16(土) 04:08:25.34 ID:jrIEiAd70
本日はここまでです
ありがとうございました
188 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/16(土) 19:49:12.37 ID:jrIEiAd70
本を探そうと思った所で、
階段の前で準備運動をしている大男が目についた


やる気「何してるんすか?」

大男「本回収のバイトだよ。体力に自信のない人やご老人は、上階まで本を探しに行くのが大変だからな」

ぶりっ子「なるほど……」

怪盗「これからどうします?」


>>下1……図書館での行動
1.本を探す
2.地下に行ってみる
3.自由安価
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 19:53:26.28 ID:2QotgElDO
1
190 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/16(土) 20:32:47.66 ID:jrIEiAd70
男「よし、なんか本探すか」

大男「この図書館は上階に行けば行くほど、専門的なジャンルの本が増えていくぜ」

狙撃少女「ということは、一階や二階ではあまりめぼしい本はなさそうですね」

大男「そうだな……冒険者ならば、いらないかもしれん」


情報提供に感謝し、一行は階段を上り始めた
191 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/17(日) 03:56:15.61 ID:sZnAxShr0
中華「二階は……いわゆる生活雑誌だね」


階段脇の本棚を見ながら上っていく
雑誌は目を引くように作られているため、
モザイクアートのような色彩を放っている


やる気「男さん、こういうの読んだらいいんじゃないすか?」

男「えっ、俺?」

やる気「最近は大丈夫っすけど、前はちょくちょく生活の基本的なこととか知らなかったじゃないっすか」

男「ま、まぁな……」
192 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/17(日) 04:06:42.78 ID:sZnAxShr0
本日はここまでです
ありがとうございました
193 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/17(日) 19:56:15.88 ID:sZnAxShr0
狙撃少女「えっ、そうだったんですか?」

ぶりっ子「そうですねぇ」

狙撃少女「すごくしっかりしてるイメージがあるんですけどね」

男「マニュアル人間だからな、俺は」


そんなことわ話しながら階段を上っていく
そんな彼らの目を引いたのは、>>下1のジャンルの本棚だった
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 20:09:48.54 ID:kqPZsnW50
神話・宗教の本棚
195 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/17(日) 20:41:37.37 ID:sZnAxShr0
怪盗「お、面白そうなやつありますよ」


一行は七階の本棚の前で立ち止まった
そこは、神話・宗教のコーナーだった


炎魔「難しそうなコーナーですね?」

中華「でも、僕たちはなるべくこれらについて学ばなければならないと思うよ」

氷魔「……さて……どれを読みましょうか……」
196 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/18(月) 05:22:43.15 ID:2A9gHQWx0
怪盗「これおすすめです、これ」


彼女は飛び上がり、
専用の足場を使わずに一冊の本を取ってきた


やる気「なんすか……胡散臭い本っすね」


タイトルには『神格の上げ方』と仰々しく刻まれている


怪盗「なにが胡散臭いってんですか!」

やる気「……これ読んで嬉しいの神だけっすよ?うちには一人いるっすけど……売るつもりでこんなもん出版する奴が怖いっすよ」

氷魔「……神がごく僅かなのは言うまでもなく……自由に動き回れる柱ともなれば……さらに一握り……」
197 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/18(月) 05:23:45.21 ID:2A9gHQWx0
本日はここまでです
ありがとうございました
198 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/18(月) 19:55:20.77 ID:2A9gHQWx0
ぶりっ子「考えてみれば、超怪しいですねぇ」

狙撃少女「……そもそも、それをメソッド化して伝承できるような人物がいるのでしょうか?」

男「確かにな。だが、その答えは出すことができるぞ」

中華「うん、著者は書いてあるね」


本を開いた1ページ目、そこにはタイトルともに著者の書かれた頁だった


>>下1……著者の名前
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/18(月) 21:19:25.55 ID:fmPaHn5f0
ピリッポス2世 (マケドニア王)
200 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/18(月) 21:33:00.20 ID:2A9gHQWx0
そこにはピリッポス2世と書かれていた


氷魔「……変わった名前の……人ですね……」

男「なんでだ……?」

氷魔「……え……?」

男「いや、なんでもない……」


都合のいいことに、彼はその王について知っていた
そして、それが自分のいた世界の人間であることも当然分かっていた
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