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【火炎瓶禁止】中国民主化運動は非暴力で 2
- 53 :聖天大神君影大命 [sage]:2020/04/03(金) 20:03:18.76 ID:paUQzwz00
- 「喉が痛い。咳も止まんねぇ。熱っぽいし···」朋春爺さんは「まさか、コロ··」と思ったものの、
いつもの縁起悪い、都合悪い可能性は徹底否定という習性で「オレは大丈夫だ。」と結論出していた。
しかし、市販薬の効果なく、症状は収まらず、仕事先にも言われて朋春爺さんは渋々、医者にかかった。
早速、検査を受けた。
「三浦さん、陽性です」大きな衝撃受けた爺さんだったが、「オレには気功と太極拳がある。超能力もある。」
と必死で自分を励ました。
医師は「今はそうでもないですが、今後、数日間で急速に悪化する可能性あります。」と告げた。
「治りますよね?」朋春爺さんは努めて明るく言ったが、医者の表情は厳しいままだった。
入院と隔離となったが、病床は満室であり、廊下に朋春は寝かされた。
「オレは絶対に大丈夫だ。オレは特別なんだ。コロナで死ぬか!昔も呪いで肺炎になって入院したが、
オレは打ち勝ったし。オレは、まぁ大丈夫だろう。」朋春爺さんは自分に言い聞かせた。
- 54 :聖天大神君影大命 [sage]:2020/04/03(金) 20:04:52.25 ID:paUQzwz00
- 数日の間に朋春爺さんの症状は悪化していった。
「息が、息がしんどいんですが···?」苦しい息の下、朋春爺さんは看護師に訴えた。
看護師は「すみませんね、人工呼吸器が全然、足りないんです。」
朋春爺さんは、ここ数日、気功や太極拳の真似事したり、自分に念をかけるようなバカしていたが、
当然、そんなものの効果はなく、状態の悪化は自分でも認めざるをえなかった。
「く、苦しい···人工呼吸器くれ····」朋春爺さんは呻いた。
数日、意識が混濁してきた。
「か、看護師さん、人工呼吸器ください。」朋春爺さんは必死に訴えた。
- 55 :聖天大神君影大命 [sage]:2020/04/03(金) 20:06:49.95 ID:paUQzwz00
- 朋春爺さんは、周囲で人工呼吸器つけて寝ている連中を恨めしく眺めていた。
「なんで、こいつらは人工呼吸器つけてんのに、オレには···なんでだ··?」
「か、か、看護師さん、ちょっと、オレにもあれ付けてください···」
この頃には、もはや超能力で、気功で、なんて頭からすっかり消えていた。
看護師は思い切った風な様子で朋春爺さんに向いた。
「三浦さん、はっきり言います。ここでは、どこも同じなんですが、トリアージが実施
されています。
要は、助ける優先順位を決めて対応する、という患者の選別です。
三浦さんは申し訳ないですが、最低の枠に入っています。年齢もあの人たちより
高翌齢ですし···若い人を助けてあげてください。三浦さんは50代後半、彼らはまだまだ
日本の社会を支えていく世代ですし、回復する可能性も三浦さんより遥かに高いんです。」
「あい、あそこの奴、明らかにオレより年上だろう···-が---」朋春爺さんは震える指を向けた。
「あの方には養っている家族も従業員もいらっしゃいます。三浦さんはそうではないですし。」
「オレは、あいつより世界に貢献してきたし、オレはただの凡人と違って---」
「すみません」看護師は皆まで聞かず爺さんから離れていった。
「ち、ちきしょう·····なんで、なんでオレが···」朋春は自分の真価を認めない看護師、いや、世間を呪った。
- 56 :聖天大神君影大命 [sage]:2020/04/03(金) 20:09:22.92 ID:paUQzwz00
- 立場ある者、若い者を羨みつつ、朋春爺さんは「こいつらより、オレが助かるほうが世界には価値あるのに」
そんなバカな事を目眩の中で思っていた。
治療もされず、人工呼吸器もつけてもらえず、ただ廊下に放置されたままであった。
「このまま死んじ···いや、オレは不老不死だ···こんなんで死んでたまるか···」
「こんな状況なのに、財閥なんかの連中は何しているんだ···?オレが必要なら···」
自分が死んだら、元も子もないだろうと信じている連中に、必死にテレパシー送ったつもり
だが、何ら現実は変わらない。
ネットにも苦境を怒ったり、嘆いたり、助けが何処かから来ないものか、と期待も込めて
書き込んでいたものの、一切の助けはなく、武板を覗けば「オレンジの奴、コロナだってよw
あいつもシニア世代だから重症化で死亡かな。」と、はしゃぐ連中ばかり。
怒りを必死にぶつけたものの、書き込む指も既におかしくなっていた。
目の前を感染防止の袋に入れられた遺体がまた運び出されていく。
人工呼吸器つけた金髪の若者が、眺める朋春爺さんに「ジイサンも、もうすぐだな」とニヤつきながら言った。
心が砕けそうな朋春爺さんだった。
「中国、大好きだったのに···その、中国発のウイルスで···ちきしょう···」
- 57 :聖天大神君影大命 [sage]:2020/04/03(金) 20:11:06.96 ID:paUQzwz00
- もはや息も絶え絶えの朋春爺さん。防御服の医師と看護師が脈を取るのを感じた。
「もう、今日、明日だな。」医師の言葉を虚ろに聞く朋春爺さん。
「袋の用意をしといて」という声、朋春爺さんは、それは自分の遺体を入れる袋と悟った。
「オレは諦めない。絶対に死なない。死にたくない。オレには実現させる事が、
複数妻、ホー式太極拳を世界に···」もがく朋春爺さんだが、意識も飛び飛びであった。
「た、助けてくれ···オレは世界のためにも生きている価値ある人間だ···そこらのクズより、
よほど生きている価値あるんだ。真っ先に、世界がオレを全力で助けるのが当たり前···」
最後の最後までクズであった。
そして、誰にも看取られる事なく、爺さんは事切れた。数時間後、看護師が人知れず果てていた
朋春爺さんを確認した。
朋春爺さんがネットから永久に消えた。「オレンジ、最近見ないな。コロナで死んじまったか?」
しばらくすると、朋春爺さんの事はすっかり忘れられていた。
「そういや、昔、オレンジ·タイチっていう統失の荒らしがいてな····」
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