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雑談バス♪ −金木犀−★2
- 142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2017/12/01(金) 19:07:29.64 ID:Nr6jonN60
- 甘い言葉を期待して廻した左手が、空を掴んだ
「おはよ…う」
帰らない返事。繰り返す記憶
自分の中に残る彼女の匂いに気づくたび、いい加減、うんざりする
切れない過去から逃れるように、当てもなく外に出た
遠く、国道の向こうに見える海。鈍色の空が蓋をするように覆っている
「どうりで、寒いわけだ」
この前は、長年連れ添った愛車を事故で亡くした
失う事を恐れない刻はもう過ぎて、ここのところ痛い思いばかりしている
新しい愛車に乗り込み、エンジンをかける。ラジオから、懐かしい歌声が聴こえた
「あなたのいない右側に〜♪ 少しは慣れたつもりでいたのに〜♪」
こんな女々しい歌詞が沁みてしまうのも、きっと天気のせいだ
「MじゃなくてドSだぜ…」
煙草を吸おうと胸ポケットに手を伸ばすと、指先に違和感を感じた
てんとう虫が、シャツの生地に貼り付いている
払いのけようとして、止めた。温もりを求める季節外れの珍客に身を重ねたから
「ちょっと付き合うかww」
軽くアクセルを踏むと、世界がゆっくり滑り出す
失う痛みより、抱える重さより、今はただ、刹那の陽気に身を任そう
−今夜の合コン、断りの連絡入れとかなきゃな…―
そんなことを考えながら“相棒”を連れ、南にむけてハンドルを切った
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