【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6

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391 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 21:14:33.07 ID:WhTzHwps0
 銀のナイフ「」ポン

イリス「これは……?」

血分身フラナ「銀製のナイフよ。マリッサの光属性付与とパティの栽培したニンニクの練り込みによって吸血鬼に対する殺傷力を高めてあるわ」

イリス「え、ええ……!? そ、そんなものをどうして私に……!?」

血分身フラナ「もしフレメアに襲われることがあればそれで自衛しなさい」

イリス「は、はあ……わかりました」

 ☆銀のナイフを手に入れました

 *

血分身フラナ「では私は奴のアジト捜索に――」

 ヒュンッ!
 ドガァンッ!!
 爆発する血分身「」ブシャァッ!!

イリス「わああっ!!?」

ミスティ「っ!? な、なにが……!!」ググッ

ローガン「今のは――」


 日傘「」クルッ

フレメア「よわ……。あんなもん作って何がしたいんだか、あいつ」スタスタ


妖精「フレメア……!!」


フレメア「お久しぶり……てほどでもないか。あんたとスライムにはこの間オノゴロで会ったばかりだもんね」

 *

 ヒュオオオオオ――…

フレメア「あんたたちの中に、フラナの教え子だかなんだかがいるんだって?」

イリス「え、えと……私、ですか?」

フレメア「ふうん……やっぱりあんたがその身の程知らずね。まあいいよ、私は寛大だから許してやる」

イリス「ええと……」

フレメア「でもそれはそれとして、あんたたちは私たちの仲間を二人もやってくれたんだよね。だからさァ……」ニヤ

イリス「……!」

フレメア「殺るしかないよね? しかも前よりも随分美味しくなったみたいだもの!」バサッ!

イリス「!!」


戦いは避けられそうにない!
↓1〜 先取2票
1.このまま戦う!
2.戦う前に一杯やるのを提案する(ブラッドワイン*2、マッスルワイン*1を消費)
3.一杯やるのを提案して一服盛る(吸血鬼殺ワイン*1消費)
0.自由安価(票数は内容ごと)
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:22:00.18 ID:g2NZtH6gO
むしろ完膚なきまでボコボコにして屈服させればよいのでば?
というわけで1
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:23:36.90 ID:TZYMGhsUo
万が一勝てたときフラナ先生との確執が全部解決しなさそう(強欲)なので
2
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:25:28.84 ID:u9/L/hD1o
3
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:35:08.99 ID:8jE3O0opO
0迷彩魔法をフル活用してさっきのナイフでブスリ
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:43:29.50 ID:EbvU6dmeO
2
397 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 22:34:13.86 ID:WhTzHwps0
イリス「――その前に!」

 ブラッドワイン「」ドン!

イリス「い……一杯、どうですか!」


フレメア「あの時のワインか……まあ味はそこまで悪くなかったし、貰ってあげる」


イリス「……私たちも、飲もう!」

ミスティ「ええ、そうね……」

ローガン「私とエバンスくんはマッスルワインを飲むか」

エバンス「おう、わかったぜ……!」

妖精「クロシュは……両方を少しづつもらったら?」

クロシュ「うん」

 *

 ゴクゴク… グビグビ… ゴキュゴキュ…

 ワイン瓶「」ゴトン…

フレメア「ふう……。言っとくけど手加減とかはしてやらないからね?」

イリス「望むところです……! 私たちも、全力であなたを止めます!」

ミスティ「……魔力がみなぎるわ……フラナさんのワイン、やはり効くわね……」

ローガン「だがそれは相手も同じだ。むしろ吸血鬼の彼女の方がブラッドワインの恩恵を受けやすいかもしれん」

フレメア「そうでもないかな。これ、血の入ってないお子様ドリンクだし」

エバンス「……なら付け入る隙はあるか?」チャキ

妖精「私たちもあの時より強くなった……それに今は太陽のある昼間……!! 勝てない状況じゃない……!!」

クロシュ「ん……!」


フレメア「フフ……じゃあ始めましょう。演舞の名前は……えっと、そうだな……悪竜と駄狐の鎮魂歌(レクイエム)! さあ、踊りましょ!!」バサッ――


 ――強敵 狂い吸血鬼フレメア――


 ☆フレメアが〈狂気の舞踏〉を発動!
  会心率が上昇し、さらに毎ターン会心率+10累積!!

◇自陣(銀のナイフ+5、ブラッドワイン+30)
・不死鳥化できる(1/1)

◇敵陣(戦力差+20、ブラッドワイン+30、日中-30)


↓1コンマ(合計+15)
01-20 痛恨
31-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 22:41:32.84 ID:ItRvK8tn0
399 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 22:58:53.36 ID:WhTzHwps0
フレメア「」ヒュンッ


ローガン「速いッ!!」

ミスティ「光速でも雷速でもないのになんてスピード……!?」


フレメア「馬鹿正直に囲んで叩かれてやるわけないでしょ? 端っこの奴から血祭ってあげる!」グオッ


イリス「!!」


エバンス「しまった、イリスちゃんが――」


 光の残像「」パヒュンッ―

 ガギンッ!!

光クロシュ「……!」ギギ

イリス「クロシュちゃん!」

フレメア「うげっ、光属性……!?」

光クロシュ「えいっ!!」

 閃光「」カッ!!

 〈会心の一撃!〉

フレメア「うぎゃっ、目がっ……!!」フラフラ


妖精「今だ! みんなかかれぇ!!」

エバンス「お、おう!!」


 ドガッ!! ボゴッ!!
     ボンッ!! バギンッ!!
   ドッギャァァァァァァン!!!!


 ――戦闘終了――
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:00:16.12 ID:TZYMGhsUo
どんだけ強くても囲んで殴れば(出来れば)いいんだよ!
401 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 23:09:28.91 ID:WhTzHwps0
縛られたフレメア「いたた……これが淑女に対する仕打ち?」

妖精「殺しにかかってきたのはあなたでしょ……」

フレメア「はぁ〜あ、まさかこんなに簡単に負けちゃうなんて……。私もヤキが回ったってやつかなあ」


クロシュ「……やきって何? たこやきのやき……?」

ミスティ「え、ヤキ……何かしら、エバンスはわかる?」

エバンス「焼きが回る……いや、すまん。なんの焼きのことかは……」


フレメア「ねえ、殺そうとしたのは謝るからこれ解いてよぉ」グイグイ

妖精「解けるわけないでしょ……」

フレメア「じゃあ殺すの? セレスティアみたいに。それとも駄狐みたいに豚箱?」

イリス「えっ……いや、えっと……私は、その……」

ローガン「……イリスくん、彼女は非常に危険な存在だ。情に流されるべきではない。そして我々には、彼女という爆弾を抱えたまま然るべき場所へ安全に護送する手段もない」

イリス「わ、わかってます! でも、その……うう〜ん……」


フレメア「……もしかして、私がフラナの姉だからって情けをかけようとしてる?」

イリス「……」

フレメア「胸糞わる……。そんな理由で見逃されるとか最悪だし、そのナイフで心臓を突き刺すなりしてさっさと殺せば?」

イリス「……」


どうするの……?
↓1〜 先取3票
1.逃がす
2.殺す
0.自由安価(票数は内容ごと)
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:12:26.41 ID:8jE3O0opO
0メゾンドクロシュに入れておく。フラナに会うまでに吐き出し方を覚える。
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:20:04.44 ID:zdeQIWcfo
0 敗者に選択権はないとロイエ教殴り込み部隊として連行させる
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:21:54.10 ID:TZYMGhsUo
1
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:25:25.01 ID:rXUnU2O80
1
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:29:34.82 ID:eyqoxe9jO
>>403+まさか誇り高い吸血鬼が勝負に負けて逃げるの?みたいな煽りを加える
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:42:48.75 ID:K/qoHdwk0
>>402
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:48:21.70 ID:BySVEHxEO
1
409 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:01:39.76 ID:hOpx8wJL0
イリス「……」グググ

 プシュー…

イリス「」プシュー…モクモク…


妖精「あー……イリスは良心と合理の板挟みで限界みたい……」

ローガン「………では汚れ役は私が務めよう。一応聞いておくが、皆も構わないか?」


エバンス「……ああ。そいつはレイ・アンバーみたいな半分被害者みたいな奴ってわけでもなく、最初から自分の意志で破壊活動をやってるテロリストなんだろ? だったら情けをかけてやる必要もないと思うぜ。後味は悪いけどな……」

ミスティ「………私は……少し、迷いがあるわ……。でも、ローガンさんが処断するというのなら止めはしない……」

妖精「まあ……私も、止めないよ。できることならフラナに引き渡したいところだけど、血分身はふっとばされちゃったしね……」

クロシュ「……」


クロシュ「……逃がすのは……だめ……?」

エバンス「クロシュちゃん……気持ちはわかるが、あいつは本当にヤバイ奴なんだ。レイ・アンバーみたいにクロシュちゃんを好きになったりすることもないと断言できる。逃がしたら被害が増えるだけなんだよ」

クロシュ「ひがい……」

ローガン「うむ……。フラナ氏の姉君ゆえ、少々心苦しくはあるが……」


クロシュ「……」トコトコ

フレメア「……何? スライム」

クロシュ「……もう、むやみに殺したり、壊したり、しないって……約束……できる……?」

フレメア「……」


エバンス「え、いやいやクロシュちゃん……! そりゃ無理だって! そんな約束守るわけ……!」

クロシュ「……でも……アウルさんが……フレメアさん、義理堅いって……」


フレメア「え? アウルが?」

クロシュ「うん……。フレメアさん……ザイルさんの、恩返し、してて……義理堅いって……」

フレメア「……」

クロシュ「……だから……約束……守る……?」

フレメア「………ねえ、アウルはどうして復讐をやめたの? 大切なものができたから?」

クロシュ「……わかんない。でも……アウルさん……狐さんたち、親戚みたいなもので……好きだって……」

フレメア「……」

クロシュ「………フレメアさんは……好きな人……いる……?」

フレメア「いるわけないでしょ。バカにしてるの」


イリス「バカになんか……してません!」ヌッ

クロシュ「!」

フレメア「あんた……」

イリス「わ、私は……フレメアさんは、フラナさんとちゃんとお話するのが良いと思うんです! だって、二人は家族で、姉妹なんです!! それなのに……それなのに、殺し合うなんて……だめなんです!!!」

フレメア「だから、部外者が――」

イリス「敗者は勝者の言うことを聞くものです!!! それとも、誇り高い吸血鬼は話し合いの席に付くこともできないんですか!!?!?」

フレメア「こ、こいつ……ガキの癖に……!」

イリス「そのガキに囲んで叩かれて負けたんです!! フラナさんとお話してください!!!」

フレメア「……」

イリス「それを約束してくれるなら……この縄を、ほどきます!!」

フレメア「……」
410 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:02:05.22 ID:hOpx8wJL0

フレメア「……いいよ。私、義理堅いみたいだし。約束してやる」

イリス「!!」

フレメア「でも話し合いの結果どうなるかまでは保証しない。約束は話し合いの席に付くところまでだよ」

イリス「……席についた途端喧嘩とかはやめてくださいよ。ちゃんと言葉で……」

フレメア「そんなガキみたいな屁理屈こねるか! 最初はちゃんと話し合ってやるよ!」

イリス「……約束ですよ。絶対ですからね!」

フレメア「あ〜もうわかったわかった! 全くもう、フラナの奴なんて面倒くさいガキを抱えてんだか……」

クロシュ「フレメアさん……むやみに、殺したり、壊したりしないっていう方の約束も……」

フレメア「わかったよ!!!!」

 *

 シュルシュル…

フレメア「……んじゃ。約束は守ってあげるから安心することね。私、義理堅いから」バサッ

クロシュ「ん……!」

イリス「はいっ! よろしくお願いします!!」


ミスティ「行っちゃったわ。でも、本当に行かせて大丈夫だったのかしら……? 約束を本当に守ると思う?」

妖精「……諸説あるけど、吸血鬼が約束事に真摯という伝承はけっこう数多く聞かれるんだ。私の経験でも、吸血鬼は契約を重んじる奴が多かった印象がある」

ミスティ「なるほど……」


ローガン「……ふう」

イリス「……すみません、ローガンさん。ローガンさんの忠告を、結局私……」

ローガン「……いや、構わない。吸血鬼を相手に約束を取り付けることができたのなら悪い結果ではないと言えるだろう」

エバンス「おう……。まあ実際、あそこであの吸血鬼を殺っちまうってのも本当に後味が悪いしな。見た目が幼い女の子だってのがまた……」

ローガン「うーむ……一部の魔族は幼い少女の姿でいることが多いが、一体なぜなのだろうな」

 ☆フレメアを逃がしました

 *
411 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:03:18.52 ID:hOpx8wJL0
 強化ソリ「」

ミスティ「さて、それじゃあそろそろ――」


デュア「お前たち、無事か〜!」タタタタッ


クロシュ「わ……!」

妖精「あれは……デュア!?」

エバンス「凄い勢いでこっちに走ってくるぞ」

 *

デュア「はあ、はあ……! 凄まじい戦の気配を感じて、急いで来てみたらお前たちだったとは……。敵はもう倒してしまったのか?」

エバンス「倒した……というよりは、撃退だな」

デュア「くうっ、恩を返す好機だったのに……! いやしかし無事で良かった!」

イリス「デュアさんはあれからどうしてたの?」

デュア「朝廷軍に追い回され、小舟を奪って再び海へ逃げたんだ。そうしたらまた荒れ波で遭難しかけてな……。通りかかった商人のクルーザーに乗せてもらって、すごすごと中央大陸へ戻ってきてしまったというわけだ……」トホホ

ローガン「なんと……」

妖精「ああ……それは申し訳ない……」

デュア「気にしないでくれ! お前たちがいなければどの道私は海の藻屑だったのだ。命あっての物種、刀の整備はまた次の機会にすれば良いさ」

ミスティ「デュアはどこへ向かっていたの? もし王都ならソリに乗せてあげるわ」

デュア「何、本当か!? まさしく王都に向かうところだったのだ!」

ミスティ「なら丁度良いわ……。私たちの戦いに巻き込んでしまったお詫びってわけでもないけど……乗っていって頂戴」

デュア「かたじけない! では遠慮なく相乗りさせてもらおう!」

クロシュ「うん……!」

 ☆旅の冒険剣士デュアが道連れに加わりました

 ◇
412 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:04:17.99 ID:hOpx8wJL0
というわけで本日はここまでとなります。次回は野営の行動決めから開始となります

いろいろあってついにセイントレア王都を目指すクロシュ一行。いきなりフレメア氏と激突してしまったり、フレメア氏を逃がしたり、デュア氏が道連れに加わったり、初日から盛りだくさんな旅路となった。あかちゃんスライムは焚き火をぼんやりと眺めながら、一日の出来事を振り返って物思いにふける――

それでは本日もありがとうございました。次回は、可能であれば火曜日の祝日に更新したいと思います(不可能だったら土日です)
また、折を見て王都セイントレアおよびセクリエ・ロイエで登場する人物の募集をしたいと思います。よろしくお願いいたします
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 01:14:43.33 ID:aTrYzB9Xo
おつでした
招かれないと家に押し入ったりしないとか聞くし、吸血鬼は種として義理堅い面があるのかも
フレメアさんの方はまず何とかなったのであとはフラナ先生にも話し合いの話通さにゃ…
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 05:12:27.21 ID:3BcUaO6Do
おつ
ついに王国主要部に殴り込みか…
意外と謎が多いロイエ教の実態もわかるかな
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 22:17:49.12 ID:DnmzjL7z0
乙です
今回フレメアとの戦いはすぐに終わってビックリした。ワインの力もあるけどセレスティアやアウルと違って苦戦なく勝利できてたね。
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 22:57:03.69 ID:DnmzjL7z0
>>415を書いた者で書き忘れていたけど
アウルは狐巫女の助けもあったね。
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 12:14:42.80 ID:PSKkFnjtO

フレメアさんフィジカルなら最強クラスなんだろうけど搦め手に凄く弱い某ゴム人間さんタイプだったか・・・
418 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 16:22:54.60 ID:v6/B/L000
吸血鬼は約束事を律儀に守ると言われています。フレメア氏も伝承の通りなら、約束をちゃんと守るかもしれません
フラナ先生にも話を通しておかないと戦いになってしまいかねませんが、イリス氏はその辺りをちゃんと準備するつもりのようです

今まで何度か名前が挙がっていたセイントレア王国とセクリエ・ロイエがついに物語の舞台となるようです
そしてそこは、様々な因縁の終着点でもあります。そこに何があり、何が起き、そしてクロシュは何を為すのか――

フレメア氏は万全な状態なら悪竜に比肩する戦闘力を持つ恐るべき吸血鬼ですが、油断して日中に襲ってきたのがあだとなったようです
また、前回のアウル氏との戦いはアウル氏が骨の軍勢を作るなどの入念な準備もあったため、単純比較は難しいかもしれません

フレメア氏は高い運動能力を持つ危険な吸血鬼ですが、日中だったことやクロシュ氏の目眩まし閃光が直撃してしまったのがよくなかったようです
吸血鬼は弱点が多い種族なので、戦闘力は高いですが搦手には実際弱いのかもしれません
419 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 16:23:20.41 ID:v6/B/L000
―夜
 セイントレア平原 野営地

イリス「……」カキカキ

 手紙「」ポン!

イリス「よし、できた! 妖精さん、風の精霊さんに郵便をお願いしてもらえる?」

妖精「はいはい。フラナ宛だね?」

イリス「うん! フラナ先生に早く伝えないと……!」

ミスティ「フラナさんも殺る気満々だものね……」

妖精「というわけで風の精霊〜」

 ヒュルルルッ

風の精霊『呼んだ〜?』ヒュルヒュル

妖精「うん。フラナ宛、速達でお願い」

風の精霊『あいよ〜。んじゃ行ってきま〜』ヒュルヒュル
 手紙「」フワッ

 ビュオオオオッ

イリス「……風魔力の塊が手紙を運び去っていった……というのは感じ取れたよ!」

妖精「イリスにはそういう風に感じ取れるんだねえ」

ミスティ「……ところで、けっこう風の精霊郵便を使わせてもらってるけど……お代とかは良いのかしら?」

妖精「あいつらにとっては郵便配達が娯楽みたいなもんなんだ。無目的で大気を流れるより楽しいんだって」

イリス「そうなんだ……。でもなんかお礼をしたい気持ちもある……」

妖精「お礼……わたあめとか好きだと思う。たぶん」

 *

 焚き火「」パチパチ

スライムクロシュ「……」


スライムクロシュ(セイントレア王国……ロイエ教……)

スライムクロシュ(フメイちゃん……セインさん……)

スライムクロシュ(……みんな……良くなって、欲しい……)


デュア「クロシュ殿。何か考え事か?」スッ

スライムクロシュ「!」

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「んーん……考えごとってほどじゃ……ない……」

デュア「そうか!」

クロシュ「デュアさんは……王都に、何をしに行くの……?」

デュア「度重なる海難で道具のいくつかがダメになってしまってな……。せっかくだから王都まで行って質の良いものを揃えようかと思ったのだ」

クロシュ「王都は、質が良いの?」

デュア「ああ、そうだ。王都セイントレアは大陸中のものが集まる花の都――なんて言われたりもするんだぞ」

クロシュ「わ……! お花の、みやこ……!」

デュア「……しかしクロシュ殿はスライムだから、ちょっと気を付けた方が良いかもしれない。まあクロシュ殿の擬態の腕前があれば心配は要らないと思うが……」

クロシュ「うん……妖精さんにも、王国の街ではなるべく人の姿でいろって、言われてる……」

デュア「うむ、そうした方が良いだろう。あえて私が言うまでもなかったな」

クロシュ「んーん……。心配、してくれて……ありがと……」

セイントレア平原で野営します
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 16:28:01.83 ID:viw2+hxp0
クロシュの夢の中でアリシラの両親とアリシラのことについて話す
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 16:44:57.75 ID:C+u28qWao
ロイエ教よりデロデロ教の方が良いなと理論武装しておく
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 16:47:05.13 ID:qD9IDwXMo
ミスティさんが白兵戦どれだけやれるのか、デュアさんと模擬戦
423 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 18:17:40.03 ID:v6/B/L000
 焚き火「」パチパチ

クロシュ「……えっと、セクリエ・ロイエは……ロイエ教の、真ん中……?」

妖精「そう。ロイエ教についてはわかるよね? 魔族国にいた聖女とか、あの僧侶とかが所属してる宗教団体だよ」

クロシュ「うん……。えっと、でも、どういう団体なのかは……あんまり、知らない……」

イリス「そうだねえ……ロイエ教っていうのは、ロイエ神の教えを大事にしてる人たちの集まり……って感じかなあ」

クロシュ「ろいえしんのおしえ……?」

イリス「ごめん、私はロイエ教徒じゃないから具体的な教えの内容はあんまり知らないんだ……。妖精さんは知らない?」

妖精「え、うーん……なんだっけ……隣人を大切にしろとか、平和を目指せとか、そんなやつだよ。変なことは言ってなかったと思う」

クロシュ「わあ……」

妖精「……デロデロとどっちが良いと思う?」

クロシュ「……えっと………。ロイエ教は……どうやって隣人を大切にして……どうやって、平和を目指すの……?」

妖精「え、そこまでは知らない……ごめん」

クロシュ「そうなんだ……」

ローガン「具体的な方法は、お祈りをしたり、教典を読んだり、奉仕活動を行ったり、だな」ヌッ

妖精「ローガン! 詳しいの?」

ローガン「ロイエ教はユーシリアでも大きいからな。多少の知識はある」

クロシュ「わあ……!」

ローガン「そうだな、例えば魔族国の聖女くんを思い出してみてくれ。彼女は荷車にたくさんのご飯を乗せてみんなに配っていただろう? あれが奉仕活動だ」

クロシュ「わあぁ……!」

ローガン「つまり、ロイエ教の言う隣人を大切にして平和を目指す方法というのは……ごはん配りだ」

クロシュ「ん……!」
424 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 18:18:16.68 ID:v6/B/L000

妖精「……で、考えはまとまった?」

クロシュ「うん! えっと……ロイエ教も、良いと思う……。ごはん、くれる……!」

妖精「うん、まあそうだね……」

クロシュ「でも……ごはんをくれるだけじゃ……隣の人を大事にできても……平和には、ならないかも……」

妖精「そうなの?」

クロシュ「うん……。聖女さん……ごはん、配ってるのに……怒ってる人、いた……」

妖精「そうだね……。ごはんを受け取る側が、平和を求めてない可能性もある。それはごはん配りじゃどうしようもないね」

クロシュ「……でも、デロデロなら……平和に、できる……!」

妖精「……そうなの?」

クロシュ「うん……! 怒ってる人も、怒ってない人も……みんな、一つのデロデロになれば……平和……!」

妖精「ま、まあそうだね……」

クロシュ「だから……今のところ……デロデロの方が、ちょっと、良い……!」

妖精「……シズクみたいに、デロデロと混ざりたくないって子はどうするの?」

クロシュ「!!」ガーン!!

妖精(何も考えてなかったな……)

クロシュ「……え、えと……せ、説得……する……!」

妖精「納得してくれなかったら?」


クロシュ「……」

クロシュ「………」モニョ…

クロシュ「…………」モニョニョ…

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…


イリス「妖精さん……ちょっと今のは酷かったんじゃ……」

妖精「うっ……仕方ないでしょ! クロシュに過激な思想を抱かれても困るし……」

 ☆ロイエ教とデロデロについて考えました

 ◇
425 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 18:44:28.68 ID:v6/B/L000
ミスティ「……」
 氷の短刀「」キラキラ

ミスティ「……」ウーン


デュア「どうしたのだ?」ヌッ

ミスティ「ああ、デュア。今日の昼に会った敵との戦いを思い返していたのだけど……簡単に言えば、遅れを取ったのよ」

デュア「何、そうなのか」

ミスティ「ええ。相手の速さに全く追いつけなかった」


エバンス「ミスティちゃん、それは仕方ないと思うぞ……。あれは小手先の技術で覆せる差じゃない。種族としての絶対的な差ってやつだ」ヌッ

ミスティ「エバンス。でも……例えばセインなら、あの吸血鬼に遅れを取ることもないはずよ」

エバンス「そ、それはそうだが……」

ミスティ「セインは勇者モドキと言われているけれど、分類としては一応人間のはず。なら私にセインと同じ動きができない道理はない……」

エバンス「いやいやいや、落ち着け! 確かに同じ人間かもしれないが、人間の中であっても覆しようのない差ってやつはあるだろ!」

ミスティ「……そうやってどうしようもないと諦め続けたら、何にも勝てなくなってしまうのではないかしら?」

エバンス「うっ……一理ある」


デュア「ふむ……面白い話をしているな。では少々私と剣を交えてみるのはどうだろう?」

ミスティ「あなたと?」

デュア「ああ。いろいろ考えるより体を動かしてみた方が上手くいくかもしれんぞ!」

ミスティ「確かに……。わかったわ、やってみましょう」


 ――模擬戦闘開始 冒険者デュア――


↓1コンマ
01-50 敗北
51-90 勝利
91-00 会心
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 18:47:07.88 ID:dzK9V5dR0
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 18:52:53.55 ID:QuYN1ORfo
流石っすねパーティの近接アタッカーは
ん?
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