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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6
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345 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/20(日) 21:43:28.46 ID:wa8VY9/90
―旅館 雪解け
天狗の郵便屋「お手紙でーす!」バサバサッ
ユキ母「は〜い」トタトタ
ユキ母「ふむふむ……あら、ユキからね。それとこれは……メルルちゃんから?」
手紙「」ペラッ
*
―旅館雪解け 待合室
ミスティ「え、私たち宛に?」
ユキ母「ええ。ユキとメルルちゃんから」
サララ「あ、お姉ちゃんミスティさんたちにもお手紙を出したんですね。私のとこにも、お手紙と砂漠の品物とか写真が届いたんです」
イリス「なるほど……というかメルルさんはなんで私たちが今オノゴロにいるってことを知ってたんだろう? サララちゃんが教えた?」
サララ「いえ、こっちからはまだ手紙を出していませんが……」
ミスティ「開けてみればわかるんじゃないかしら」
ユキの手紙「」ポン
メルルの手紙「」ポン
*
ペラッ
ミスティ「ふむふむ、なるほどね……メルル、今は大魔女帝国に滞在しているみたい」
イリス「そこで知り合ったユキちゃんと、私たちの話で盛り上がって、一緒に手紙を出した……という流れなんだねえ」
サララ「なるほど……お姉ちゃん、旅を満喫してるんだなあ」
↓1コンマ
01-60 冷凍ウチワサボテン
61-90 アロエシャーベット
91-00 冷凍コハクガニ
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/20(日) 21:45:20.45 ID:x/C04xAao
かにこい!
347 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/20(日) 22:09:54.42 ID:wa8VY9/90
冷凍ウチワサボテン「」ポン!
サララ「わ! これは……南国の植物ですか……!?」
イリス「これは砂漠に生えるサボテンって植物だよ!」
ミスティ「瞬間冷凍で綺麗に凍結してある……ユキ、しっかり使いこなしてるわね」
ユキ母「ふふ、あの子も氷属性のことがわかってきたみたいね」
スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ
シズク「んわ〜……! シャキシャキで美味しいです!」モグモグ
イクセ「不思議な食感なのじゃ……!」モグモグ
トキワ「植物なのに、分厚くて、すごい……!」モグモグ
アキト「砂漠か……いつか行ってみたいものでござるなあ」モグモグ
☆みんなで冷凍ウチワサボテンを食べて元気になりました
◇
348 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/20(日) 23:01:35.21 ID:wa8VY9/90
―トウゲン国政区
留置所
鉄柵「」ガシャン
妖精「ここに拘留されてるんだ」
イヨ「はい。裁判で刑が確定するまでは、この留置所に置かれることとなります」
クロシュ「こうりゅう……りゅうちじょ……」
妖精「あー……クロシュは覚える必要ないよ、そういうのは。知ってて得をすることもたぶんないだろうし」
クロシュ「あ、うん」
イヨ「……罪なき市井の民にとっては、一生関わることのない場所ですからね……。本当は、救国の英雄であるクロシュさんに、こんな場所を訪れて欲しくはないのですが……」
クロシュ「え、えと……だめ……?」
イヨ「……いえ、私の我儘です。それに、あの狐はクロシュさんのお陰で首の皮を繋ぎました。クロシュさんには、彼に会う権利が当然にあります」
クロシュ「うん……」
*
―留置所
アウルの独房
イヨ「アウル・フォクシー、面会希望者です」
アウル「あ……?」
クロシュ「……」
妖精「……」
アウル「誰かと思えば……オレを嗤いにでも来たのかい? それとも――セレスティアのように、トドメを刺しに来た?」
妖精「はぁ、そんなことできるわけないでしょ……。私が聞きたいのは、シノホシの目的や状況のこと……。そしてクロシュは――」
クロシュ「……」スッ
油揚げ「」ポン
アウル「…チッ……いらないよ。スライムの薄汚いベトベトが付いた油揚げなんか食えるか」
イヨ「……あなた……っ!」キッ
クロシュ「ん、大丈夫」
イヨ「クロシュさん……!」
アウル「ハハッ、ガキスライムに窘められる公家様とはね! こんな牢獄にも面白い娯楽があったもんだ!」
クロシュ「……この油揚げは……離れ山の、狐さんたちが……アウルさんに届けてって、わたしにお願いしたもの……」
アウル「……は?」
クロシュ「……いらないなら……わたしが、食べる……。あと……あの子たちにも……いらなかったって、伝える……」
アウル「てっテメッ……!」
クロシュ「……」ジッ
アウル「……寄越せ」
クロシュ「!」
油揚げ「」スッ
ガシッ! ガツガツ ムシャムシャ モグモグ
ゴックン!
アウル「……ふん。悪くない味だった……と伝えとけ」
クロシュ「ん……!」ニコニコ
アウル「チッ……」
*
349 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/20(日) 23:02:14.96 ID:wa8VY9/90
アウル「……で、シノホシのことだって?」
妖精「そう。あなたは数少ない構成員の一人でしょ? シノホシは、世界樹の光で何をしようとしているの?」
アウル「……亡国リーリアの復活と……王国への……人間たちへの復讐だ」
妖精「……世界樹の光は巨大な力の塊だけど、過ぎ去った時を戻すような芸当は……5つ全てを集めない限り、不可能だよ。そして今はもう、2つの世界樹の光が星に還ってる……。もう、世界樹の光で失われた国を元に戻すことはできない」
アウル「へえ、5つあれば本当にそんなことができるんだ。てっきりオレは、復活っていうのは新しく国を作り直すことだと思ってたんだけど――」
妖精「まあ1つだけでも莫大な力ではあるから、国を作り直すなら実際にいろんな場面で役に立つとも思うよ。わかりやすい例で言えば、国防とかね」
アウル「ザイルが言ったのは多分そういうことだろ。まあオレもリーリア復活の計画をはっきり聞いたわけじゃないけど」
妖精「でも……星の力が星の内側にない状態が長く続けば、いずれ属性の均衡が崩れて――この星自体が、崩壊することになる。リーリアの元国王であるザイルなら、そんなことくらいわかっているはずだけど」
アウル「……知らないよ。リーリアのない世界なんて崩壊したって構わないとでも思ってるんじゃない?」
妖精「ええ……」
アウル「オレが言えたことじゃないけど、ザイルにもヤケクソ復讐者みたいな面がある。リーリアの復興が叶わないと知れば、世界ごと滅ぼそうとしても不思議じゃないと思うね」
妖精「うへぇ……」
アウル「ま、オレはここでのんびり待つとするさ。オレの死刑執行と、ザイルの世界滅亡――どっちが早いか、見ものだね」
妖精「昨日捕まったばかりのテロリストとは思えない開き直りっぷりだなあ」
アウル「褒め言葉として受け取っておくよ」
↓1〜2 アウルと話すこと
1.シノホシのメンバーについて
2.離れ山の狐について
0.自由安価
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/20(日) 23:04:22.72 ID:LZW/63Rp0
1
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/20(日) 23:04:54.61 ID:PZZ/opzLo
2
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/20(日) 23:05:07.79 ID:ny2FZ79P0
2
353 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/20(日) 23:08:58.63 ID:wa8VY9/90
少し中途半端ですが、本日はここまでとなります。次回はアウルとお話編、フレメアオノゴロに降り立つ編、星の力をちょっと舐めてみよう編です
国家存亡の危機を乗り越え、ひとまずの平穏を取り戻したオノゴロ諸島。クロシュたちは次なる目的地へ向かう為の休息を取りつつ、オノゴロの滞在最終日を過ごしていく
しかしそんな時、オノゴロの地に降り立つは駄狐の逮捕を聞きつけたシノホシの狂い吸血鬼。目的を果たせなかった駄狐に対して、吸血鬼が下す処分の内容は――
それでは本日もありがとうございました。次回は土日です、よろしくお願いいたします
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/21(月) 08:24:59.09 ID:xw8CBu5qo
おつ
やっぱりリュウトウ殿が鬼札だったか
迎えに行きたかったんだけど自由行動争奪戦に間に合わなかったよ…
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/21(月) 09:56:05.49 ID:Pk7hdib9o
おつおつでした
この問題解決後の交流が束の間でも大きな癒し、カタツムリシスターズカワイイですね
フレメアさんが思いの外物騒な襲撃の可能性が示されて震える
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/26(土) 03:50:53.66 ID:EObwVj0i0
乙
次回フレメアが登場するのか芸術都市の後では、アウルの事を結構いじっていたり、part4の
>>145
で一緒にいたりして個人的にアウルとフレメアは仲が良いイメージがある。
357 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 19:34:26.51 ID:AhPNAKwH0
リュウトウ氏は重要人物でしたが、自由行動で接触しないとクロシュ勢力に引き込めない人だったので、難しい問題だったようです
自由安価はすぐに埋まってしまう時もあれば、けっこう長い間埋まらない時もあり、その辺りは
>>1
自身にも予測不可能であります。良い感じに良いやり方があれば良いのですが、なかなか難しいようです
問題解決後は時間に追われることなく交流できるため、ユーシリア編から努力目標達成によって問題解決後の自由行動数を増やす施策を導入いたしました。今のところ特に問題もなさそうなので、この方針は今後も続けていきたいと思います。クロシュ氏もみんなでかたつむりごっこができてご満悦だと思います
フレメア氏は物騒な人物ですが、実際物騒な人物かもしれません。以前の様子ではアウル氏をよくいじっている姿がみられたため、シホノシ構成員の中でもフレメア氏とアウル氏は仲が良い(?)可能性が高いです。しかしフレメア氏は恐ろしい狂い吸血鬼なので、彼女がどのような思考判断を行うかは予測不可能かもしれません。気を付けるのが良いでしょう
・自由行動がすぐに埋まってしまう問題についてのお願い
自由行動安価を取りたくても取れない人がいる場合があるため、自由行動安価を一度取った方は、次の自由行動安価はなるべく取らないようにして頂けると幸いに思います
今後も様子を見つつ進めていきたいと思います。場合によっては通常の連取りに加えて自由行動安価の連取りも禁止するルールを追加することにもなるかもしれません。よろしくお願いいたします
実を言うとそこまで人の多いスレではないと思っていたので少し驚きました。一度取ったら次は譲る、くらいの緩い気持ちで安価を取って頂けたら幸いに思います
358 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 19:35:45.26 ID:AhPNAKwH0
妖精「ザイルが国の復興を目指してるのはわかったけど……レインとフレメアはリーリアの出身じゃないよね? なんであの二人はシノホシに入って活動してるの? あ、レインは人間とか王国への復讐か」
アウル「レインは復讐だろうね。フレメアは……詳しくは知らないけど、ザイルに恩だか貸しだかがあるんだってさ。あのイカれた吸血鬼にそんな義理堅いとこがあるなんて、にわかには信じがたいけどね」
クロシュ「レインさん……この前、わたしたちと一緒に、戦った……」
アウル「浮島国での戦いについてはオレも聞いてるよ。仲良く共闘したそうだね」
クロシュ「うん……。レインさん……良い人、だと思う……」
アウル「あははっ、多くの人間を殺すテロリストのサキュバスが良い人だって? まあスライムにとって悪い人じゃないのは確かだけどね。あの人が狙ってるのは王国に与する者だけみたいだし」
クロシュ「わたし……仲良く、できる……?」
アウル「さあ。見かけは冷酷なテロリストを気取ってるけどあの人けっこうナイーブなとこあるし、もし君たちに情が移ったりしていれば仲良くできないこともないだろうね」
クロシュ「!」
妖精「まあ、できれば戦いたくない相手だもんね」
クロシュ「うん……。フレメアさんも……」
妖精「あー……アウル、フレメアの姉妹喧嘩のことは知ってる?」
アウル「凄く仲が悪いってことくらいなら。何があったかは知らないよ」
妖精「そう……。フレメア、妹のことについて何か言ってた?」
アウル「悪口ならしょっちゅう言ってた。バイオレット家の後継者争いとかで何かあったんじゃないかな?」
妖精「うーん……血筋にまつわる争いって理解しがたい……」
アウル「自然の中からボウフラみたいに勝手に湧いてくる妖精には理解できないだろうね」
妖精「ボウフラは勝手に湧かないし、妖精だって勝手に湧くわけじゃないの。あなた、ちょっと他の種族に対する敬意ってもんが足りてないんじゃないの」
アウル「ごめんごめん、悪かったよ」
妖精「全く……あなた、狐以外は全部嫌いなの?」
アウル「そんなことないよ。嫌いなのは人間だけさ」
*
クロシュ「じゃあ……狐さんたちのことは……好き……?」
アウル「……そんなことを聞いてどうするんだい?」
クロシュ「……えっと………よ、妖精さん……どうすれば、良い……?」
妖精「え、私!? え、ええと……どうもしないよ! ただ、アウルが離れ山の狐たちのことを好きかどうか知りたいだけ。深い意味はない……と思う。そうだよね? クロシュ」
クロシュ「う、うん。そう。たぶん」
アウル「はあ……こんなにとぼけた奴らにやられただなんてね……。まあいいや。離れ山の狐たちのことは、もちろん嫌ってなんかいないよ。銀狐ではないけれど、あの地に住まう狐という意味では親戚みたいなものさ」
クロシュ「わあ……」
アウル「質問への回答はこれで良いかい?」
クロシュ「うん……! えっとね……狐さんたち……いつか、アウルさんみたいに、格好良く変化できるようになったら……今度は自分たちで、油揚げを持っていきたいって……言ってた……!」
アウル「……へえ。そうなんだ……」
クロシュ「うん……!」
妖精「ふふ、刑の執行と世界滅亡の他に、もう一つ楽しみが増えたんじゃない?」
アウル「……別に。好きにすれば良いさ」
◇
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/26(土) 19:36:02.98 ID:ScpGv/+Oo
了解
360 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 19:36:35.96 ID:AhPNAKwH0
妖精「聞きたいことは大体聞けたかな?」
クロシュ「うん」
イヨ「それでは面会を終わりに――」
ドッガァァァァンッ!!!!
イヨ「きゃあっ!!?」
妖精「わああ!!?」
クロシュ「!!?」
アウル「!?」
穴の空いた天井「」パラパラ…
スタッ
フレメア「……」ヌッ
アウル「……フレメア!?」
妖精「!?」
クロシュ「!!」
イヨ「えっ……!?」
フレメア「あ、アウル。本当に捕まってたんだ」スタスタ
アウル「……なんだよ。嗤いにでも来たのか?」
フレメア「大正解! 人間たちに捕まってお仕置きされちゃう哀れな駄狐を嗤いに来てあげたの!」ケラケラ
アウル「……」
フレメア「それとも――うふふふ、助けて欲しい? ねえ、助けて欲しい?」ニコニコ
アウル「………いや……」
フレメア「え、じゃあそのまま無様に人間たちに殺されたいってこと!?」
アウル「そういうわけじゃねえよ」
フレメア「ふうん……アウルの復讐心なんてその程度のものだったんだね。まあ駄狐らしいっちゃ駄狐らしいか」
アウル「こいつ……」
フレメア「まあいっか、ザイルには駄狐は人間に断罪されることを望んでたって伝えてあげよ」
アウル「あのな……オレは別に――」
フレメア「じゃ、死んでくれる? 復讐も果たせずに腑抜けて、本当の駄狐になっちゃったアウルなんてつまんないし」ズオッ
アウル「ッ!!」
ガギンッ!!
吸血鬼の爪「」ギギギ
メイドブレード「」ギギギ
メイドクロシュ「……!」ググ
フレメア「……ん? あんたは……あの時のスライム……!」
ギンッ!
361 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 19:37:19.79 ID:AhPNAKwH0
ギンッ!
メイドクロシュ「っ!」ズザザッ
フレメア「あっは! レインの言った通りだ! ほんとに見違えた!」シュタッ
メイドクロシュ「……」ジリ
フレメア「でもなんでアウルを庇うの?」
メイドクロシュ「アウルさんは……狐さんたちのこと、好きだから……!」
フレメア「……? 意味がちょっとよくわからないけど……」
妖精「アウルが死ぬと、悲しむ者たちがいるの!! だからクロシュは――」
フレメア「……悲しむ者……? あはっ、冗談でしょ? こんなやさぐれ駄狐が死んで悲しむ奴なんて――」
イヨ「……嘘ではありません。アウルは重罪人ですが、彼を慕う狐たちがいることは事実です」
フレメア「……」
アウル「……」
フレメア「……あんた、天涯孤独じゃなかったの?」
アウル「天涯孤独だよ。オレが死んであいつらが悲しむなんてのも……大げさだ」
フレメア「……」
フレメア「……つまんな。帰る」
シュバッ ビュンッ―
クロシュ「……!」
妖精「開けた天井から帰ってった……」
イヨ「……はあ、良かった……」
天井の穴「」パラパラ…
イヨ「……いや、全然良くない! 大穴を開けるだけ開けて帰るなんて!!」プンスコ
アウル「……」
◆
362 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 20:06:19.75 ID:AhPNAKwH0
―旅館雪解け 客室
イリス「ええっアウル・フォクシーとの面会中にフレメアさんが襲ってきた!?」
クロシュ「うん……。でも……急に、帰っちゃった……」
ミスティ「急に帰った……? なんでかしら?」
クロシュ「えっと……アウルさんが好きな狐さんのお話……聞いたから……?」
妖精「タイミング的にはそう。どういう気持ちだったかはよくわかんないけど……」
イリス「愛する者がいるアウル・フォクシーの命は奪えない――そう思ったのでは!?」
ミスティ「……妖精はどう思う?」
妖精「え、うーん……フレメアってそんな奴なのかなあ……」
◇
―夕方
旅館雪解け 脱衣所
蒼き星の杖・水「」ポワポワ
シズク『わあぁ……!』モニョモニョ
スライムクロシュ『お水……ぽわぽわ……』モニョモニョ
スライムクロシュ(イリスさんたちは……今、お風呂に入ってる……)
スライムクロシュ(わたしもこれから入ろうと思ってたら……シズクちゃんが、イリスさんの杖を見て、モニョモニョしてるのを見つけた……)
スライムクロシュ(シズクちゃんは水属性のスライムだから……水属性の世界樹の光が、きらきらに見えるのかも……)
シズク『こ、これ舐めても良いかなあ? だめかなあ?』モニョモニョ
スライムクロシュ『え、えっと……ちょっとなら……いいと思う……!』モニョモニョ
シズク『じゃ、じゃあちょっとだけ……や、やっぱりだめだよぉ! イリスさんは大切なお客さまで、わたしはここの従業員なんだもん……! お客さまのものを勝手に舐めたら、悪いスライムになっちゃう……!』モニョモニョ
スライムクロシュ『そうなの?』モニョニョ
シズク『そうなの!』モニョ!
スライムクロシュ『!』ピコン!
シズク『?』モニョニョ
スライムクロシュ『じゃあ……わたしは、従業員じゃないから……舐めても、悪いスライムに、ならない……!』モニョモニョ
シズク『わ、わわ……!?』モニャニャ
スライムクロシュ『わたし、代わりに……ぺろぺろ、する……!!』モニョニョ!
シズク『んわわ〜!?』モニャニャ
スライムクロシュ『〜〜』モニョニョ
蒼き星の杖・水『』ポワポワ
モニョニョ… モニョモニョ…
↓1コンマ
01-10 カナヅチスライム
11-70 溺れそうになった
71-90 取り込んだ
91-00 ??
363 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/26(土) 20:08:43.07 ID:eRBJPOt3O
あ
364 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 20:39:46.08 ID:AhPNAKwH0
蒼き星の杖・水「」ポワポワ
スライムクロシュ『〜〜』モニョモニョ
◇
ザァーン… ザザァーン…
スライムクロシュ『…?』モニョニョ
海のうねり「」ゴオオオオ―
スライムクロシュ『…!!?』モニャニャ!?
おおきな海のうねり「」ゴオオオオ――
スライムクロシュ『〜!!?』モニャニャニャ!?
ブクブク…
溺れスライムクロシュ『』モニョニョ…ブクブク…
シズク『クロシュちゃん、クロシュちゃん!! わたしの欠片、つかって!! おねがい、わたしの欠片を……!!』モニャニャ
スライムクロシュ『!』モニョッ!
デロデロ…モニョモニョ…ポン!
水スライムクロシュ『〜〜!』モニョニョ プルルン
おおきな海のうねり「」ゴオオオ――
水スライムクロシュ『〜〜』モニョニョ スイスイ
スイスイスイ…
◇
水スライムクロシュ『……!』モニョッ!
シズク『クロシュひゃん!! よ、よがっだぁああ……目がさめでぇ……』デロデロ…ポロポロ…
水スライムクロシュ『えっと……』モニョニョ
妖精「クロシュ……」ヌッ
水スライムクロシュ『わ……よ、妖精さん……?』
妖精『なんてバカなことをしてるの!!! そこに直れ、大バカスライム!!!』
水スライムクロシュ『んわわ……!!』モニャニャ
*
妖精「――!」クドクド
スライムクロシュ「」デロデロ…
シズク「」デロデロ…
エバンス「……何をしているんだ? あれは」
ローガン「イリスくんが入浴している間に、クロシュくんが蒼き星の杖に宿った星の力を舐めてみたのだそうだ」
エバンス「え、ええ……」
ローガン「そうしたらクロシュくんが意識不明になり、シズクくんが泣きながらクロシュくんに何事かを呼びかけている姿が発見された……ということらしい」
エバンス「そ、そうなのか」
ローガン「うむ……」
妖精「――!」クドクド
スライムクロシュ「」デロデロ…
シズク「」デロデロ…
エバンス「……なんというか、最近のクロシュちゃんは遠慮がなくなってきたよな。もちろん良い意味でさ」
ローガン「そうだな……。以前はどこか人の顔色を伺っているかのような様子があった。我々に対しても、一歩引いていたり」
エバンス「ああ。前のクロシュちゃんだったら、イリスちゃんの杖を勝手に舐めたりとかはしなかったと思うぜ。多分」
ローガン「ああ。クロシュくんがそれだけ安心できる場所になれた――ということでもあるのだろう」
365 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 22:43:06.84 ID:AhPNAKwH0
―クロシュの夢
集落の診療所
アリシラ「……」ドキドキ
クロシュ「……」ドキドキ
夢の女神「随分待たせちゃってごめんね。引っ越しの準備が整ったから、今夜始めるよ。二人とも、準備は良い?」
アリシラ「うん……! えっと、何をすれば良いの?」
夢の女神「ここのベッドに横になっていてくれれば、後は私とヴァンが全部やるから大丈夫」
ヴァン「今日は女神の騎士ではなく、女神の助手を務めさせて頂くヴァンです! よろしく!」
クロシュ「ん……!」
フメイ「……がんばって……っていうのも、おかしい……? えっと……」
夢の女神「フメイちゃんは、二人のそばで見守っていてあげて。フメイちゃんがいてくれれば、二人ともきっと安心できるから」
フメイ「……わかった」
◇
アリシラ「……」
クロシュ「……」
夢の女神「一人づつ……ゆっくり、慎重に――」
ポン!
集落のスライム「?」モニョッ
フメイ「スライム!」バッ
集落のスライム「〜〜!」モニョモニョ
◇
ポン! ポン! ポン! ポン!
集落の子供「あえ?」ポン!
若者「お? ここは……診療所?」ポン!
老婆「ありゃあ……あたしゃボケちまったんかねえ」ポン!
魔族の医者「む……これは一体」ポン!
ポン! ポン!
アリシラ父「ここは……?」
アリシラ母「……アリシラ?」
アリシラ「お父さん、お母さん……!」
夢の女神「ふう……引っ越しは無事完了しました。念の為、説明を――」
アリシラ「……女神さん。あの……」
夢の女神「……はい、わかっております」
◇
366 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 22:43:36.04 ID:AhPNAKwH0
夢の女神「――というわけで、皆さんの魂をアリシラさんの心からクロシュちゃんの心へと引っ越させていただきました」
アリシラ母「アリシラから、クロシュちゃんに……!?」
アリシラ父「それは、しかし……私たちは、アリシラの中でも――」
夢の女神「アリシラさんの――人の心は、他者の魂をそのままの形で存続させられるようにはできていないのです。皆さんの魂をこれからも保ち続けるには、クロシュちゃんの心に引っ越して頂く他なく……」
アリシラ「お父さん、お母さん……。このことを女神さまにお願いしたのは、私自身なの。私の心の中にいたら、みんな、いつ消えちゃうかわからなかったから……。クロシュちゃんの中なら――きっとみんな、これからもずっと――平和で、しあわせにいられるの」
アリシラ母「アリシラ……」
アリシラ父「……女神様。私をアリシラの心へ戻すことは可能ですか?」
アリシラ「ちょ、お父さん……!?」
夢の女神「……はい。しかし先ほども申し上げました通り、アリシラさんの心にいれば――いつか必ず、その魂は溶け――アリシラさんのお父様という自我は、永遠に失われてしまいます。アリシラさんはそれを厭い――」
アリシラ父「構いません。例え溶けることになるとしても――私は、アリシラの父です。寂しがる娘のそばを離れるわけには、いきません」
アリシラ母「女神様、私からもお願い致します。私たちを、アリシラに戻してくださいませんか。アリシラを一人ぼっちにさせたくないのです……」
夢の女神「え、ええと……」オロオロ
アリシラ「……やめてってば! 女神様も困ってるでしょ! 私は……一人で大丈夫なの! 一人がいいの!! もう誰も……いらないの!!!」
アリシラ母「アリシラ……」
アリシラ「それじゃ、さよなら! みんな元気でね! クロシュちゃんに迷惑かけちゃだめだからね!」タッ
アリシラ父「アリシラ!」
扉「」バァン!
ヴァン「外に!」バッ
夢の女神「待って! アリシラさんは、もうこの夢には――」
フメイ「ひゃ、うっ……!!?」ドサッ
クロシュ「フメイちゃん!?」バッ
魔族の医者「……!? フメイの中にある大きな魔力が、この世界の外側へ吸い出されている!」
夢の女神「まさか……!? クロシュちゃん!」
クロシュ「うん!」
◆
367 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 22:45:44.41 ID:AhPNAKwH0
―深夜
雪解け 客室
フメイ「あ、うああ……!」ジタバタ
アリシラ「……」ギュオオオオ―
クロシュ「アリシラさん!」ガバッ!
アリシラ「……クロシュちゃん。さっきまで夢の世界にいたのに、もう起きれたの? 凄いね」ギュオオオ
クロシュ「なん、で……」
アリシラ「……ごめんね。フメイちゃんをいじめたかったわけじゃないの。でも――これ以上、フメイちゃんを連れ回すわけにも、いかないから」ギュオオオ
クロシュ「……??」
アリシラ「……この先には、誰も連れていけない。私一人で、いいの」ギュオオオッ!!
星の力・炎「」ゴゴゴゴ―
クロシュ「……!!」
アリシラ「ごめんね。ありがとう。ごめんね」ゴゴゴゴ―
カッ!!
ボガンッ!!!!
吹っ飛んでいくクロシュ「んわぁ〜〜………!!!」ポヒュゥゥゥゥン…
フメイ「……アリ、シラ……!!」グググ
アリシラ「フメイちゃん……。大丈夫、クロシュちゃんは傷付けてないよ。星の力の制御ならもう完璧だもの」
フメイ「……これから……どうするの……。ほんとに……一人で、行くの……?」
アリシラ「そうだよ。フメイちゃんは、クロシュちゃんと一緒が良いでしょ? 安心して。もう無理に巻き込まないから」
フメイ「……」
アリシラ「大丈夫。あの集落の付近には、何もしないって誓うよ。だから……クロシュちゃんと二人で、あの集落にいて。そうすれば――」
フメイ「……フメイも、一緒に行く」
アリシラ「……えっ?」
フメイ「……この旅は……アリシラだけじゃなくて、フメイも一緒に始めたこと……。だから……最期まで、付き合う……」
アリシラ「……無理しなくたって、良いのに。今だって、吹っ飛んだクロシュちゃんを助けに行きたくて仕方がないでしょ?」
フメイ「……クロシュはもう……フメイが守らなくても、大丈夫。一人でも強いし……まあまあな仲間もいる。でも……アリシラは、大丈夫じゃない。仲間もいない」
アリシラ「……」
フメイ「………だめって言っても、ついてく。王国を焼き払うなら、フメイも一緒に焼く。それくらいの恨みは、まだあるもん」
アリシラ「……ふふ……ふふふふ、わかったよ! それじゃあ一緒に焼こう、フメイちゃん!!!!」ジワワ
フメイ「ん」
ボンッ!!
フメイ(クロシュ……ごめんね。きっと……アリシラを、連れて帰るから)
◆
368 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/26(土) 22:46:44.75 ID:AhPNAKwH0
―翌朝
旅館雪解け 客室
スライムクロシュ「」デロロ…
エバンス「だめだ、どこにもいねえ……!」
イリス「……フメイちゃんの移動速度から考えれば、もうオノゴロを離脱していてもおかしくない……」
妖精「まさかアリシラがフメイから星の力を吸い出して持ち逃げするなんて……。ちょっと頭が痛い……」フラフラ
ミスティ「……でも、フメイも一緒に行くのならわざわざ星の力を吸い出す必要なんてなかったんじゃないかしら。一体なぜ……」
風の精霊『クロシュちゃん宛にお手紙だよ〜』ヒュルヒュル
妖精「手紙……? 誰から?」
風の精霊『フメイちゃんから!』
スライムクロシュ「!!」モニョニョ
妖精「なんだって!」
風の精霊『はい、どうぞ!』スッ
少し焦げた手紙「」ポン
ペラッ
手紙『アリシラをひとりぼっちにできなかった。ごめん。ぜんぶおわったらみんなでいっしょにかえろう』
スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョニョ
妖精「なるほど……そういうことか」
イリス「これで一安心……と言いたいとこだけど、アリシラさんがまた何か企んでるってことだよねこれ……!」
ローガン「なかなか上手く進まぬものだな……」
☆アリシラの心の住人がクロシュの心に引っ越しました
・アリシラがフメイの星の力・炎を吸収しました
・フメイ&アリシラがパーティを離れました
◆
369 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 00:33:08.70 ID:WhTzHwps0
―オノゴロ本港
ザァーン… ザザァーン…
イヨ「なんと、昨晩そのようなことが……」
妖精「うん。ドタバタして悪いけど、私たちも急がないといけなくなっちゃった」
アキト「ぬう、あのアリシラが……。もし分身できたら、拙者も助太刀に推参致すところでござるが……すまぬ、拙者は分身できぬ身でござる……」
イリス「あはは、大丈夫です! アキトさんはアキトさんのすべきことを!」
トキワ「クロシュちゃんのお陰で……わたし最近、体の調子が凄く良いんだ。本当に……本当に、来てくれて、ありがとう……! またいつか、オノゴロに来てね……! わたし……雪解けの見習いとして、働いてるから……!」
シズク「見習い期間は短いから、次にクロシュちゃんたちが来る頃にはトキワちゃんは正式な従業員になってるかも! また泊まりに来てね、クロシュちゃん!」
ユキ母「トキワちゃんの魔法のことなら心配しないで。下手に乱用しないよう私たちがしっかり見てるから」
サララ「一つ目小僧のおめめで私もしっかり見張ってるから安心してね。もうトキワちゃんをつらい目にはあわせないよ……!」
トキワ「うっ……わ、わたしも皆さんに心配をおかけしないよう、気を付けます……。でもいつか……不死鳥のクロシュちゃんみたいに、素敵な使い方が見つけられるように、がんばるよ……!」
クロシュ「うん……!」
イクセ「……クロシュ……わらわ、おぬしが心配じゃ……。何かわらわにできることはないか……?」
クロシュ「……えっと、それじゃあ……みんなが、しあわせに生きられるように、って……お祈り……」
イクセ「お祈り……! わらわ、元姫巫女なのできっと得意じゃ! 絶対、絶対みんなしあわせになるよう、お祈り、する!」
クロシュ「わあ……!」
トキワ「イクセちゃんの口調、すっかりわらわじゃになっちゃった」
アキト「初めはギョッとしたが、最近はむしろこの口調でないとしっくり来ないでござる」
ユキ母「それにしても凄かったわ、ミスティちゃんの氷魔法……。人の身でありながら、平均的な雪女よりも氷魔法を使いこなしているんだもの」
ミスティ「そうなのですか……?」
ユキ母「そうよ? たぶん人間の中でも最高水準に近いところにいるのではないかしら?」
ミスティ「あんまり、自分では実感できませんが……。でもその力で、大切な人たちを守れるなら……悪くないですね」
ユキ母「ふふ……人間のままにしておくのが勿体ないくらい……。あなたもまたいつか、雪解けに泊まりに来てね」
370 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 00:33:35.57 ID:WhTzHwps0
リュウトウ「……もう行ってしまわれるのですね」
ローガン「うむ……。貴殿とは港で少し刃を交えただけだが……凄まじい太刀筋と気迫であった。その歳で見事なものだ」
リュウトウ「しかし、結果として私はこの国を守れなかった。どれほど鋭い刃でも、敵を違えればナマクラにすら劣ります」
ローガン「……少し自分に厳しすぎるのではないか? 私が貴殿と同じくらいの頃は、失敗したら全て周りに責任転嫁していたぞ」
リュウトウ「ええ……?」
イヨ「……全て責任転嫁しろとまでは言いませんが、リュウトウは実際自分に厳しすぎます。少しは肩の力を抜いて」
リュウトウ「……しかし、性分は簡単に変えられません」
イヨ「うーん……あ、リュウトウ。あれを見てください」
リュウトウ「え?」
クロシュツムリ「〜〜♪」モニョモニョ モゾモゾ
イクセツムリ「わらわつむりじゃ〜!」モゾモゾ
トキワツムリ「わわ、イクセちゃん腕を上げた……!?」モゾモゾ
アキトツムリ「拙者も負けられないでござる……!」モゾモゾ
イヨ「あれが、救国の英雄と、国を揺るがした元姫巫女の現在の姿です」
リュウトウ「あ、ああ……」
イヨ「責任を感じるのも結構なことですが、あなたもかたつむりになってきてはどうでしょうか? いつもと違った景色が見れるかもしれませんよ」
リュウトウ「……」
リュウトウツムリ「リュウトウツムリ、いざ参る!」シュバッ モゾゾゾ
*
ワイワイ キャッキャ モニョモニョ モゾモゾ
イヨ「……」クスッ
妖精「全くもう、クロシュのトンチンカンな遊びが広まっちゃうなんて……。悪いね、イヨ」
イヨ「いえ……むしろ、感謝しています。遊んででもいないと、みんないろいろ考えすぎてしまいますから」
エバンス「オノゴロ人はみんな真面目だからなあ」
イヨ「はい……。オノゴロの人は他国の人よりも真面目で勤勉……という話を聞いたことがあります」
イリス「私も聞いたことあります。実際そうなんですねえ」
イヨ「……またいつか、皆さんでオノゴロに遊びに来てくださいね。今度は、外国のお話をゆっくりお聞きしたいです。私……オノゴロから外に出たことがないので……」
イリス「そうだったんですか! それならもっと早くに言ってくれれば……いや、実際今まではゆっくりお話してる暇もありませんでしたもんね」
イヨ「はい。だから……またいつか……。いえ、私の方から皆さんの国へお邪魔しても良いのでしょうか?」
妖精「緑の国は今鎖国中だけど……王国との外交問題が解決すれば鎖国も解除できるから、その時なら歓迎するよ」
イリス「私の母国は……オノゴロからはちょっと遠いので、もし来るなら大陸横断くらいの覚悟がいるかもです!」
エバンス「俺の出身は王国だが……まあ技術力とか人口は世界最高レベルだぞ。人間以外への排他性もな!」
イヨ「ふふ……いろいろな問題が片付いて長期休暇を頂けたら、皆さんの国に遊びに行きたいです」
◆
371 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 00:34:01.52 ID:WhTzHwps0
―オノゴロ本港
風船気球クロシュ「〜〜」モニョモニョ フヨフヨ
イクセ「またなのじゃ〜!」パタパタ
シズク「クロシュちゃんまたね〜!」モニョモニョ
トキワ「クロシュちゃん……ほんとに、ほんとに、ありがとう……!」
サララ「どうかお元気で〜!」
ユキ母「体に気を付けてね〜!」
イヨ「ありがとう、ございました! またいつか……!」
アキト「お主たちとの日々、決して忘れぬ……! また会おう!」
リュウトウ「……この恩は、いつか必ず……!」
――オノゴロ諸島編 完
372 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 00:34:30.92 ID:WhTzHwps0
クリアボーナス
↓1コンマ
01-60 運命賽
61-90 ↑+ヒヒイロカネ
91-00 ↑+会心賽
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 00:35:53.62 ID:sw0omZmqO
はい
374 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 00:52:40.84 ID:WhTzHwps0
運命賽と希少金属ヒヒイロカネの獲得が決定したところで本日はここまでとなります
オノゴロの闇を祓い、一行は風に乗って次の道へ。
幼巫女の悲しみを打ち払い、狐の憎しみを投げ飛ばし。オノゴロに戻る平穏と安らぎ。
育まれた友情と絆は、そっと胸の奥に。
交わり、そしてまた離れた親友と、次こそはと共に帰る日を夢見て。
気球スライムは、風の速さで空をゆく――
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 03:43:35.72 ID:5wsiSHeJo
おつでした
シノクニもなんやかんや険悪ではないよな
アリシラさんの決意は固いか…あれこれ、アリシラさんもフメイ式ジェット移動体得?
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 12:08:33.30 ID:9EHEWLojO
乙
ここに来てクロシュちゃん素でカナヅチだった説出てきたな…
377 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 18:11:46.42 ID:WhTzHwps0
シノホシの方々には、話せばわかる人もいたりいなかったりするのかもしれません。アウル氏の今後がどのようなものになるかは未知数です
アリシラ氏の決意はとても強いもののようです。実際のところどのようにするのが正解なのかは、今のところ誰にもわからないのかもしれません。そしてアリシラ氏は星の力を完全に制御したと自称しているため、たぶんジェット移動を行うことができます
クロシュちゃんは水の力に触れてブクブクと溺れてしまったようです。フメイちゃんに擬態しているわけでもないのにブクブクしてしまったので、実際素でカナヅチの可能性があります。自分のカナヅチをフメイちゃんのせいにする悪いスライムかもしれません
*
また、前回のコンマによって運命賽の数量が7になりました
運命賽5つを会心賽1つに変換することができます。なお変換すると運命賽の所持数は2つになります
↓1〜 先取3票(この安価は物語と無関係なので連取り対象外)
1.運命賽5つを会心賽1つに変換する
2.変換しない
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 18:18:03.06 ID:K/qoHdwk0
1
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 18:18:19.07 ID:zdeQIWcfo
1
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 18:18:36.07 ID:YXDT2joDO
1
381 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 18:46:33.87 ID:WhTzHwps0
―セイントレア王国 国境付近
風船気球クロシュ「」フヨフヨ
スイー… ポフッ
ポン!
スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ
ミスティ「お疲れ様、クロシュ。ここからはソリ移動ね」
妖精「うん。風船気球の姿で王国内を移動するのはちょっと危ないからね」
ローガン「うむ……王国の兵士は手練れが多い。上空を飛ぶ風船気球を狙い撃てる射手がいてもおかしくはないだろう、用心に越したことはない」
エバンス「行き先は王都セイントレアだっけか?」
妖精「うん」
ミスティ「首都の名前が国と同じなのね」
イリス「確か王都セイントレアの中にセクリエ・ロイエ市国があるんだよね?」
妖精「そうらしい……。私は行ったことないけど」
ローガン「まあ、熱心な信徒でもなければ行く必要も機会もないだろう。しかし今回は――」
妖精「……うん。もし世界樹の光を奪ったのが原理派なら、奪い返さなきゃならない」
エバンス「ロイエ教の総本山にカチコミか……へへ、想像したこともないヤバイ仕事だぜ」
妖精「ま、まあまだカチコミすると決まったわけじゃないから。まずは王都で光の行方を探らないとね。世界樹の精霊によれば王都の辺りにあるのは間違いないみたいだから」
☆次の行き先が王都セイントレアに決まりました
*
382 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 18:47:43.27 ID:WhTzHwps0
―セイントレア平原 1日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖 防:竜のエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*7 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*0 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*1 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 闇の欠片 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中 フリルワンピ水着 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 フメイとアリシラの人形
魔導飯盒 ガラスのザリガニ メルルの帽子
妨害魔力波発生装置 踊り子の双剣 溶岩石のアミュレット
属性大全 サボテンドラゴンの花 太陽のメダリオン
魔王図鑑 精霊のローブ 暗黒優待券
氷精の魔導書 精霊樹の杖[改] 冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3 大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1 かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1 大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」 風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め ラティア勲章
日蝕の傘 ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・アリシラの夢引っ越し[3/4]
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
◯経験値
・クロシュ 剣技[01/07] 魔法[01/07] 防御[00/07]
・イリス 杖術[02/04] 魔法[12/16]
・ミスティ 剣技[02/07] 魔法[09/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[05/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[04/08]
……………………………………………………………………………………
383 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 18:48:51.49 ID:WhTzHwps0
―セイントレア平原 1日目 持久力[10/10]
強化ソリ「」シャーッ
イリス「……う〜ん、この大陸の大地! 風! ちょっと懐かしい!」
ミスティ「風にも匂いがあるのよね。オノゴロにはオノゴロの、中央大陸には中央大陸の……」
妖精「お、人間にもわかるんだねえそういうの」
エバンス「長期間離れてるとけっこう感じたりするな、俺も。やっぱり妖精はそういうの敏感なのか?」
妖精「そりゃまあ人間よりはね」
*
スライムクロシュ「……?」モニョ
赤金色の延べ棒「」ポン
イリス「あ、クロシュちゃんその延べ棒が気になる? それはね……イヨさんから貰った、オノゴロ諸島に伝わる希少金属のヒヒイロカネだよ!」
スライムクロシュ「!」モニョニョ
エバンス「イヨちゃんも太っ腹だよな。ヒヒイロカネのインゴットをまるまる一つくれるなんてよ」
ミスティ「ヒヒイロカネってそんなに凄いの?」
ローガン「うむ。オリハルコンやステライトにも劣らぬ偉大な希少金属の一つだ。オノゴロに伝わる太陽神アマテラスの神器、アマノムラクモもヒヒイロカネで造られたものと言われている」
ミスティ「え、本当!? 凄いじゃない……」
妖精「まあ、問題は……これを加工するアテがないってことなんだけどね」
エバンス「そうだな……。売るにはあまりにももったいなさすぎるし、ひとまず荷物に入れておこう」
スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ
*
ガサゴソ
イリス「……ん?」
石の賽「」コロン
石の賽「」コロン
白い賽「」コロン
ミスティ「あ、白い立方体」
イリス「うん。最近は石の方がいっぱい増えてきてたんだけど、なんか急に減って……白い方がまた1つ出てきたみたい」
妖精「白い方の立方体は前にも1つあったけどいつの間にかなくなってたんだよね。一体どういうカラクリなのか……」
エバンス「妖精にわからないんじゃ俺たちには絶対わからないぞ……」
イリス「ですね……。まあとりあえずお守りとして荷物に入れておきましょう」
ローガン「そうだな。前回の温泉街の戦いも、前日にクロシュくんがこの石? から声を聞いたと言うし」
クロシュ「うん」
クロシュ(……あの声……誰の声だったのかな……? 聞いたこと……あるような、気がするけど……)
☆ヒヒイロカネを1ついただきました
☆運命賽5つが会心賽1つに変化しました
↓1コンマ 遭遇イベント
01-32 なし
33-36 ブラッド
37-40 レイン
41-44 ザイル
45-56 黒髪の無愛想な青年
57-68 デュア
69-80 メルル
81-92 リュアン
93-96 レイ
97-00 セイン
↓2〜3コンマ ランダムイベント
01-10 強敵
11-25 敵襲
26-50 食料発見(コンマ)
51-75 場所発見(コンマ)
76-00 良いこと(自由安価)
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 18:49:34.62 ID:ItRvK8tn0
あ
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 18:50:22.08 ID:8jE3O0opO
あ
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 19:03:06.96 ID:tuM9KHzWO
ろ
387 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 19:28:30.98 ID:WhTzHwps0
デュアさんと強い敵の気配があります
そして良いことがありました
↓1 自由安価 起こった良いこと
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 19:28:56.74 ID:K/qoHdwk0
フラナパティマリッサから支援物資がとどく
389 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 19:48:14.02 ID:WhTzHwps0
強化ソリ「」シャーッ
血分身フラナ「久しぶりね」シュタッ
スライムクロシュ「!」モニョ!
妖精「うわあ!」
イリス「分身のフラナ先生!」
血分身フラナ「決戦の時は近いわ。あなたたちも鍛錬を怠らないようにしなさい」
エバンス「決戦ってどの決戦のことだ……?」
血分身フラナ「もちろん、私と愚妹の決戦よ」
イリス「えっ……そ、そうなんですか……!?」
血分身フラナ「奴のアジトは既にかなり絞り込めている。あとはこの分身で居城を突き止め、誅罰を下すだけ」
イリス「え、ええっと……その、姉妹で殺し合いというのは……」
血分身フラナ「心配無用よ。死ぬのはフレメア一人」
イリス「……」
血分身フラナ「そういうわけでこれを受け取りなさい」スッ
↓1コンマ
01-40 ナイフ
41-70 聖水
71-90 十字架
91-00 懐中時計
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 19:58:19.09 ID:zdeQIWcfo
あ
391 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 21:14:33.07 ID:WhTzHwps0
銀のナイフ「」ポン
イリス「これは……?」
血分身フラナ「銀製のナイフよ。マリッサの光属性付与とパティの栽培したニンニクの練り込みによって吸血鬼に対する殺傷力を高めてあるわ」
イリス「え、ええ……!? そ、そんなものをどうして私に……!?」
血分身フラナ「もしフレメアに襲われることがあればそれで自衛しなさい」
イリス「は、はあ……わかりました」
☆銀のナイフを手に入れました
*
血分身フラナ「では私は奴のアジト捜索に――」
ヒュンッ!
ドガァンッ!!
爆発する血分身「」ブシャァッ!!
イリス「わああっ!!?」
ミスティ「っ!? な、なにが……!!」ググッ
ローガン「今のは――」
日傘「」クルッ
フレメア「よわ……。あんなもん作って何がしたいんだか、あいつ」スタスタ
妖精「フレメア……!!」
フレメア「お久しぶり……てほどでもないか。あんたとスライムにはこの間オノゴロで会ったばかりだもんね」
*
ヒュオオオオオ――…
フレメア「あんたたちの中に、フラナの教え子だかなんだかがいるんだって?」
イリス「え、えと……私、ですか?」
フレメア「ふうん……やっぱりあんたがその身の程知らずね。まあいいよ、私は寛大だから許してやる」
イリス「ええと……」
フレメア「でもそれはそれとして、あんたたちは私たちの仲間を二人もやってくれたんだよね。だからさァ……」ニヤ
イリス「……!」
フレメア「殺るしかないよね? しかも前よりも随分美味しくなったみたいだもの!」バサッ!
イリス「!!」
戦いは避けられそうにない!
↓1〜 先取2票
1.このまま戦う!
2.戦う前に一杯やるのを提案する(ブラッドワイン*2、マッスルワイン*1を消費)
3.一杯やるのを提案して一服盛る(吸血鬼殺ワイン*1消費)
0.自由安価(票数は内容ごと)
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 21:22:00.18 ID:g2NZtH6gO
むしろ完膚なきまでボコボコにして屈服させればよいのでば?
というわけで1
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 21:23:36.90 ID:TZYMGhsUo
万が一勝てたときフラナ先生との確執が全部解決しなさそう(強欲)なので
2
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 21:25:28.84 ID:u9/L/hD1o
3
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 21:35:08.99 ID:8jE3O0opO
0迷彩魔法をフル活用してさっきのナイフでブスリ
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 21:43:29.50 ID:EbvU6dmeO
2
397 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 22:34:13.86 ID:WhTzHwps0
イリス「――その前に!」
ブラッドワイン「」ドン!
イリス「い……一杯、どうですか!」
フレメア「あの時のワインか……まあ味はそこまで悪くなかったし、貰ってあげる」
イリス「……私たちも、飲もう!」
ミスティ「ええ、そうね……」
ローガン「私とエバンスくんはマッスルワインを飲むか」
エバンス「おう、わかったぜ……!」
妖精「クロシュは……両方を少しづつもらったら?」
クロシュ「うん」
*
ゴクゴク… グビグビ… ゴキュゴキュ…
ワイン瓶「」ゴトン…
フレメア「ふう……。言っとくけど手加減とかはしてやらないからね?」
イリス「望むところです……! 私たちも、全力であなたを止めます!」
ミスティ「……魔力がみなぎるわ……フラナさんのワイン、やはり効くわね……」
ローガン「だがそれは相手も同じだ。むしろ吸血鬼の彼女の方がブラッドワインの恩恵を受けやすいかもしれん」
フレメア「そうでもないかな。これ、血の入ってないお子様ドリンクだし」
エバンス「……なら付け入る隙はあるか?」チャキ
妖精「私たちもあの時より強くなった……それに今は太陽のある昼間……!! 勝てない状況じゃない……!!」
クロシュ「ん……!」
フレメア「フフ……じゃあ始めましょう。演舞の名前は……えっと、そうだな……悪竜と駄狐の鎮魂歌(レクイエム)! さあ、踊りましょ!!」バサッ――
――強敵 狂い吸血鬼フレメア――
☆フレメアが〈狂気の舞踏〉を発動!
会心率が上昇し、さらに毎ターン会心率+10累積!!
◇自陣(銀のナイフ+5、ブラッドワイン+30)
・不死鳥化できる(1/1)
◇敵陣(戦力差+20、ブラッドワイン+30、日中-30)
↓1コンマ(合計+15)
01-20 痛恨
31-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 22:41:32.84 ID:ItRvK8tn0
あ
399 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 22:58:53.36 ID:WhTzHwps0
フレメア「」ヒュンッ
ローガン「速いッ!!」
ミスティ「光速でも雷速でもないのになんてスピード……!?」
フレメア「馬鹿正直に囲んで叩かれてやるわけないでしょ? 端っこの奴から血祭ってあげる!」グオッ
イリス「!!」
エバンス「しまった、イリスちゃんが――」
光の残像「」パヒュンッ―
ガギンッ!!
光クロシュ「……!」ギギ
イリス「クロシュちゃん!」
フレメア「うげっ、光属性……!?」
光クロシュ「えいっ!!」
閃光「」カッ!!
〈会心の一撃!〉
フレメア「うぎゃっ、目がっ……!!」フラフラ
妖精「今だ! みんなかかれぇ!!」
エバンス「お、おう!!」
ドガッ!! ボゴッ!!
ボンッ!! バギンッ!!
ドッギャァァァァァァン!!!!
――戦闘終了――
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 23:00:16.12 ID:TZYMGhsUo
どんだけ強くても囲んで殴れば(出来れば)いいんだよ!
401 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/27(日) 23:09:28.91 ID:WhTzHwps0
縛られたフレメア「いたた……これが淑女に対する仕打ち?」
妖精「殺しにかかってきたのはあなたでしょ……」
フレメア「はぁ〜あ、まさかこんなに簡単に負けちゃうなんて……。私もヤキが回ったってやつかなあ」
クロシュ「……やきって何? たこやきのやき……?」
ミスティ「え、ヤキ……何かしら、エバンスはわかる?」
エバンス「焼きが回る……いや、すまん。なんの焼きのことかは……」
フレメア「ねえ、殺そうとしたのは謝るからこれ解いてよぉ」グイグイ
妖精「解けるわけないでしょ……」
フレメア「じゃあ殺すの? セレスティアみたいに。それとも駄狐みたいに豚箱?」
イリス「えっ……いや、えっと……私は、その……」
ローガン「……イリスくん、彼女は非常に危険な存在だ。情に流されるべきではない。そして我々には、彼女という爆弾を抱えたまま然るべき場所へ安全に護送する手段もない」
イリス「わ、わかってます! でも、その……うう〜ん……」
フレメア「……もしかして、私がフラナの姉だからって情けをかけようとしてる?」
イリス「……」
フレメア「胸糞わる……。そんな理由で見逃されるとか最悪だし、そのナイフで心臓を突き刺すなりしてさっさと殺せば?」
イリス「……」
どうするの……?
↓1〜 先取3票
1.逃がす
2.殺す
0.自由安価(票数は内容ごと)
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 23:12:26.41 ID:8jE3O0opO
0メゾンドクロシュに入れておく。フラナに会うまでに吐き出し方を覚える。
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 23:20:04.44 ID:zdeQIWcfo
0 敗者に選択権はないとロイエ教殴り込み部隊として連行させる
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 23:21:54.10 ID:TZYMGhsUo
1
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 23:25:25.01 ID:rXUnU2O80
1
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 23:29:34.82 ID:eyqoxe9jO
>>403
+まさか誇り高い吸血鬼が勝負に負けて逃げるの?みたいな煽りを加える
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 23:42:48.75 ID:K/qoHdwk0
>>402
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/27(日) 23:48:21.70 ID:BySVEHxEO
1
409 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/28(月) 01:01:39.76 ID:hOpx8wJL0
イリス「……」グググ
プシュー…
イリス「」プシュー…モクモク…
妖精「あー……イリスは良心と合理の板挟みで限界みたい……」
ローガン「………では汚れ役は私が務めよう。一応聞いておくが、皆も構わないか?」
エバンス「……ああ。そいつはレイ・アンバーみたいな半分被害者みたいな奴ってわけでもなく、最初から自分の意志で破壊活動をやってるテロリストなんだろ? だったら情けをかけてやる必要もないと思うぜ。後味は悪いけどな……」
ミスティ「………私は……少し、迷いがあるわ……。でも、ローガンさんが処断するというのなら止めはしない……」
妖精「まあ……私も、止めないよ。できることならフラナに引き渡したいところだけど、血分身はふっとばされちゃったしね……」
クロシュ「……」
クロシュ「……逃がすのは……だめ……?」
エバンス「クロシュちゃん……気持ちはわかるが、あいつは本当にヤバイ奴なんだ。レイ・アンバーみたいにクロシュちゃんを好きになったりすることもないと断言できる。逃がしたら被害が増えるだけなんだよ」
クロシュ「ひがい……」
ローガン「うむ……。フラナ氏の姉君ゆえ、少々心苦しくはあるが……」
クロシュ「……」トコトコ
フレメア「……何? スライム」
クロシュ「……もう、むやみに殺したり、壊したり、しないって……約束……できる……?」
フレメア「……」
エバンス「え、いやいやクロシュちゃん……! そりゃ無理だって! そんな約束守るわけ……!」
クロシュ「……でも……アウルさんが……フレメアさん、義理堅いって……」
フレメア「え? アウルが?」
クロシュ「うん……。フレメアさん……ザイルさんの、恩返し、してて……義理堅いって……」
フレメア「……」
クロシュ「……だから……約束……守る……?」
フレメア「………ねえ、アウルはどうして復讐をやめたの? 大切なものができたから?」
クロシュ「……わかんない。でも……アウルさん……狐さんたち、親戚みたいなもので……好きだって……」
フレメア「……」
クロシュ「………フレメアさんは……好きな人……いる……?」
フレメア「いるわけないでしょ。バカにしてるの」
イリス「バカになんか……してません!」ヌッ
クロシュ「!」
フレメア「あんた……」
イリス「わ、私は……フレメアさんは、フラナさんとちゃんとお話するのが良いと思うんです! だって、二人は家族で、姉妹なんです!! それなのに……それなのに、殺し合うなんて……だめなんです!!!」
フレメア「だから、部外者が――」
イリス「敗者は勝者の言うことを聞くものです!!! それとも、誇り高い吸血鬼は話し合いの席に付くこともできないんですか!!?!?」
フレメア「こ、こいつ……ガキの癖に……!」
イリス「そのガキに囲んで叩かれて負けたんです!! フラナさんとお話してください!!!」
フレメア「……」
イリス「それを約束してくれるなら……この縄を、ほどきます!!」
フレメア「……」
410 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/28(月) 01:02:05.22 ID:hOpx8wJL0
フレメア「……いいよ。私、義理堅いみたいだし。約束してやる」
イリス「!!」
フレメア「でも話し合いの結果どうなるかまでは保証しない。約束は話し合いの席に付くところまでだよ」
イリス「……席についた途端喧嘩とかはやめてくださいよ。ちゃんと言葉で……」
フレメア「そんなガキみたいな屁理屈こねるか! 最初はちゃんと話し合ってやるよ!」
イリス「……約束ですよ。絶対ですからね!」
フレメア「あ〜もうわかったわかった! 全くもう、フラナの奴なんて面倒くさいガキを抱えてんだか……」
クロシュ「フレメアさん……むやみに、殺したり、壊したりしないっていう方の約束も……」
フレメア「わかったよ!!!!」
*
シュルシュル…
フレメア「……んじゃ。約束は守ってあげるから安心することね。私、義理堅いから」バサッ
クロシュ「ん……!」
イリス「はいっ! よろしくお願いします!!」
ミスティ「行っちゃったわ。でも、本当に行かせて大丈夫だったのかしら……? 約束を本当に守ると思う?」
妖精「……諸説あるけど、吸血鬼が約束事に真摯という伝承はけっこう数多く聞かれるんだ。私の経験でも、吸血鬼は契約を重んじる奴が多かった印象がある」
ミスティ「なるほど……」
ローガン「……ふう」
イリス「……すみません、ローガンさん。ローガンさんの忠告を、結局私……」
ローガン「……いや、構わない。吸血鬼を相手に約束を取り付けることができたのなら悪い結果ではないと言えるだろう」
エバンス「おう……。まあ実際、あそこであの吸血鬼を殺っちまうってのも本当に後味が悪いしな。見た目が幼い女の子だってのがまた……」
ローガン「うーむ……一部の魔族は幼い少女の姿でいることが多いが、一体なぜなのだろうな」
☆フレメアを逃がしました
*
411 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/28(月) 01:03:18.52 ID:hOpx8wJL0
強化ソリ「」
ミスティ「さて、それじゃあそろそろ――」
デュア「お前たち、無事か〜!」タタタタッ
クロシュ「わ……!」
妖精「あれは……デュア!?」
エバンス「凄い勢いでこっちに走ってくるぞ」
*
デュア「はあ、はあ……! 凄まじい戦の気配を感じて、急いで来てみたらお前たちだったとは……。敵はもう倒してしまったのか?」
エバンス「倒した……というよりは、撃退だな」
デュア「くうっ、恩を返す好機だったのに……! いやしかし無事で良かった!」
イリス「デュアさんはあれからどうしてたの?」
デュア「朝廷軍に追い回され、小舟を奪って再び海へ逃げたんだ。そうしたらまた荒れ波で遭難しかけてな……。通りかかった商人のクルーザーに乗せてもらって、すごすごと中央大陸へ戻ってきてしまったというわけだ……」トホホ
ローガン「なんと……」
妖精「ああ……それは申し訳ない……」
デュア「気にしないでくれ! お前たちがいなければどの道私は海の藻屑だったのだ。命あっての物種、刀の整備はまた次の機会にすれば良いさ」
ミスティ「デュアはどこへ向かっていたの? もし王都ならソリに乗せてあげるわ」
デュア「何、本当か!? まさしく王都に向かうところだったのだ!」
ミスティ「なら丁度良いわ……。私たちの戦いに巻き込んでしまったお詫びってわけでもないけど……乗っていって頂戴」
デュア「かたじけない! では遠慮なく相乗りさせてもらおう!」
クロシュ「うん……!」
☆旅の冒険剣士デュアが道連れに加わりました
◇
412 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/04/28(月) 01:04:17.99 ID:hOpx8wJL0
というわけで本日はここまでとなります。次回は野営の行動決めから開始となります
いろいろあってついにセイントレア王都を目指すクロシュ一行。いきなりフレメア氏と激突してしまったり、フレメア氏を逃がしたり、デュア氏が道連れに加わったり、初日から盛りだくさんな旅路となった。あかちゃんスライムは焚き火をぼんやりと眺めながら、一日の出来事を振り返って物思いにふける――
それでは本日もありがとうございました。次回は、可能であれば火曜日の祝日に更新したいと思います(不可能だったら土日です)
また、折を見て王都セイントレアおよびセクリエ・ロイエで登場する人物の募集をしたいと思います。よろしくお願いいたします
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/04/28(月) 01:14:43.33 ID:aTrYzB9Xo
おつでした
招かれないと家に押し入ったりしないとか聞くし、吸血鬼は種として義理堅い面があるのかも
フレメアさんの方はまず何とかなったのであとはフラナ先生にも話し合いの話通さにゃ…
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