【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6

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304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/04/19(土) 17:51:53.20 ID:WmTkXRr90
305 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 18:19:12.97 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[3/10] 持久力[7/10]

不死鳥クロシュ「コッコーッ!」カッ

 再生の炎「」メラメラメラ

生き返る人々「おああああ!!!」ガババッ

 *

 バサッバサッ

妖精「クロシュ、大丈夫……!?」

不死鳥クロシュ『うん……! フメイちゃんと、妖精さんの、おかげ……!』モニョモニョ

フメイ「でもこれ、ものすごい勢いで熱を消耗する……! このままじゃ長くは保たないよ……!」

妖精「フメイの炎と合わせても厳しいか……! 何か手は――ん?」


イリス「おーい!!」ブンブン

シズク「〜〜」モニョモニョ


フメイ「シズクと、イリス……?」

 *

イリス「喉乾いてるでしょ! これ、見つけたから飲んで!」スッ

 水甕「」ポン!
 綺麗な天然水「」トプン

不死鳥クロシュ『わ……! でも……綺麗なお水は……シズクちゃんが飲んだ方が……』モニョモニョ

シズク『優先順位を考えてください……。わたしより、今はクロシュちゃんたちが飲むべきです……』モニョモニョ

不死鳥クロシュ『わかった……!』モニョニョ

 グイッ ゴキュゴキュ
 空っぽの水甕「」カラッポ

不死鳥クロシュ「〜〜♪」モニョニョ

フメイ「……ふう。………ありがと」

イリス「……! えへへ……お互いにがんばろう!」

 ☆綺麗な天然水を飲んで持久力が1回復しました

◇毎ターン持久力−4
↓1コンマ
01-10 救命率+3 いきぐるしい(持久力-1)
11-30 救命率+3 フキノトウ (持久力+1)
31-50 救命率+3 カニカマボコ(持久力+2)
51-70 救命率+3 温泉まんじう(持久力+3)
71-90 救命率+3 トキワちゃん(持久力+3、救命率さらに+3)
91-00 救命率+3 ヒヒイロガニ(持久力+30、救命率さらに+3)
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 18:21:01.40 ID:Gw5mprxnO
救う力を!
307 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 18:49:59.23 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[6/10] 持久力[5/10]

 再生の炎「」メラメラメラ
生き返るオークの冒険者「うおおおお!!」ガバッ
生き返るコボルトの冒険者「アオーン!!」ガバッ


フメイ「生き返った……!」

不死鳥クロシュ「〜〜!」モニョニョ

和装受付嬢「危ないところを助けていただき、なんとお礼をしたら良いか……」

妖精「あなたは冒険者ギルドの人だよね!? それならギルドの力を貸してもらえないかな!?」

和装受付嬢「かしこまりました。ギルドの人員や冒険者たちに、不死鳥の手伝いをするよう伝えましょう」

妖精「ありがとう!」

和装受付嬢「それとこちらを――」スッ

 カニカマボコ「」ポン!

妖精「これは――カニカマボコ!」

フメイ「かにかまぼこ……?」

不死鳥クロシュ『かにかまぼこ……?』モニョモニョ

和装受付嬢「本物のカニには及びませんが、それでも大きな活力を得られる食品です。どうかお役立てください」

妖精「わかった、ありがとう!」

 *

 モニョモニョ モグモグ…

不死鳥クロシュ「〜〜♪」モニョニョ モグモグ

フメイ「おいしい……! でもなんでカニカマボコっていうの?」

妖精「カニの風味を模した魚のすり身なんだって」

フメイ「フメイ、サワガニなら食べたことある」

 ☆カニカマボコを食べて持久力が2回復しました

◇毎ターン持久力−4
↓1コンマ
01-10 救命率+3 いきぐるしい(持久力-1)
11-30 救命率+3 フキノトウ (持久力+1)
31-50 救命率+3 ヤマイモ  (持久力+2)
51-70 救命率+3 温泉まんじう(持久力+3)
71-90 救命率+3 トキワちゃん(持久力+3、救命率さらに+3)
91-00 救命率+3 ヒヒイロガニ(持久力+30、救命率さらに+3)
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 18:51:48.74 ID:4BNyt2Z7O
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2025/04/19(土) 19:44:00.72 ID:op0rafM1o
「楽天カップ Warlander2
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▽Steam(PC)Warlander/ウォーランダー
×もこう×おおえのたかゆき×柊ツルギ
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310 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 20:37:01.20 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[10/10] 持久力[4/10]

 人々の遺体「」

不死鳥クロシュ「コッコッコ……」
 再生の炎「」メラメラ

 人々の遺体「」シュワシュワ

 途切れる再生の炎「」フッ…

不死鳥クロシュ「コッ……」フラッ

フメイ「クロシュ!」ギュッ

妖精「クロシュ……!」

不死鳥クロシュ「〜〜…」モニョニョ…
 羽根の先「」デロデロ…

妖精(まずい……食べたり飲んだりしながらなんとかやってきたけど、クロシュがそろそろ限界だ……! でも……ここでクロシュが倒れたら、この街は――)


「――すべての痛みを、私に!」カッ!!

 ギュオオオオンッ!!


妖精「えっ、この声は――」


トキワ「――」ギュオオオンッ!!

 人々の遺体「」シュワシュワ
 遺体から吸い上げられていく傷病「」ギュオオオッ


フメイ「えっ……? トキワ、何をしてるの……?」

妖精「ちょっと待って、トキワの魔法は――」

不死鳥クロシュ「〜〜…!!?」モニャニャ!?


 ドッギャァァァァァァン!!!!

デロデロトキワ「」デロデロ…


フメイ「!!?」

妖精「トキワーッッッ!!!!」

不死鳥クロシュ「…!!!」モニョニョ…ググググ


デロデロトキワ『待って……クロシュちゃん……』

不死鳥クロシュ「!?」モニャ

デロデロトキワ『不死鳥の炎は、わたしに使わないで……。他の……もっと危ない人たちの為に……使って……』

不死鳥クロシュ「!」

デロデロトキワ『わたしはこう見えて……死んでないから、大丈夫……』

不死鳥クロシュ「〜〜…!」モニョモニョ

デロデロトキワ『……明日でも、明後日でも……余裕のあるときに……不死鳥の炎で、あっためてくれたら……嬉しいな……』

不死鳥クロシュ「……!!」

デロデロトキワ『あ、それと……クロシュちゃんに、おまんじゅうを持ってきたから……お腹の、足しにしてね』

 温泉まんじうの箱「」ポン

不死鳥クロシュ「……!!!」ジワワ… コクッ

 バックンッ!! モニョモニョモグモグ…!!

 ☆トキワの活躍により救命率がさらに3上がりました
 ☆温泉まんじうを食べて持久力が3回復しました

 ◇
311 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 20:40:47.57 ID:U7rMku9j0

猫又「西の区画はこれで全員ニャ!」

和装受付嬢「東も全員回収済みです」

ローガン「南もこれで全員になる」

エバンス「北は被害が少なく死者もなかった。通常の治癒術で対応できそうだ」

アキト「国政区の方も被害は軽微であった」


妖精「みんなありがとう! クロシュ……最後の一踏ん張り、できる?」

不死鳥クロシュ「…!」モニョ

フメイ「うん……フメイも、最後まで手伝う」

不死鳥クロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 カッ!!
 再生の炎「」メラメラ―


 ☆救命率が最大になりました
 ☆全ての死者および致命的な重症者の治療が完了しました


 ――救命完了――


☆迅速救命ボーナス
↓1コンマ
01-70 運命賽
71-90 ↑+ヒヒイロガニ
91-00 ↑+アマノムラクモ
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/04/19(土) 20:41:20.15 ID:WmTkXRr90
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 20:42:25.94 ID:tu9eTv8Eo
よく頑張った………!
314 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 22:42:09.63 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街

 再生の炎「」メラメラ

デロデロトキワ「」シュワシュワ…

 ポン!

トキワ「………う……」

サララ「トキワちゃん!」

シズク「……よかった」

トキワ「あ……ま、街は!? クロシュちゃんは――」


 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…


トキワ「ああっ……ご、ごめんね……わたしなんかの為に、無理を……」

妖精「いや……トキワ一人をあのままにしておいたら、クロシュもゆっくり休めなかっただろうからさ。大丈夫、ごはんと休憩を挟んであるから無理をしたわけじゃない……」

トキワ「でも、不死鳥化は一日に一回までなんだよね……? 無理してないわけが……」

妖精「うっ……そ、それはまあ……」

フメイ「……でも、トキワがいなかったら本当に危なかった。あの時は……ありがと……」

 *

縛られアウル「……っ………なぜ、生きてる……?」ググッ

アキト「クロシュ……いや、救命の英雄クロシュ殿に感謝するのだな」ヌッ

縛られアウル「……?」

イヨ「あなたが殺めた人々は、彼女の不死鳥の力によって全員がその命を吹き返しました」

縛られアウル「なっ……!? なん、だって……!!?」

アキト「これから貴様には、オノゴロの司法制度に則って裁きを受けてもらう。国家転覆および大量殺人未遂の容疑者として、な」

縛られアウル「馬鹿な!! ふざけるな、ふざけるな……!! オレが一体どれだけの思いで――」

 ベチンッ!!

縛られアウル「ぐあっ!」

シズク「お前の都合など知らないのです……。クロシュちゃんの優しさも、綺麗な水の大切さもわからないなら……檻の中で、わかるまでしっかり反省するのです……」

縛られアウル「こ、この……! 人間なんぞにヘコヘコするくそったれの裏切りスライムが……!」

 ベチンッ!!

縛られアウル「ぐあっ!!」

スライムクロシュ「……」ジッ

妖精「……この島には、人間だけが住んでるわけじゃない。犬も、猫も、狸も……そして、狐も……。たくさんの、人間以外の生き物が住んでる。それなのにあなたは、人間への復讐なんてお題目を掲げて、無関係の人間どころか無関係のたくさんの生き物もまとめて滅ぼそうとしたんだ。あなたこそ、この地に生きる全ての命を裏切ろうとしたんだよ」

縛られアウル「……!」

妖精「狐たちに聞いたよ。あなたはお墓参りをするついでに、野狐たちに油揚げをあげていたんでしょ? そんな優しさを持つあなたが……どうして、その野狐たちまでまとめて滅ぼすようなことをしたの」

縛られアウル「…………知った風なことを」

妖精「……思うところ、ないわけじゃないんでしょ。檻の中でしっかり反省しな。まあやったことがやったことだから、結局打ち首か、あるいは二度と外に出られないかもしれないけどね」

縛られアウル「チッ……今ここで殺せよ」

アキト「お主に自身の処遇を決める権利はない。それに、死にたがりを殺してしまうのは刑にならんでござる」

イヨ「……国家転覆は重罪です。裁き次第で望み通りになるかもしれませんね」

縛られアウル「……」
315 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 22:42:39.43 ID:U7rMku9j0
 パチパチパチ…


イヨ「……拍手?」

イリス「……あっ!」


狐巫女「面白い見世物であったぞ、わっぱスライムたちよ」スタスタ


アキト「イクセ殿……ではないな。貴様が――」

狐巫女「イクセの体ではあるぞ?」

アキト「……」

狐巫女「あれほどの被害を覆すとは、敵ながら天晴じゃ。もしかしたらお主、伝説スライムの株分けかもしれんのう」

スライムクロシュ「……?」

狐巫女「口惜しいのう。今のこの国にさえ来なければ、お主もまた歴史に名を刻む伝説となれたかもしれぬのになあ」

スライムクロシュ「……」

狐巫女「じゃがお主らが如何なる手練れであろうと――精根尽き果てて満身創痍の今、星の力を制したわらわの暴虐に為す術はあるまい」スッ

 星の力・水「」ポウ…

妖精「あっ!!!」

イリス「ほ、星の……世界樹の光……!!」

ミスティ「くっ……イヨの言った通りだったわけね……!」

イヨ「はい……! しかし……」

エバンス「や、やべえぞ……今は……」

ローガン「くっ……私も人命救助の為に力をほとんど使い果たしている……! メタル化ももうできそうにない……!」

アキト「くそっ……ここで終わるのか……!」


狐巫女「あ〜あ、本当に残念じゃ……。わらわの姫巫女として微かに残っている部分が、お主らのような優秀人材を葬らねばならぬことを嘆いておるわ……」


スライムクロシュ「……!!」モニョニョ…グググ…

フメイ「くそお……フメイも、もう……」ググ…


狐巫女「くく……くっくっく……わーっはっはっはっはあうっ!?」ドテッ

 星の力・水「」ギュオオオオオッ!!

アリシラ「ぐうっ……こ、これが星の力かぁ……!!」ギュオオオッ

フメイ「アリシラ!?」

狐巫女「き、貴様!? この距離から星の力を奪おうなどと――」バッ

 毒煙「」ボフンッ!!

狐巫女「ぬわあ!?」ゲホゲホ

縛られアウル「……」

狐巫女「アウル……!? お主、一体何を――」

縛られアウル「……うるせえ。少し……気が変わったんだ」

狐巫女「………そうか――ならば致し方なし!」

縛られアウル「……ああ」
316 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 22:44:00.96 ID:U7rMku9j0
 星の力・水「」ギュオオオオッ

アリシラ「うっ、ううっ……こんなに大きな力……吸収し切れな――」

 ドクン―

アリシラ(いや……できる……。私が、魔王としての私に完全に身を委ねれば――)

アリシラ(でも――そうしたら、私は―――)

フメイ「アリシラ!!」

アリシラ「……フメイちゃん!?」

イリス「アリシラさん! この杖に、力を!!」

 蒼き星の杖「」コォォォ―

アリシラ「――わ、わかった!」

 星の力・水「」ギュオオオオッ
 蒼き星の杖「」ズギュウウウウウッ!!

イヨ「星の力が……あの杖に、吸い込まれていく……!?」

妖精「あれは星の力を扱う神杖! あの杖なら――」

 ギュオオオオオッ ポン!!

 蒼き星の杖・水「」コォォォォ…

イリス「……よ、よし! なんとかなった!」


狐巫女「ぬう……まさか星の力を奪うことのできるほどの吸収魔法と、それを保持することのできる魔器がそちらにあったとは。少々予想外じゃった」

妖精「残念だったね! これで形勢逆転だよ、あなたも大人しくお縄に――」

狐巫女「形勢逆転? お主らが満身創痍であることは未だ変わっておらぬのにか?」

妖精「うっ……で、でも星の力はこっちにあるんだぞ!」

イリス「そ、そうだそうだ! 諦めて降伏してよ!」

狐巫女「今さっき奪ったばかりの大きな力をもう安全に使いこなす自信があるなんて凄いのう?」

イリス「うっ……」

狐巫女「ククク……わーっはっはっは! 星の力を奪われた程度で、わらわがお主らごときわっぱ共に敗北を喫するとでも? わらわも舐められたものじゃ!」

 ゴゴゴゴゴ…
 怨念の渦「」ドドドド

ローガン「こ、これは……!?」

妖精「膨大な……呪属性の、波……!! ま、まずいかも……状況は、あんまり好転してない……!!」

ミスティ「でも……ここまで来たら、やるしかないでしょ!? あの馬鹿巫女を殴り倒して、正気に戻して、解決よ!!」

エバンス「おう……! 腹ァ括るぞ!!」


狐巫女「死にたい者から前に出よ!! わらわ自ら引導を渡してやろう!!」ズオッ!!


 ――ボス戦闘開始 怨嗟の狐巫女――


 ★狐巫女が〈悔恨〉を発動!
  敗北時、一度だけ耐えて戦闘続行!!

 ☆クロシュが〈夢喰い〉を発動!
  自陣のコンマ+50!!

◇自陣(夢喰い+50、満身創痍-30)
・もう不死鳥化できない(0/1)

◇敵陣
・耐える(1/1)

↓1コンマ(合計+20)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 22:44:50.01 ID:4BNyt2Z7O
318 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:08:09.17 ID:U7rMku9j0
 銀狐の影「」ズモモモ
 銀狐の影「」ズモモモモ

トキワ「わわっ!?」

妖精「怨念で形作ったただの影法師だよ! 実体はないから属性攻撃で倒して!」

エバンス「おうよ! 地属性エンチャントだ!」シュバッ ギュオオ

 地の鉄槌「」ブォンッ!!
 ドガンッ!

 砕け散る銀狐の影「」パシュウン―
 飛び散る血液のようなもの「」ブシャァ

エバンス「うげっ……!? 実体がない癖になんで血みたいのが出るんだよ!?」


狐巫女「実体なき者には血など通っておらぬと? ククク、人間らしい傲慢さじゃ」


妖精「悪趣味な演出だよ! 無視して無視!」

エバンス「お、おう!」


狐巫女「ふんっ!」

 怨念の尻尾「」ブオンッ!!

 ドガッ!!

ローガン「ぬうう……! なんと重い一撃だ……!!」ズザザッ

アキト「まともに受ければ身がもたぬが、後方への被害を考えると受けぬわけにもゆかぬ……!」

トキワ「うぅ……す、すみません……私が、動けないせいで……。でも私、叩かれても死なないので――」

アキト「死ななければ叩かれても良いということは決してないであろう!」

トキワ「……!」

アキト「……すまぬ、声を荒げるつもりはなかった。シズク、サララ、隙を見てトキワとクロシュ殿を後方へ――」

スライムクロシュ「」デロロ…

サララ「はっ、はいっ!」

シズク「……待ってください。クロシュちゃんは――」

アキト「ん?」

シズク「寝ているように見えますが、戦っているのです」

 ◇
319 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:08:39.25 ID:U7rMku9j0

―イクセの夢

 怨念の渦「」ゴゴゴゴゴ

クロシュ「!」シュタッ


イクセ「……」zzz


クロシュ「イクセちゃん! 起きて……!!」


イクセ「……」zzz


狐巫女「このドサクサに紛れてまたもここに入り込むとは、油断ならぬスライムじゃ」ヌッ

クロシュ「わらわじゃ……!」

狐巫女「現実と夢、双方で戦を繰り広げるのは少々忙しないが――お主はここで相手してやろう」

 モニョモニョポン!
 メイドブレード「」シャキン!

メイドクロシュ「……」ジリ

狐巫女「安心せい、お主は面白いわっぱスライムじゃ。全てが終わったらペットとして飼ってやらんこともないぞ?」


↓1コンマ(合計+20)
01-50 敗北
51-90 優勢
91-00 会心
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 23:10:09.77 ID:DxONWoPLO
女神様、力をお貸しください
321 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:51:02.42 ID:U7rMku9j0
狐巫女「せえい!」

 怨球「」ギュオン!

メイドクロシュ「」サッ

狐巫女「ちょこまかと!」バッ

 怨球「」ギュオン!
  怨球「」ギュオン!

メイドクロシュ「」サッサッ

 メイドブレード「」シャィンッ!!

狐/巫女「ぬおわあっ!?」スパッ


真っ二つ狐巫女「」ボテッ


メイドクロシュ「……」ジッ

真っ二つ狐巫女「」ボテッ

炎魔女クロシュ「……」チリチリ…

 爆炎「」ゴウッ!!

真っ二つ狐巫女「うぎゃあああ!!?!? お、おぬし鬼か!!? 真っ二つになった死体に火を放つなど……!!?」ジタバタ

炎魔女クロシュ「死んだふり……ばればれ……」

焦げ狐巫女「ぬうう、やりおるな……! ここまで世界樹の光を集めてきた者は伊達ではないということか」

炎魔女クロシュ「……」

狐巫女「じゃがここはイクセの――つまりわらわの世界も同然。万に一つとして、お主に勝ち目は――」


イクセ「……う…。おかあ……さま……?」グシグシ
322 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:52:25.66 ID:U7rMku9j0
狐巫女「……!!」

炎魔女クロシュ「イクセちゃん……!!」

イクセ「あえ……クロシュちゃんに……あっ――」

 ボンッ!

イクセ母に化けた狐巫女「イクセ、あなたはもうお休みなさい。姫巫女の時代は終わったの」

イクセ「あっ……お、おかあ……」

イクセ母に化けた狐巫女「あなたも、私も……もう、生きていてはいけな――」

 モニョモニョポン!!!!

分体アキトクロシュ「イクセ殿!!」

分体イヨクロシュ「イクセ様!!」

イクセ「えっ……アキトおにいちゃん、イヨおねえちゃん……?」

分体イヨクロシュ「皆、イクセ様のお目覚めをお待ちしておりますよ」ニコニコ

分体アキトクロシュ「また一緒に遊びたいでござるなあ! 拙者、イクセ殿が眠ったままでは寂しいでござる!」

イクセ「……!! み、みんな……」


イクセ母に化けた狐巫女「イクセ、騙されてはいけません。この者たちは、あなたを誑かす悪いもがっ!?」

狐巫女の口に詰まった分体ちびクロシュ「〜〜!」モニョニョニョ!


分体アキトクロシュ「イクセ殿、拙者最近かたつむりごっこにはまっているでござる! イクセ殿も一緒にどうでござろう?」

イクセ「えっ……かたつむりごっこ?」

分体イヨクロシュ「はい! 大きな殻を背負って、かたつむりになりきるのです! きっと楽しいですよ!」

イクセ「そ、そうなんだ……えっと……」

カタツムリクロシュ「〜〜」モニョモニョ モゾモゾ

イクセ「わっ! クロシュちゃん……? ほんとだ……ふふっ、楽しそう……!」

カタツムリクロシュ「〜〜」モニョニョ

分体アキトクロシュ「イクセ殿! では――」

イクセ「……でも……おかあさまは……」

分体イヨクロシュ「イクセ様のお母さまも、イクセ様が健やかに生きて、かたつむりごっこをすることを望んでおられました。私がこの耳で直接聞いたのですから、真実です」

分体アキトクロシュ「拙者も同様のことを聞いたでござる。もし何か別のことをイクセ殿が聞いているのだとしても、それはきっと悪い夢……。悪い夢は、通りすがりのスライムにでも食べていってもらうのが良いでござろう」

イクセ「そっか……悪い夢、だったんだ……」

カタツムリクロシュ「〜〜!」モニョニョ

イクセ「……うん。ありがとう……わたし……起きてみる……!」


狐巫女「もがが……!!」ジタバタ

巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

狐巫女「もが……!?」

巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ ズズッ

狐巫女「〜〜〜!!!」ジタバタ

 モニョモニョ…モグモグ…

 〈会心の食撃!〉

 ◇
323 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:54:31.38 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街

狐巫女「――」

 バタッ

エバンス「……? 急に倒れたぞ?」

妖精「……! もしかして、クロシュが――」


イクセ「……うっ……。こ、ここ……は……?」パチッ

アキト「……! その、雰囲気は……イクセ殿……!!」

イヨ「イクセ様!!」

イクセ「アキトおにいちゃん……イヨおねえちゃん……?」


ミスティ「姫巫女が……正気に戻った……?」

イリス「てことは……勝ったの!?」


スライムクロシュ「……!」モニャ!

シズク「クロシュちゃん?」

スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョモニョ

シズク「えっ……み、皆さん! まだ――わらわじゃ巫女は、消えていないのです!!!」


ローガン「なに!?」

妖精「……あれは!!」

 ズモモモモ……

空中に浮かび上がる黒い狐の影『まだじゃ……まだ、終わっておらぬ……。わらわの……わらわたちの罪を……雪がなければ……』ズモモモ

 ★狐巫女が〈悔恨〉を発動! 一度だけ耐える!


スライムクロシュ「……!!」モニョニョ…グググ…


黒い狐の影『わらわたちのせいで、苦しみ……滅んでいった全ての者たちに……この島の死を……捧げねば……』ズモモモ


妖精「……狂っている。あれは……もう、救われないものだ」

スライムクロシュ「……」

妖精「みんな、最後の力を振り絞って……! あの救われない魂に……せめて、安らかな終わりを」

アリシラ「……うん」

フメイ「ん……」

縛られアウル「……」


↓1コンマ(合計+20)
01-50 敗北
51-90 勝利
91-00 会心
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 23:55:09.42 ID:PPCaSbiO0
325 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 00:41:19.59 ID:wa8VY9/90
 ズドドドドッ
  ドゴォッ ボムギッ
    ギュオオオオオオッ

  ドッギャァァァァァァン!!!!


散っていく狐の影『……わらわたちの、せいじゃ………わらわたちさえ……いなければ……』


縛られアウル「……」ズリズリ


散っていく狐の影『……許しておくれ……許さないでおくれ……わらわたちのことを……どうか、どうか……』


縛られアウル「……なんでだよ……」


散っていく狐の影『すまぬ………』


縛られアウル「なんで………オレみたいなイカれた復讐者に便乗して、この島を壊そうとしてんだよ……。アンタは……人間の巫女だったんだぞ……!!」


散っていく狐の影『すまぬ…………』


縛られアウル「わかってるよ……どの口が言ってんだってことくらい……!! でもおかしいだろ!! なんでだよ……なんで、オレと一緒に人間ごとこの島を滅ぼそうとしてんだよ!! なんで……人間の巫女で、いてくれなかったんだよ……。そんなんじゃ……気持ち良く、復讐できないじゃねえかよ……」


散っていく狐の影『すまぬ………すまぬ…………』


縛られアウル「……もう、いいよ。もう……。とっとと、星にでも還っちまえ……」


散っていく狐の影『すま……ぬ…………』スゥゥ――…


 パシュウン――……


 ――戦闘終了――
326 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 00:44:03.55 ID:wa8VY9/90
本日の更新はここまでとなります

大きな功績を挙げたクロシュは、少しばかり感傷的な気分だった。正しいことをしたという自負はある。自分の活躍でいろいろ良くなったという自信もある。しかし、それでも――。あかちゃんスライムの小さな体で救うには、この星はあまりに大きく――命の悲しみは、あまりに深い――
今はただ……疲れ切った体を瓶に潜めて、眠ろう―――……

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 04:19:52.78 ID:x/C04xAao
おつでした
まっぷたつ狐巫女からちゃんとキルチェックするクロシュ、同化住民の経験値かな?
アウル…シノホシメンバーで一番若いというか青い印象だったので取り返しのつかない復讐を止めてあげられたのは良かったな…
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 08:41:46.29 ID:mT0h6KT6o
おつ
無事に終わったか
しかしリュウトウ殿は結局最後まで活躍無しだったな…
329 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 17:59:22.33 ID:wa8VY9/90
真っ二つになった狐巫女の姿を見ても、クロシュ氏は用心深く観察して攻撃することを選んだようでした。それがどのような思考判断によるものなのかは定かではありませんが、食べたものによって培った経験が生きている可能性は実際あるでしょう
アウル氏は若者なので、今回のことで牢にぶちこまれることにはなりましたが、即刻打ち首という運命は避けられたようです。このことでシノホシがどのような反応を示すかは未だ闇に包まれています。慎重に進むのが良いでしょう

ひとまず事態は丸く収まりそうですが、今回の事件でリュウトウ氏は実際あまり活躍できなかったようです。身も蓋もないことを言うと、リュウトウ氏をクロシュ陣営に引き込めなかったためとも言えるかもしれません
これはネタバレなのですが、リュウトウ氏をクロシュ陣営に引き込めていた場合はアウルらの企みを事前に察知でき、毒物テロを事前に阻止することもできました。しかしリュウトウ氏を引き込めなかったため、アウルらのテロを察知できず、クロシュたちは後手に回ってしまったのでした……(なお不死鳥パワーによる力技で人的被害はゼロになりました)
330 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:00:22.43 ID:wa8VY9/90
―数日後
 トウゲン温泉

 毒温泉「」ドクドク

イリス「洗い流せっ!」
 蒼き星の杖・水「」キュオオオ――

 ギュワァァァァァ――

 綺麗な温泉「」ポン!

シズク「んわわ〜!」キャッキャ

トキワ「わあ〜!」キャッキャ

サララ「すごいです!」キャッキャ

ユキ母「ありがとう、イリスちゃん。これで主要な水源は概ね浄化されたわ……!」

イリス「良かったです! でも、まだ細かい汚染が――」

シズク「あとは、星の力に頼らなくても、ここにいるわたしたちの力で浄化できると思います!」モニョモニョ

イリス「そっか、わかったよ!」

世界樹の精霊『……星の力……あんまり濫用はしないように……』ヌッ

イリス「わ、世界樹の精霊さん……!」

世界樹の精霊『あなたたちが毒と呼称しているものも、星を形作る物質の一つ……。毒が苦手な生き物の為に、星の力で無理矢理洗い流すのは……本当は、あんまり良くない……』

シズク「で、でも世界樹の精霊さま……! あの毒は……ほんとは、ここになかったもので……」モニャニャ…

世界樹の精霊『うん……。だから、今回は許可する……。私としては、自然環境の変動として受け入れても良かったけど……イリスたちには、この先もがんばってもらいたいから……。えっと、つまり、アメというやつ……』

シズク「アメ……!」モニョニョ

イリス「わかった! これからもがんばるよ!」

世界樹の精霊『それじゃ……よろしく……』フッ―

 *

イリス「そういえばシズクちゃん、すっかりいつもの調子に戻ったねえ」

シズク「んわわ……忘れてください……! あれは、ほんとのわたしじゃないのです……!!」モニョモニョ

トキワ「でも……毒舌でクールなシズクちゃんも、良かったと思うの」

サララ「あれはあれで良いよね。もちろん今のほわほわなシズクちゃんも良いけど」

ユキ母「旅館のお客様の中にはあのシズクちゃんが好きっていう人もいるわねえ」

シズク「ええ……」

 ◆
331 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:02:15.20 ID:wa8VY9/90
―トウゲン国政区 武家道場

 ビシッ ビシッ ビシッ

リュウトウ「九千九十一! 九千九十二!」
 木刀「」ビシッ!! ビシッ!!


イヨ「リュウトウ、まだ素振りしていたのね」スタスタ

リュウトウ「イヨ……何か、用件が?」

イヨ「……朝廷再編の話し合いが一段落ついたから、休憩に来たの。はい、これ」スッ

 温泉まんじう「」ポン

イヨ「あなたも休憩にしましょ?」

リュウトウ「……私には不要だ」

イヨ「……まだ気にしているの?」

リュウトウ「……姫巫女様の様子は明らかにおかしかった。それなのに私は……盲目的に姫巫女様に従って、国家転覆の後押しをしてしまったのだ……」

イヨ「……武官であるあなたには、姫巫女様の御命令に逆らう権利なんてなかった。リュウトウが悪いことなんて、何もないのよ」

リュウトウ「しかし私は護国の刀――国を護る為であれば、姫巫女様に逆らってでも立ち塞がらなければならなかった……!」

イヨ「リュウトウ! そんなの無理だよ!! 過去の自分が絶対にできなかったようなことを悔やんだって仕方ないでしょ!」

リュウトウ「……できなければならなかったのだ……」

イヨ「リュウトウ……」

リュウトウ「……すまぬ……今は、無心に刀を振らせて――」

 温泉まんじう「」ガッ

リュウトウ「もががっ……!?」

イヨ「黙れ! 年下の癖に生意気なの……!! リュウトウはまだお子様なんだから、お子様はお子様らしくまんじゅうを食べてれば良いのよ!!」

リュウトウ「もがもが……!」

イヨ「そもそも、あの時だってリュウトウが血まみれで隠れ里に駆け込んできてなかったら、本当に取り返しのつかない大惨事になってた!! みんなが助かったのはリュウトウのお陰でもあるの!! リュウトウは、ちゃんと護国の刀をしてたの!!!」

リュウトウ「……!!」

イヨ「だから………もう、いいんだよ……。リュウトウは、ちゃんと、がんばったから……」ジワワ

リュウトウ「……なんで、イヨが泣くの?」

イヨ「……泣いてない」グスッ

 ◆
332 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:02:49.73 ID:wa8VY9/90
―さらに数日後
 霊峰の隠れ里 貸家の縁側

イヨ「イクセ様〜!」

イクセ「イヨおねえちゃん!」トテトテ

イヨ「お元気そうで何よりです。ここの住心地はどうですか?」

イクセ「うん! とっても良い……!」

イヨ「良かった……」


アキト「拙者が誠心誠意お仕えしているゆえ、不自由はさせませぬ。ご安心を、イヨ殿」ヌッ

イヨ「アキトさん。あなたが、イクセ様のご隠遁に協力してくださったのは幸いでした」

アキト「拙者は既に朝廷と関わりのない身でござるからな。適任であろう」

イヨ「……姫巫女という役職の喪失に伴い、朝廷では大規模な再編が進んでおります。でも――」

アキト「うむ。拙者の席は不要でござる。元より拙者らイザナギ家は、朝廷ではなく姫巫女様に仕える一族。イクセ殿がこちらに隠遁なされるのであれば、拙者もそれに付き従うのみ」

イヨ「……イクセ様のこと、よろしくお願いいたしますね」


イクセ「なんのお話してるの……?」

アキト「今日はイクセ殿と何をして遊ぼうか話し合っていたのでござるよ!」

イヨ「え、ええ。イクセ様は、何かなさりたいことはございますか?」

イクセ「じゃあ、かたつむりごっこ!」

 ◆
333 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:03:37.56 ID:wa8VY9/90
―オノゴロ諸島 滞在最終日

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・アリシラの夢引っ越し[3/4]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[01/07] 魔法[01/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[12/16]
・ミスティ 剣技[02/07] 魔法[09/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[05/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[04/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 トウゲン温泉
国政区:御所、審議場、武家道場、蔵書庫、神社、他
温泉街:広場、茶屋、お土産屋、湯治場、露天風呂、足湯、他
宿場町:旅館、市場、食事処、酒場、遊郭、鍛冶屋、冒険者ギルド、他
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
☆激しい戦いを経て各々大きな経験を獲得しました(上記加算済)
☆クロシュの剣技、魔法、防御レベルが1づつ上がりました
☆ローガンの剣技レベルが1上がり、上限に達しました
☆エバンスの剣技レベルが1上がり、上限に達しました
※通常の訓練等では上限を越えて技術を成長させることはできません
334 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:04:26.20 ID:wa8VY9/90
―旅館 雪解け
 客室

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 蒼き星の杖・水「」ポワポワ

世界樹の精霊『残る星の力は……炎と地の2つ……。炎はすぐそこで……地は……大陸の、少し南の辺り……』

妖精「大陸の少し南の辺り……王国か、セクリエ・ロイエか……」

ミスティ「王国……?」

エバンス「まさか……セインが? いやでも、あの時はセインが何かしてる様子なんてなかったよな……?」

ローガン「……セインくんが何かをせずとも、その裏で糸を引く者が何を企んでいるかはわからんな……」

世界樹の精霊『ひとまず、水の力はその杖に入れておいて。敵がどんな手段で奪うのかわからないから、あなたたちの目に付くところに置いておいた方が良い……』

イリス「わかった……!」

世界樹の精霊『……で、炎の力だけど……』


フメイ「……」

アリシラ「……やっぱり、返さなきゃだめ?」

世界樹の精霊『当然……。でも……』

アリシラ「?」

世界樹の精霊『……さっきも言ったけど、返還する隙に奪われる可能性があるから……ひとまず、イリスの持ってる杖に――』

イリス「ちょ、ちょっと待って! この杖、そんなにたくさんは入り切らないかも……!」

世界樹の精霊『え、そうなの……』

イリス「うん。この杖、本来は星の力を溜めておく専用のものってわけではなくて、星の魔力を循環させて大きな力を生むのが目的のものみたい。だから、これ以上は溜め込めないかも……」

世界樹の精霊『そうだったんだ……。じゃあ……どうしよう……』

アリシラ「……フメイちゃんが持ったままでも良いんじゃない?」

世界樹の精霊『フメイちゃんが持ち逃げしない保証はあるの?』

フメイ「……フメイ、もう……持ち逃げ、しない……」

アリシラ「って言ってるよ!」

世界樹の精霊『……嘘はついてないみたい。わかった、信じる……。いろいろ片付いたら、ちゃんと返してね……』

フメイ「うん」


 ☆蒼き星の杖に水属性の力が宿りました

 ☆ここ数日の内にアリシラの引っ越し計画が進みました(3/4)
  この自由行動が終わると、引っ越しの最終段階へ移行します

 ☆努力目標3つ達成により、自由行動回数が3回増加します


オノゴロ諸島滞在最終日です。明日オノゴロを発ちます
↓1〜6 自由安価 何をする?
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:04:52.57 ID:jHEy7PgEO
メルルとユキから手紙が届く
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:08:37.35 ID:LZW/63Rp0
フレメアが狐小僧の様子を見に降臨するのを目撃
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:13:18.85 ID:PZZ/opzLo
伝説スライムの株分けという言葉に思案を巡らせる
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:15:47.88 ID:ny2FZ79P0
クロシュ、イクセ、トキワの3人で温泉街でお店や温泉巡り
イクセとトキワ友達同士になる
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:18:18.87 ID:x/C04xAao
アウルにシノホシのことを聞き取り
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:19:23.61 ID:195OGop8O
星の力一口舐めてみようぜ
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:20:00.60 ID:3eskupe0O
引っ越し作業完了前に一度クロシュ、フメイ、アリシラ、そしてアリシラの夢の中の住人を交えて本音で話し合う
342 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:41:35.83 ID:wa8VY9/90
―雪解け 客室

スライムクロシュ「……」

妖精「どうしたの? 考え事?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「株分け? 株分けっていうのは、植物を根っこから分割して別のとこに植えることだよ」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「……そういえば伝説スライムの株分けとか言ってたね。伝説スライムっていうのがクロシュヴィアのことだとすれば――」

スライムクロシュ「〜〜?」モニョニョ?

妖精「……まあ、クロシュが伝説スライムのクロシュヴィアを起源にしたスライムって可能性はあると思う。いやでも、クロシュはカリス・ノーランドに――」


シズク「えっ、クロシュちゃんは伝説スライムなの!?」モニョッ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

妖精「ああいや、ただの可能性の話だよ。クロシュヴィアは大昔に生きてたスライムだから、その欠片から生まれたスライムが現代にいるのは何も不思議なことじゃない」

シズク「たしかに……!」モニョニョ

妖精「それに……確かクロシュヴィアも、クロシュと同じ反映魔法を使うんだよね。で、たぶんブラッドの奴が使ってたのもたぶん反映魔法……つまり――」

スライムクロシュ「〜〜…!?」モニョニョ

妖精「……カリス・ノーランドがクロシュヴィアの欠片から造り出したスライムである可能性が……ある!」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

シズク「んわ〜!」モニョニョ!

妖精「いや、まあ……決定的なことは何もわからないから、本当にただの可能性の話ね。もしかしたら私たちが知らないだけで、反映魔法を使うスライムがいっぱい住んでる地域とかがあったりするかもしれないし」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

シズク「いいなあ……わたしも反映魔法、自分で使ってみたい……」

スライムクロシュ「!」ピコン!

 モニョモニョ…プチッ
 クロシュの欠片「」モニョッ!

シズク「わっ! クロシュちゃん、どうしたの? 自分を千切って……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

シズク「えっ! これと同化すれば、反映魔法が使えるようになる……!?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

シズク「同化……やったことないけど、できるかな……?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

妖精「前に聞いた話だと、属性によらずほとんどのスライム類は同化の力を持ってるんだって。シズクもがんばれば同化の力を使えるようになると思う」

シズク「そうなんだ……! じゃあわたし……この前クロシュちゃんにやってもらったみたいに、自分でかっこいい擬態ができるように、なる!」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョニョ


妖精(……でも、同化ってけっこう難しい技術らしいんだよね。それを数日の内に使えるようになって、今じゃたぶん手練れスライムのブラッドと同じくらいに使いこなしてる。まだあかちゃんスライムなのにも関わらずだ。カリス・ノーランドの思惑がどんなものかはわからないけど、センスで言えば伝説スライム級と言っても決して過言ではない……のかもしれない……)

 ☆シズクにクロシュの欠片を贈りました

 ◇
343 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:42:27.01 ID:wa8VY9/90
―トウゲン温泉街

 ワイワイ ガヤガヤ

お忍びイクセ「……」キョロキョロ ソワソワ


トキワ「……? あの子って……」

クロシュ「……! えっと……イクセちゃん、かも……」

トキワ「えっ!? イクセちゃんって――」

 トコトコ

クロシュ「イクセちゃん」ヒョコ

お忍びイクセ「ひょえっ……!? あっ……も、もしかして……クロシュ、ちゃん……?」

クロシュ「うん……! えっと……こっちは、トキワちゃん……!」

トキワ「ど、どうも……! トキワです……! 初めまして、姫巫女さま……」ペコリ

お忍びイクセ「あっ……え、えっと……わたし、もう、姫巫女じゃあなくって……」オロオロ

 *

トキワ「えっ……じゃあ、姫巫女がいなくなるって噂、本当なんだ……」

イクセ「うん……」

クロシュ「じゃあ……これからは、ただのイクセちゃん?」

イクセ「そうだと思う……」

トキワ「……そうなんだ……。えっと、じゃあ……今日は温泉に入りに来たの?」

イクセ「うん……。アキトおにいちゃんと一緒に来たんだけど……はぐれちゃって……」

トキワ「アキトさん……」

クロシュ「それじゃあ、わたしたちと一緒にいる?」

イクセ「え、いいの……?」

クロシュ「うん……!」

トキワ「案内してあげるね。まあ私も最近まで温泉街にいなかったから、あんまり詳しくはないんだけど……」

 *
344 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:43:00.41 ID:wa8VY9/90

―旅館雪解け 露天温泉

 カポーン

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

トキワ「ふわぁ〜……」ポカポカ

イクセ「〜〜」ポカポカ


シズク「んふふ……みなさん、お湯加減はいかがですか?」モニョモニョ

トキワ「うん、丁度良いよ」ポカポカ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

イクセ「良い湯なのじゃあ〜」ポカポカ


スライムクロシュ「……!!?」モニャニャ!?

トキワ「えっ……い、イクセちゃん……!?」

イクセ「……あっ!? え、えっと……わ、わらわ……じゃなかった! わたし……口調が変になっちゃうこと、あって……!」アタフタ

トキワ「そ、そうなんだ……」

スライムクロシュ「……」


クロシュ(……イクセちゃんの夢の中には……もう、あの悪いどろどろは残ってないみたいだけど……)

クロシュ(…………もしかしたら……わらわじゃの心は、少しだけ残ってて……)

クロシュ(どろどろがなくなった、イクセちゃんの中で……のんびりしてるだけなのかも……)

 ◇

―雪解け 屋外演舞場

クロシュツムリ「〜〜」モゾモゾ モニョモニョ

トキワツムリ「こ、こう……?」モゾモゾ

イクセツムリ「うん! 上手なのじゃ!」キャッキャ モゾモゾ



エバンス「……あれは何をやってるんだ?」

妖精「かたつむりごっこだって」

ローガン「なるほど、防御姿勢を取りつつ動き回る訓練か……!」

妖精「え、そうなの?」



アキト「イクセ殿ォ〜!」ドタドタ

イクセツムリ「あっ、アキトおにいちゃん!」

アキト「すまぬ、すまぬ……イクセ殿をお守りすると申し上げたにも関わらず、拙者は……」

イクセツムリ「でもわらわ、クロシュちゃんとトキワちゃんに会えて、友達になったのじゃ!」キャッキャ

アキト「なんと……」

トキワツムリ「アキトさんも、一緒にかたつむりごっこ……しませんか?」


アキトツムリ「……つかまつった!」ドン! モゾモゾ

 ☆イクセとトキワが仲良くなりました

 ◆
345 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:43:28.46 ID:wa8VY9/90
―旅館 雪解け

天狗の郵便屋「お手紙でーす!」バサバサッ

ユキ母「は〜い」トタトタ



ユキ母「ふむふむ……あら、ユキからね。それとこれは……メルルちゃんから?」

 手紙「」ペラッ

 *

―旅館雪解け 待合室

ミスティ「え、私たち宛に?」

ユキ母「ええ。ユキとメルルちゃんから」

サララ「あ、お姉ちゃんミスティさんたちにもお手紙を出したんですね。私のとこにも、お手紙と砂漠の品物とか写真が届いたんです」

イリス「なるほど……というかメルルさんはなんで私たちが今オノゴロにいるってことを知ってたんだろう? サララちゃんが教えた?」

サララ「いえ、こっちからはまだ手紙を出していませんが……」

ミスティ「開けてみればわかるんじゃないかしら」

 ユキの手紙「」ポン
 メルルの手紙「」ポン

 *

 ペラッ

ミスティ「ふむふむ、なるほどね……メルル、今は大魔女帝国に滞在しているみたい」

イリス「そこで知り合ったユキちゃんと、私たちの話で盛り上がって、一緒に手紙を出した……という流れなんだねえ」

サララ「なるほど……お姉ちゃん、旅を満喫してるんだなあ」


↓1コンマ
01-60 冷凍ウチワサボテン
61-90 アロエシャーベット
91-00 冷凍コハクガニ
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 21:45:20.45 ID:x/C04xAao
かにこい!
347 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 22:09:54.42 ID:wa8VY9/90
 冷凍ウチワサボテン「」ポン!

サララ「わ! これは……南国の植物ですか……!?」

イリス「これは砂漠に生えるサボテンって植物だよ!」

ミスティ「瞬間冷凍で綺麗に凍結してある……ユキ、しっかり使いこなしてるわね」

ユキ母「ふふ、あの子も氷属性のことがわかってきたみたいね」



スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

シズク「んわ〜……! シャキシャキで美味しいです!」モグモグ

イクセ「不思議な食感なのじゃ……!」モグモグ

トキワ「植物なのに、分厚くて、すごい……!」モグモグ

アキト「砂漠か……いつか行ってみたいものでござるなあ」モグモグ

 ☆みんなで冷凍ウチワサボテンを食べて元気になりました

 ◇
348 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:01:35.21 ID:wa8VY9/90
―トウゲン国政区
 留置所

 鉄柵「」ガシャン

妖精「ここに拘留されてるんだ」

イヨ「はい。裁判で刑が確定するまでは、この留置所に置かれることとなります」

クロシュ「こうりゅう……りゅうちじょ……」

妖精「あー……クロシュは覚える必要ないよ、そういうのは。知ってて得をすることもたぶんないだろうし」

クロシュ「あ、うん」

イヨ「……罪なき市井の民にとっては、一生関わることのない場所ですからね……。本当は、救国の英雄であるクロシュさんに、こんな場所を訪れて欲しくはないのですが……」

クロシュ「え、えと……だめ……?」

イヨ「……いえ、私の我儘です。それに、あの狐はクロシュさんのお陰で首の皮を繋ぎました。クロシュさんには、彼に会う権利が当然にあります」

クロシュ「うん……」

 *

―留置所
 アウルの独房

イヨ「アウル・フォクシー、面会希望者です」


アウル「あ……?」


クロシュ「……」

妖精「……」


アウル「誰かと思えば……オレを嗤いにでも来たのかい? それとも――セレスティアのように、トドメを刺しに来た?」

妖精「はぁ、そんなことできるわけないでしょ……。私が聞きたいのは、シノホシの目的や状況のこと……。そしてクロシュは――」

クロシュ「……」スッ

 油揚げ「」ポン

アウル「…チッ……いらないよ。スライムの薄汚いベトベトが付いた油揚げなんか食えるか」

イヨ「……あなた……っ!」キッ

クロシュ「ん、大丈夫」

イヨ「クロシュさん……!」

アウル「ハハッ、ガキスライムに窘められる公家様とはね! こんな牢獄にも面白い娯楽があったもんだ!」

クロシュ「……この油揚げは……離れ山の、狐さんたちが……アウルさんに届けてって、わたしにお願いしたもの……」

アウル「……は?」

クロシュ「……いらないなら……わたしが、食べる……。あと……あの子たちにも……いらなかったって、伝える……」

アウル「てっテメッ……!」

クロシュ「……」ジッ

アウル「……寄越せ」

クロシュ「!」

 油揚げ「」スッ

 ガシッ! ガツガツ ムシャムシャ モグモグ
 ゴックン!

アウル「……ふん。悪くない味だった……と伝えとけ」

クロシュ「ん……!」ニコニコ

アウル「チッ……」

 *
349 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:02:14.96 ID:wa8VY9/90


アウル「……で、シノホシのことだって?」

妖精「そう。あなたは数少ない構成員の一人でしょ? シノホシは、世界樹の光で何をしようとしているの?」

アウル「……亡国リーリアの復活と……王国への……人間たちへの復讐だ」

妖精「……世界樹の光は巨大な力の塊だけど、過ぎ去った時を戻すような芸当は……5つ全てを集めない限り、不可能だよ。そして今はもう、2つの世界樹の光が星に還ってる……。もう、世界樹の光で失われた国を元に戻すことはできない」

アウル「へえ、5つあれば本当にそんなことができるんだ。てっきりオレは、復活っていうのは新しく国を作り直すことだと思ってたんだけど――」

妖精「まあ1つだけでも莫大な力ではあるから、国を作り直すなら実際にいろんな場面で役に立つとも思うよ。わかりやすい例で言えば、国防とかね」

アウル「ザイルが言ったのは多分そういうことだろ。まあオレもリーリア復活の計画をはっきり聞いたわけじゃないけど」

妖精「でも……星の力が星の内側にない状態が長く続けば、いずれ属性の均衡が崩れて――この星自体が、崩壊することになる。リーリアの元国王であるザイルなら、そんなことくらいわかっているはずだけど」

アウル「……知らないよ。リーリアのない世界なんて崩壊したって構わないとでも思ってるんじゃない?」

妖精「ええ……」

アウル「オレが言えたことじゃないけど、ザイルにもヤケクソ復讐者みたいな面がある。リーリアの復興が叶わないと知れば、世界ごと滅ぼそうとしても不思議じゃないと思うね」

妖精「うへぇ……」

アウル「ま、オレはここでのんびり待つとするさ。オレの死刑執行と、ザイルの世界滅亡――どっちが早いか、見ものだね」

妖精「昨日捕まったばかりのテロリストとは思えない開き直りっぷりだなあ」

アウル「褒め言葉として受け取っておくよ」


↓1〜2 アウルと話すこと
1.シノホシのメンバーについて
2.離れ山の狐について
0.自由安価
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:04:22.72 ID:LZW/63Rp0
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:04:54.61 ID:PZZ/opzLo
2
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:05:07.79 ID:ny2FZ79P0
2
353 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:08:58.63 ID:wa8VY9/90
少し中途半端ですが、本日はここまでとなります。次回はアウルとお話編、フレメアオノゴロに降り立つ編、星の力をちょっと舐めてみよう編です

国家存亡の危機を乗り越え、ひとまずの平穏を取り戻したオノゴロ諸島。クロシュたちは次なる目的地へ向かう為の休息を取りつつ、オノゴロの滞在最終日を過ごしていく
しかしそんな時、オノゴロの地に降り立つは駄狐の逮捕を聞きつけたシノホシの狂い吸血鬼。目的を果たせなかった駄狐に対して、吸血鬼が下す処分の内容は――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日です、よろしくお願いいたします
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/21(月) 08:24:59.09 ID:xw8CBu5qo
おつ
やっぱりリュウトウ殿が鬼札だったか
迎えに行きたかったんだけど自由行動争奪戦に間に合わなかったよ…
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/21(月) 09:56:05.49 ID:Pk7hdib9o
おつおつでした
この問題解決後の交流が束の間でも大きな癒し、カタツムリシスターズカワイイですね
フレメアさんが思いの外物騒な襲撃の可能性が示されて震える
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/26(土) 03:50:53.66 ID:EObwVj0i0

次回フレメアが登場するのか芸術都市の後では、アウルの事を結構いじっていたり、part4の>>145で一緒にいたりして個人的にアウルとフレメアは仲が良いイメージがある。
357 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 19:34:26.51 ID:AhPNAKwH0
リュウトウ氏は重要人物でしたが、自由行動で接触しないとクロシュ勢力に引き込めない人だったので、難しい問題だったようです
自由安価はすぐに埋まってしまう時もあれば、けっこう長い間埋まらない時もあり、その辺りは>>1自身にも予測不可能であります。良い感じに良いやり方があれば良いのですが、なかなか難しいようです

問題解決後は時間に追われることなく交流できるため、ユーシリア編から努力目標達成によって問題解決後の自由行動数を増やす施策を導入いたしました。今のところ特に問題もなさそうなので、この方針は今後も続けていきたいと思います。クロシュ氏もみんなでかたつむりごっこができてご満悦だと思います

フレメア氏は物騒な人物ですが、実際物騒な人物かもしれません。以前の様子ではアウル氏をよくいじっている姿がみられたため、シホノシ構成員の中でもフレメア氏とアウル氏は仲が良い(?)可能性が高いです。しかしフレメア氏は恐ろしい狂い吸血鬼なので、彼女がどのような思考判断を行うかは予測不可能かもしれません。気を付けるのが良いでしょう



・自由行動がすぐに埋まってしまう問題についてのお願い
自由行動安価を取りたくても取れない人がいる場合があるため、自由行動安価を一度取った方は、次の自由行動安価はなるべく取らないようにして頂けると幸いに思います

今後も様子を見つつ進めていきたいと思います。場合によっては通常の連取りに加えて自由行動安価の連取りも禁止するルールを追加することにもなるかもしれません。よろしくお願いいたします

実を言うとそこまで人の多いスレではないと思っていたので少し驚きました。一度取ったら次は譲る、くらいの緩い気持ちで安価を取って頂けたら幸いに思います
358 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 19:35:45.26 ID:AhPNAKwH0

妖精「ザイルが国の復興を目指してるのはわかったけど……レインとフレメアはリーリアの出身じゃないよね? なんであの二人はシノホシに入って活動してるの? あ、レインは人間とか王国への復讐か」

アウル「レインは復讐だろうね。フレメアは……詳しくは知らないけど、ザイルに恩だか貸しだかがあるんだってさ。あのイカれた吸血鬼にそんな義理堅いとこがあるなんて、にわかには信じがたいけどね」

クロシュ「レインさん……この前、わたしたちと一緒に、戦った……」

アウル「浮島国での戦いについてはオレも聞いてるよ。仲良く共闘したそうだね」

クロシュ「うん……。レインさん……良い人、だと思う……」

アウル「あははっ、多くの人間を殺すテロリストのサキュバスが良い人だって? まあスライムにとって悪い人じゃないのは確かだけどね。あの人が狙ってるのは王国に与する者だけみたいだし」

クロシュ「わたし……仲良く、できる……?」

アウル「さあ。見かけは冷酷なテロリストを気取ってるけどあの人けっこうナイーブなとこあるし、もし君たちに情が移ったりしていれば仲良くできないこともないだろうね」

クロシュ「!」

妖精「まあ、できれば戦いたくない相手だもんね」

クロシュ「うん……。フレメアさんも……」

妖精「あー……アウル、フレメアの姉妹喧嘩のことは知ってる?」

アウル「凄く仲が悪いってことくらいなら。何があったかは知らないよ」

妖精「そう……。フレメア、妹のことについて何か言ってた?」

アウル「悪口ならしょっちゅう言ってた。バイオレット家の後継者争いとかで何かあったんじゃないかな?」

妖精「うーん……血筋にまつわる争いって理解しがたい……」

アウル「自然の中からボウフラみたいに勝手に湧いてくる妖精には理解できないだろうね」

妖精「ボウフラは勝手に湧かないし、妖精だって勝手に湧くわけじゃないの。あなた、ちょっと他の種族に対する敬意ってもんが足りてないんじゃないの」

アウル「ごめんごめん、悪かったよ」

妖精「全く……あなた、狐以外は全部嫌いなの?」

アウル「そんなことないよ。嫌いなのは人間だけさ」

 *

クロシュ「じゃあ……狐さんたちのことは……好き……?」

アウル「……そんなことを聞いてどうするんだい?」

クロシュ「……えっと………よ、妖精さん……どうすれば、良い……?」

妖精「え、私!? え、ええと……どうもしないよ! ただ、アウルが離れ山の狐たちのことを好きかどうか知りたいだけ。深い意味はない……と思う。そうだよね? クロシュ」

クロシュ「う、うん。そう。たぶん」

アウル「はあ……こんなにとぼけた奴らにやられただなんてね……。まあいいや。離れ山の狐たちのことは、もちろん嫌ってなんかいないよ。銀狐ではないけれど、あの地に住まう狐という意味では親戚みたいなものさ」

クロシュ「わあ……」

アウル「質問への回答はこれで良いかい?」

クロシュ「うん……! えっとね……狐さんたち……いつか、アウルさんみたいに、格好良く変化できるようになったら……今度は自分たちで、油揚げを持っていきたいって……言ってた……!」

アウル「……へえ。そうなんだ……」

クロシュ「うん……!」

妖精「ふふ、刑の執行と世界滅亡の他に、もう一つ楽しみが増えたんじゃない?」

アウル「……別に。好きにすれば良いさ」

 ◇
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/26(土) 19:36:02.98 ID:ScpGv/+Oo
了解
360 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 19:36:35.96 ID:AhPNAKwH0

妖精「聞きたいことは大体聞けたかな?」

クロシュ「うん」

イヨ「それでは面会を終わりに――」


 ドッガァァァァンッ!!!!


イヨ「きゃあっ!!?」

妖精「わああ!!?」

クロシュ「!!?」

アウル「!?」


 穴の空いた天井「」パラパラ…

 スタッ

フレメア「……」ヌッ


アウル「……フレメア!?」


妖精「!?」

クロシュ「!!」

イヨ「えっ……!?」


フレメア「あ、アウル。本当に捕まってたんだ」スタスタ


アウル「……なんだよ。嗤いにでも来たのか?」

フレメア「大正解! 人間たちに捕まってお仕置きされちゃう哀れな駄狐を嗤いに来てあげたの!」ケラケラ

アウル「……」

フレメア「それとも――うふふふ、助けて欲しい? ねえ、助けて欲しい?」ニコニコ

アウル「………いや……」

フレメア「え、じゃあそのまま無様に人間たちに殺されたいってこと!?」

アウル「そういうわけじゃねえよ」

フレメア「ふうん……アウルの復讐心なんてその程度のものだったんだね。まあ駄狐らしいっちゃ駄狐らしいか」

アウル「こいつ……」

フレメア「まあいっか、ザイルには駄狐は人間に断罪されることを望んでたって伝えてあげよ」

アウル「あのな……オレは別に――」

フレメア「じゃ、死んでくれる? 復讐も果たせずに腑抜けて、本当の駄狐になっちゃったアウルなんてつまんないし」ズオッ

アウル「ッ!!」

 ガギンッ!!

 吸血鬼の爪「」ギギギ
 メイドブレード「」ギギギ

メイドクロシュ「……!」ググ

フレメア「……ん? あんたは……あの時のスライム……!」

 ギンッ!
361 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 19:37:19.79 ID:AhPNAKwH0
 ギンッ!

メイドクロシュ「っ!」ズザザッ

フレメア「あっは! レインの言った通りだ! ほんとに見違えた!」シュタッ

メイドクロシュ「……」ジリ

フレメア「でもなんでアウルを庇うの?」

メイドクロシュ「アウルさんは……狐さんたちのこと、好きだから……!」

フレメア「……? 意味がちょっとよくわからないけど……」

妖精「アウルが死ぬと、悲しむ者たちがいるの!! だからクロシュは――」

フレメア「……悲しむ者……? あはっ、冗談でしょ? こんなやさぐれ駄狐が死んで悲しむ奴なんて――」

イヨ「……嘘ではありません。アウルは重罪人ですが、彼を慕う狐たちがいることは事実です」

フレメア「……」

アウル「……」

フレメア「……あんた、天涯孤独じゃなかったの?」

アウル「天涯孤独だよ。オレが死んであいつらが悲しむなんてのも……大げさだ」

フレメア「……」


フレメア「……つまんな。帰る」

 シュバッ ビュンッ―


クロシュ「……!」

妖精「開けた天井から帰ってった……」

イヨ「……はあ、良かった……」

 天井の穴「」パラパラ…

イヨ「……いや、全然良くない! 大穴を開けるだけ開けて帰るなんて!!」プンスコ



アウル「……」

 ◆
362 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 20:06:19.75 ID:AhPNAKwH0
―旅館雪解け 客室

イリス「ええっアウル・フォクシーとの面会中にフレメアさんが襲ってきた!?」

クロシュ「うん……。でも……急に、帰っちゃった……」

ミスティ「急に帰った……? なんでかしら?」

クロシュ「えっと……アウルさんが好きな狐さんのお話……聞いたから……?」

妖精「タイミング的にはそう。どういう気持ちだったかはよくわかんないけど……」

イリス「愛する者がいるアウル・フォクシーの命は奪えない――そう思ったのでは!?」

ミスティ「……妖精はどう思う?」

妖精「え、うーん……フレメアってそんな奴なのかなあ……」

 ◇

―夕方
 旅館雪解け 脱衣所

 蒼き星の杖・水「」ポワポワ

シズク『わあぁ……!』モニョモニョ

スライムクロシュ『お水……ぽわぽわ……』モニョモニョ


スライムクロシュ(イリスさんたちは……今、お風呂に入ってる……)

スライムクロシュ(わたしもこれから入ろうと思ってたら……シズクちゃんが、イリスさんの杖を見て、モニョモニョしてるのを見つけた……)

スライムクロシュ(シズクちゃんは水属性のスライムだから……水属性の世界樹の光が、きらきらに見えるのかも……)


シズク『こ、これ舐めても良いかなあ? だめかなあ?』モニョモニョ

スライムクロシュ『え、えっと……ちょっとなら……いいと思う……!』モニョモニョ

シズク『じゃ、じゃあちょっとだけ……や、やっぱりだめだよぉ! イリスさんは大切なお客さまで、わたしはここの従業員なんだもん……! お客さまのものを勝手に舐めたら、悪いスライムになっちゃう……!』モニョモニョ

スライムクロシュ『そうなの?』モニョニョ

シズク『そうなの!』モニョ!


スライムクロシュ『!』ピコン!

シズク『?』モニョニョ

スライムクロシュ『じゃあ……わたしは、従業員じゃないから……舐めても、悪いスライムに、ならない……!』モニョモニョ

シズク『わ、わわ……!?』モニャニャ

スライムクロシュ『わたし、代わりに……ぺろぺろ、する……!!』モニョニョ!

シズク『んわわ〜!?』モニャニャ


スライムクロシュ『〜〜』モニョニョ
 蒼き星の杖・水『』ポワポワ

 モニョニョ… モニョモニョ…

↓1コンマ
01-10 カナヅチスライム
11-70 溺れそうになった
71-90 取り込んだ
91-00 ??
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/26(土) 20:08:43.07 ID:eRBJPOt3O
364 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 20:39:46.08 ID:AhPNAKwH0
 蒼き星の杖・水「」ポワポワ
スライムクロシュ『〜〜』モニョモニョ

 ◇

 ザァーン… ザザァーン…

スライムクロシュ『…?』モニョニョ

 海のうねり「」ゴオオオオ―

スライムクロシュ『…!!?』モニャニャ!?

 おおきな海のうねり「」ゴオオオオ――

スライムクロシュ『〜!!?』モニャニャニャ!?

 ブクブク…

溺れスライムクロシュ『』モニョニョ…ブクブク…


シズク『クロシュちゃん、クロシュちゃん!! わたしの欠片、つかって!! おねがい、わたしの欠片を……!!』モニャニャ


スライムクロシュ『!』モニョッ!

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!

水スライムクロシュ『〜〜!』モニョニョ プルルン

 おおきな海のうねり「」ゴオオオ――

水スライムクロシュ『〜〜』モニョニョ スイスイ

 スイスイスイ…

 ◇

水スライムクロシュ『……!』モニョッ!

シズク『クロシュひゃん!! よ、よがっだぁああ……目がさめでぇ……』デロデロ…ポロポロ…

水スライムクロシュ『えっと……』モニョニョ

妖精「クロシュ……」ヌッ

水スライムクロシュ『わ……よ、妖精さん……?』

妖精『なんてバカなことをしてるの!!! そこに直れ、大バカスライム!!!』

水スライムクロシュ『んわわ……!!』モニャニャ

 *

妖精「――!」クドクド
スライムクロシュ「」デロデロ…
シズク「」デロデロ…


エバンス「……何をしているんだ? あれは」

ローガン「イリスくんが入浴している間に、クロシュくんが蒼き星の杖に宿った星の力を舐めてみたのだそうだ」

エバンス「え、ええ……」

ローガン「そうしたらクロシュくんが意識不明になり、シズクくんが泣きながらクロシュくんに何事かを呼びかけている姿が発見された……ということらしい」

エバンス「そ、そうなのか」

ローガン「うむ……」


妖精「――!」クドクド
スライムクロシュ「」デロデロ…
シズク「」デロデロ…


エバンス「……なんというか、最近のクロシュちゃんは遠慮がなくなってきたよな。もちろん良い意味でさ」

ローガン「そうだな……。以前はどこか人の顔色を伺っているかのような様子があった。我々に対しても、一歩引いていたり」

エバンス「ああ。前のクロシュちゃんだったら、イリスちゃんの杖を勝手に舐めたりとかはしなかったと思うぜ。多分」

ローガン「ああ。クロシュくんがそれだけ安心できる場所になれた――ということでもあるのだろう」
365 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 22:43:06.84 ID:AhPNAKwH0
―クロシュの夢
 集落の診療所

アリシラ「……」ドキドキ

クロシュ「……」ドキドキ

夢の女神「随分待たせちゃってごめんね。引っ越しの準備が整ったから、今夜始めるよ。二人とも、準備は良い?」

アリシラ「うん……! えっと、何をすれば良いの?」

夢の女神「ここのベッドに横になっていてくれれば、後は私とヴァンが全部やるから大丈夫」

ヴァン「今日は女神の騎士ではなく、女神の助手を務めさせて頂くヴァンです! よろしく!」

クロシュ「ん……!」


フメイ「……がんばって……っていうのも、おかしい……? えっと……」

夢の女神「フメイちゃんは、二人のそばで見守っていてあげて。フメイちゃんがいてくれれば、二人ともきっと安心できるから」

フメイ「……わかった」

 ◇

アリシラ「……」
クロシュ「……」

夢の女神「一人づつ……ゆっくり、慎重に――」

 ポン!

集落のスライム「?」モニョッ

フメイ「スライム!」バッ

集落のスライム「〜〜!」モニョモニョ

 ◇

 ポン! ポン! ポン! ポン!

集落の子供「あえ?」ポン!

若者「お? ここは……診療所?」ポン!

老婆「ありゃあ……あたしゃボケちまったんかねえ」ポン!

魔族の医者「む……これは一体」ポン!

 ポン! ポン!

アリシラ父「ここは……?」

アリシラ母「……アリシラ?」


アリシラ「お父さん、お母さん……!」

夢の女神「ふう……引っ越しは無事完了しました。念の為、説明を――」

アリシラ「……女神さん。あの……」

夢の女神「……はい、わかっております」

 ◇
366 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 22:43:36.04 ID:AhPNAKwH0

夢の女神「――というわけで、皆さんの魂をアリシラさんの心からクロシュちゃんの心へと引っ越させていただきました」

アリシラ母「アリシラから、クロシュちゃんに……!?」

アリシラ父「それは、しかし……私たちは、アリシラの中でも――」

夢の女神「アリシラさんの――人の心は、他者の魂をそのままの形で存続させられるようにはできていないのです。皆さんの魂をこれからも保ち続けるには、クロシュちゃんの心に引っ越して頂く他なく……」

アリシラ「お父さん、お母さん……。このことを女神さまにお願いしたのは、私自身なの。私の心の中にいたら、みんな、いつ消えちゃうかわからなかったから……。クロシュちゃんの中なら――きっとみんな、これからもずっと――平和で、しあわせにいられるの」

アリシラ母「アリシラ……」

アリシラ父「……女神様。私をアリシラの心へ戻すことは可能ですか?」

アリシラ「ちょ、お父さん……!?」

夢の女神「……はい。しかし先ほども申し上げました通り、アリシラさんの心にいれば――いつか必ず、その魂は溶け――アリシラさんのお父様という自我は、永遠に失われてしまいます。アリシラさんはそれを厭い――」

アリシラ父「構いません。例え溶けることになるとしても――私は、アリシラの父です。寂しがる娘のそばを離れるわけには、いきません」

アリシラ母「女神様、私からもお願い致します。私たちを、アリシラに戻してくださいませんか。アリシラを一人ぼっちにさせたくないのです……」

夢の女神「え、ええと……」オロオロ

アリシラ「……やめてってば! 女神様も困ってるでしょ! 私は……一人で大丈夫なの! 一人がいいの!! もう誰も……いらないの!!!」

アリシラ母「アリシラ……」

アリシラ「それじゃ、さよなら! みんな元気でね! クロシュちゃんに迷惑かけちゃだめだからね!」タッ

アリシラ父「アリシラ!」

 扉「」バァン!

ヴァン「外に!」バッ

夢の女神「待って! アリシラさんは、もうこの夢には――」


フメイ「ひゃ、うっ……!!?」ドサッ

クロシュ「フメイちゃん!?」バッ

魔族の医者「……!? フメイの中にある大きな魔力が、この世界の外側へ吸い出されている!」

夢の女神「まさか……!? クロシュちゃん!」

クロシュ「うん!」

 ◆
367 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 22:45:44.41 ID:AhPNAKwH0
―深夜
 雪解け 客室

フメイ「あ、うああ……!」ジタバタ

アリシラ「……」ギュオオオオ―

クロシュ「アリシラさん!」ガバッ!

アリシラ「……クロシュちゃん。さっきまで夢の世界にいたのに、もう起きれたの? 凄いね」ギュオオオ

クロシュ「なん、で……」

アリシラ「……ごめんね。フメイちゃんをいじめたかったわけじゃないの。でも――これ以上、フメイちゃんを連れ回すわけにも、いかないから」ギュオオオ

クロシュ「……??」

アリシラ「……この先には、誰も連れていけない。私一人で、いいの」ギュオオオッ!!
 星の力・炎「」ゴゴゴゴ―

クロシュ「……!!」

アリシラ「ごめんね。ありがとう。ごめんね」ゴゴゴゴ―

 カッ!!
 ボガンッ!!!!

  吹っ飛んでいくクロシュ「んわぁ〜〜………!!!」ポヒュゥゥゥゥン…


フメイ「……アリ、シラ……!!」グググ

アリシラ「フメイちゃん……。大丈夫、クロシュちゃんは傷付けてないよ。星の力の制御ならもう完璧だもの」

フメイ「……これから……どうするの……。ほんとに……一人で、行くの……?」

アリシラ「そうだよ。フメイちゃんは、クロシュちゃんと一緒が良いでしょ? 安心して。もう無理に巻き込まないから」

フメイ「……」

アリシラ「大丈夫。あの集落の付近には、何もしないって誓うよ。だから……クロシュちゃんと二人で、あの集落にいて。そうすれば――」

フメイ「……フメイも、一緒に行く」

アリシラ「……えっ?」

フメイ「……この旅は……アリシラだけじゃなくて、フメイも一緒に始めたこと……。だから……最期まで、付き合う……」

アリシラ「……無理しなくたって、良いのに。今だって、吹っ飛んだクロシュちゃんを助けに行きたくて仕方がないでしょ?」

フメイ「……クロシュはもう……フメイが守らなくても、大丈夫。一人でも強いし……まあまあな仲間もいる。でも……アリシラは、大丈夫じゃない。仲間もいない」

アリシラ「……」

フメイ「………だめって言っても、ついてく。王国を焼き払うなら、フメイも一緒に焼く。それくらいの恨みは、まだあるもん」

アリシラ「……ふふ……ふふふふ、わかったよ! それじゃあ一緒に焼こう、フメイちゃん!!!!」ジワワ

フメイ「ん」

 ボンッ!!


フメイ(クロシュ……ごめんね。きっと……アリシラを、連れて帰るから)

 ◆
368 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 22:46:44.75 ID:AhPNAKwH0
―翌朝
 旅館雪解け 客室

スライムクロシュ「」デロロ…


エバンス「だめだ、どこにもいねえ……!」

イリス「……フメイちゃんの移動速度から考えれば、もうオノゴロを離脱していてもおかしくない……」

妖精「まさかアリシラがフメイから星の力を吸い出して持ち逃げするなんて……。ちょっと頭が痛い……」フラフラ

ミスティ「……でも、フメイも一緒に行くのならわざわざ星の力を吸い出す必要なんてなかったんじゃないかしら。一体なぜ……」


風の精霊『クロシュちゃん宛にお手紙だよ〜』ヒュルヒュル

妖精「手紙……? 誰から?」

風の精霊『フメイちゃんから!』

スライムクロシュ「!!」モニョニョ

妖精「なんだって!」

風の精霊『はい、どうぞ!』スッ

 少し焦げた手紙「」ポン

 ペラッ

 手紙『アリシラをひとりぼっちにできなかった。ごめん。ぜんぶおわったらみんなでいっしょにかえろう』

スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョニョ

妖精「なるほど……そういうことか」

イリス「これで一安心……と言いたいとこだけど、アリシラさんがまた何か企んでるってことだよねこれ……!」

ローガン「なかなか上手く進まぬものだな……」


 ☆アリシラの心の住人がクロシュの心に引っ越しました

 ・アリシラがフメイの星の力・炎を吸収しました

 ・フメイ&アリシラがパーティを離れました

 ◆
369 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:33:08.70 ID:WhTzHwps0
―オノゴロ本港

 ザァーン… ザザァーン…

イヨ「なんと、昨晩そのようなことが……」

妖精「うん。ドタバタして悪いけど、私たちも急がないといけなくなっちゃった」

アキト「ぬう、あのアリシラが……。もし分身できたら、拙者も助太刀に推参致すところでござるが……すまぬ、拙者は分身できぬ身でござる……」

イリス「あはは、大丈夫です! アキトさんはアキトさんのすべきことを!」



トキワ「クロシュちゃんのお陰で……わたし最近、体の調子が凄く良いんだ。本当に……本当に、来てくれて、ありがとう……! またいつか、オノゴロに来てね……! わたし……雪解けの見習いとして、働いてるから……!」

シズク「見習い期間は短いから、次にクロシュちゃんたちが来る頃にはトキワちゃんは正式な従業員になってるかも! また泊まりに来てね、クロシュちゃん!」

ユキ母「トキワちゃんの魔法のことなら心配しないで。下手に乱用しないよう私たちがしっかり見てるから」

サララ「一つ目小僧のおめめで私もしっかり見張ってるから安心してね。もうトキワちゃんをつらい目にはあわせないよ……!」

トキワ「うっ……わ、わたしも皆さんに心配をおかけしないよう、気を付けます……。でもいつか……不死鳥のクロシュちゃんみたいに、素敵な使い方が見つけられるように、がんばるよ……!」

クロシュ「うん……!」



イクセ「……クロシュ……わらわ、おぬしが心配じゃ……。何かわらわにできることはないか……?」

クロシュ「……えっと、それじゃあ……みんなが、しあわせに生きられるように、って……お祈り……」

イクセ「お祈り……! わらわ、元姫巫女なのできっと得意じゃ! 絶対、絶対みんなしあわせになるよう、お祈り、する!」

クロシュ「わあ……!」

トキワ「イクセちゃんの口調、すっかりわらわじゃになっちゃった」

アキト「初めはギョッとしたが、最近はむしろこの口調でないとしっくり来ないでござる」



ユキ母「それにしても凄かったわ、ミスティちゃんの氷魔法……。人の身でありながら、平均的な雪女よりも氷魔法を使いこなしているんだもの」

ミスティ「そうなのですか……?」

ユキ母「そうよ? たぶん人間の中でも最高水準に近いところにいるのではないかしら?」

ミスティ「あんまり、自分では実感できませんが……。でもその力で、大切な人たちを守れるなら……悪くないですね」

ユキ母「ふふ……人間のままにしておくのが勿体ないくらい……。あなたもまたいつか、雪解けに泊まりに来てね」
370 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:33:35.57 ID:WhTzHwps0

リュウトウ「……もう行ってしまわれるのですね」

ローガン「うむ……。貴殿とは港で少し刃を交えただけだが……凄まじい太刀筋と気迫であった。その歳で見事なものだ」

リュウトウ「しかし、結果として私はこの国を守れなかった。どれほど鋭い刃でも、敵を違えればナマクラにすら劣ります」

ローガン「……少し自分に厳しすぎるのではないか? 私が貴殿と同じくらいの頃は、失敗したら全て周りに責任転嫁していたぞ」

リュウトウ「ええ……?」

イヨ「……全て責任転嫁しろとまでは言いませんが、リュウトウは実際自分に厳しすぎます。少しは肩の力を抜いて」

リュウトウ「……しかし、性分は簡単に変えられません」

イヨ「うーん……あ、リュウトウ。あれを見てください」

リュウトウ「え?」



クロシュツムリ「〜〜♪」モニョモニョ モゾモゾ

イクセツムリ「わらわつむりじゃ〜!」モゾモゾ

トキワツムリ「わわ、イクセちゃん腕を上げた……!?」モゾモゾ

アキトツムリ「拙者も負けられないでござる……!」モゾモゾ



イヨ「あれが、救国の英雄と、国を揺るがした元姫巫女の現在の姿です」

リュウトウ「あ、ああ……」

イヨ「責任を感じるのも結構なことですが、あなたもかたつむりになってきてはどうでしょうか? いつもと違った景色が見れるかもしれませんよ」

リュウトウ「……」


リュウトウツムリ「リュウトウツムリ、いざ参る!」シュバッ モゾゾゾ

 *

 ワイワイ キャッキャ モニョモニョ モゾモゾ


イヨ「……」クスッ

妖精「全くもう、クロシュのトンチンカンな遊びが広まっちゃうなんて……。悪いね、イヨ」

イヨ「いえ……むしろ、感謝しています。遊んででもいないと、みんないろいろ考えすぎてしまいますから」

エバンス「オノゴロ人はみんな真面目だからなあ」

イヨ「はい……。オノゴロの人は他国の人よりも真面目で勤勉……という話を聞いたことがあります」

イリス「私も聞いたことあります。実際そうなんですねえ」

イヨ「……またいつか、皆さんでオノゴロに遊びに来てくださいね。今度は、外国のお話をゆっくりお聞きしたいです。私……オノゴロから外に出たことがないので……」

イリス「そうだったんですか! それならもっと早くに言ってくれれば……いや、実際今まではゆっくりお話してる暇もありませんでしたもんね」

イヨ「はい。だから……またいつか……。いえ、私の方から皆さんの国へお邪魔しても良いのでしょうか?」

妖精「緑の国は今鎖国中だけど……王国との外交問題が解決すれば鎖国も解除できるから、その時なら歓迎するよ」

イリス「私の母国は……オノゴロからはちょっと遠いので、もし来るなら大陸横断くらいの覚悟がいるかもです!」

エバンス「俺の出身は王国だが……まあ技術力とか人口は世界最高レベルだぞ。人間以外への排他性もな!」

イヨ「ふふ……いろいろな問題が片付いて長期休暇を頂けたら、皆さんの国に遊びに行きたいです」

 ◆
371 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:34:01.52 ID:WhTzHwps0
―オノゴロ本港

風船気球クロシュ「〜〜」モニョモニョ フヨフヨ



イクセ「またなのじゃ〜!」パタパタ

シズク「クロシュちゃんまたね〜!」モニョモニョ

トキワ「クロシュちゃん……ほんとに、ほんとに、ありがとう……!」

サララ「どうかお元気で〜!」

ユキ母「体に気を付けてね〜!」

イヨ「ありがとう、ございました! またいつか……!」

アキト「お主たちとの日々、決して忘れぬ……! また会おう!」

リュウトウ「……この恩は、いつか必ず……!」



 ――オノゴロ諸島編 完
372 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:34:30.92 ID:WhTzHwps0
クリアボーナス
↓1コンマ
01-60 運命賽
61-90 ↑+ヒヒイロカネ
91-00 ↑+会心賽
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 00:35:53.62 ID:sw0omZmqO
はい
374 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:52:40.84 ID:WhTzHwps0
運命賽と希少金属ヒヒイロカネの獲得が決定したところで本日はここまでとなります

オノゴロの闇を祓い、一行は風に乗って次の道へ。
幼巫女の悲しみを打ち払い、狐の憎しみを投げ飛ばし。オノゴロに戻る平穏と安らぎ。
育まれた友情と絆は、そっと胸の奥に。
交わり、そしてまた離れた親友と、次こそはと共に帰る日を夢見て。
気球スライムは、風の速さで空をゆく――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 03:43:35.72 ID:5wsiSHeJo
おつでした
シノクニもなんやかんや険悪ではないよな
アリシラさんの決意は固いか…あれこれ、アリシラさんもフメイ式ジェット移動体得?
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 12:08:33.30 ID:9EHEWLojO

ここに来てクロシュちゃん素でカナヅチだった説出てきたな…
377 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 18:11:46.42 ID:WhTzHwps0
シノホシの方々には、話せばわかる人もいたりいなかったりするのかもしれません。アウル氏の今後がどのようなものになるかは未知数です
アリシラ氏の決意はとても強いもののようです。実際のところどのようにするのが正解なのかは、今のところ誰にもわからないのかもしれません。そしてアリシラ氏は星の力を完全に制御したと自称しているため、たぶんジェット移動を行うことができます

クロシュちゃんは水の力に触れてブクブクと溺れてしまったようです。フメイちゃんに擬態しているわけでもないのにブクブクしてしまったので、実際素でカナヅチの可能性があります。自分のカナヅチをフメイちゃんのせいにする悪いスライムかもしれません

 *

また、前回のコンマによって運命賽の数量が7になりました
運命賽5つを会心賽1つに変換することができます。なお変換すると運命賽の所持数は2つになります

↓1〜 先取3票(この安価は物語と無関係なので連取り対象外)
1.運命賽5つを会心賽1つに変換する
2.変換しない
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:18:03.06 ID:K/qoHdwk0
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:18:19.07 ID:zdeQIWcfo
1
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:18:36.07 ID:YXDT2joDO
1
381 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 18:46:33.87 ID:WhTzHwps0
―セイントレア王国 国境付近

風船気球クロシュ「」フヨフヨ

 スイー… ポフッ
 ポン!

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

ミスティ「お疲れ様、クロシュ。ここからはソリ移動ね」

妖精「うん。風船気球の姿で王国内を移動するのはちょっと危ないからね」

ローガン「うむ……王国の兵士は手練れが多い。上空を飛ぶ風船気球を狙い撃てる射手がいてもおかしくはないだろう、用心に越したことはない」

エバンス「行き先は王都セイントレアだっけか?」

妖精「うん」

ミスティ「首都の名前が国と同じなのね」

イリス「確か王都セイントレアの中にセクリエ・ロイエ市国があるんだよね?」

妖精「そうらしい……。私は行ったことないけど」

ローガン「まあ、熱心な信徒でもなければ行く必要も機会もないだろう。しかし今回は――」

妖精「……うん。もし世界樹の光を奪ったのが原理派なら、奪い返さなきゃならない」

エバンス「ロイエ教の総本山にカチコミか……へへ、想像したこともないヤバイ仕事だぜ」

妖精「ま、まあまだカチコミすると決まったわけじゃないから。まずは王都で光の行方を探らないとね。世界樹の精霊によれば王都の辺りにあるのは間違いないみたいだから」

 ☆次の行き先が王都セイントレアに決まりました

 *
382 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 18:47:43.27 ID:WhTzHwps0
―セイントレア平原 1日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*7       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・アリシラの夢引っ越し[3/4]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[01/07] 魔法[01/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[12/16]
・ミスティ 剣技[02/07] 魔法[09/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[05/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[04/08]
……………………………………………………………………………………
383 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 18:48:51.49 ID:WhTzHwps0
―セイントレア平原 1日目 持久力[10/10]

 強化ソリ「」シャーッ

イリス「……う〜ん、この大陸の大地! 風! ちょっと懐かしい!」

ミスティ「風にも匂いがあるのよね。オノゴロにはオノゴロの、中央大陸には中央大陸の……」

妖精「お、人間にもわかるんだねえそういうの」

エバンス「長期間離れてるとけっこう感じたりするな、俺も。やっぱり妖精はそういうの敏感なのか?」

妖精「そりゃまあ人間よりはね」

 *

スライムクロシュ「……?」モニョ

 赤金色の延べ棒「」ポン

イリス「あ、クロシュちゃんその延べ棒が気になる? それはね……イヨさんから貰った、オノゴロ諸島に伝わる希少金属のヒヒイロカネだよ!」

スライムクロシュ「!」モニョニョ

エバンス「イヨちゃんも太っ腹だよな。ヒヒイロカネのインゴットをまるまる一つくれるなんてよ」

ミスティ「ヒヒイロカネってそんなに凄いの?」

ローガン「うむ。オリハルコンやステライトにも劣らぬ偉大な希少金属の一つだ。オノゴロに伝わる太陽神アマテラスの神器、アマノムラクモもヒヒイロカネで造られたものと言われている」

ミスティ「え、本当!? 凄いじゃない……」

妖精「まあ、問題は……これを加工するアテがないってことなんだけどね」

エバンス「そうだな……。売るにはあまりにももったいなさすぎるし、ひとまず荷物に入れておこう」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 *

 ガサゴソ

イリス「……ん?」

 石の賽「」コロン
 石の賽「」コロン
 白い賽「」コロン

ミスティ「あ、白い立方体」

イリス「うん。最近は石の方がいっぱい増えてきてたんだけど、なんか急に減って……白い方がまた1つ出てきたみたい」

妖精「白い方の立方体は前にも1つあったけどいつの間にかなくなってたんだよね。一体どういうカラクリなのか……」

エバンス「妖精にわからないんじゃ俺たちには絶対わからないぞ……」

イリス「ですね……。まあとりあえずお守りとして荷物に入れておきましょう」

ローガン「そうだな。前回の温泉街の戦いも、前日にクロシュくんがこの石? から声を聞いたと言うし」

クロシュ「うん」

クロシュ(……あの声……誰の声だったのかな……? 聞いたこと……あるような、気がするけど……)

 ☆ヒヒイロカネを1ついただきました
 ☆運命賽5つが会心賽1つに変化しました

↓1コンマ 遭遇イベント
01-32 なし
33-36 ブラッド
37-40 レイン
41-44 ザイル
45-56 黒髪の無愛想な青年
57-68 デュア
69-80 メルル
81-92 リュアン
93-96 レイ
97-00 セイン

↓2〜3コンマ ランダムイベント
01-10 強敵
11-25 敵襲
26-50 食料発見(コンマ)
51-75 場所発見(コンマ)
76-00 良いこと(自由安価)
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:49:34.62 ID:ItRvK8tn0
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:50:22.08 ID:8jE3O0opO
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 19:03:06.96 ID:tuM9KHzWO
387 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 19:28:30.98 ID:WhTzHwps0
デュアさんと強い敵の気配があります

そして良いことがありました
↓1 自由安価 起こった良いこと
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 19:28:56.74 ID:K/qoHdwk0
フラナパティマリッサから支援物資がとどく
389 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 19:48:14.02 ID:WhTzHwps0
 強化ソリ「」シャーッ

血分身フラナ「久しぶりね」シュタッ

スライムクロシュ「!」モニョ!

妖精「うわあ!」

イリス「分身のフラナ先生!」

血分身フラナ「決戦の時は近いわ。あなたたちも鍛錬を怠らないようにしなさい」

エバンス「決戦ってどの決戦のことだ……?」

血分身フラナ「もちろん、私と愚妹の決戦よ」

イリス「えっ……そ、そうなんですか……!?」

血分身フラナ「奴のアジトは既にかなり絞り込めている。あとはこの分身で居城を突き止め、誅罰を下すだけ」

イリス「え、ええっと……その、姉妹で殺し合いというのは……」

血分身フラナ「心配無用よ。死ぬのはフレメア一人」

イリス「……」

血分身フラナ「そういうわけでこれを受け取りなさい」スッ

↓1コンマ
01-40 ナイフ
41-70 聖水
71-90 十字架
91-00 懐中時計
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 19:58:19.09 ID:zdeQIWcfo
391 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 21:14:33.07 ID:WhTzHwps0
 銀のナイフ「」ポン

イリス「これは……?」

血分身フラナ「銀製のナイフよ。マリッサの光属性付与とパティの栽培したニンニクの練り込みによって吸血鬼に対する殺傷力を高めてあるわ」

イリス「え、ええ……!? そ、そんなものをどうして私に……!?」

血分身フラナ「もしフレメアに襲われることがあればそれで自衛しなさい」

イリス「は、はあ……わかりました」

 ☆銀のナイフを手に入れました

 *

血分身フラナ「では私は奴のアジト捜索に――」

 ヒュンッ!
 ドガァンッ!!
 爆発する血分身「」ブシャァッ!!

イリス「わああっ!!?」

ミスティ「っ!? な、なにが……!!」ググッ

ローガン「今のは――」


 日傘「」クルッ

フレメア「よわ……。あんなもん作って何がしたいんだか、あいつ」スタスタ


妖精「フレメア……!!」


フレメア「お久しぶり……てほどでもないか。あんたとスライムにはこの間オノゴロで会ったばかりだもんね」

 *

 ヒュオオオオオ――…

フレメア「あんたたちの中に、フラナの教え子だかなんだかがいるんだって?」

イリス「え、えと……私、ですか?」

フレメア「ふうん……やっぱりあんたがその身の程知らずね。まあいいよ、私は寛大だから許してやる」

イリス「ええと……」

フレメア「でもそれはそれとして、あんたたちは私たちの仲間を二人もやってくれたんだよね。だからさァ……」ニヤ

イリス「……!」

フレメア「殺るしかないよね? しかも前よりも随分美味しくなったみたいだもの!」バサッ!

イリス「!!」


戦いは避けられそうにない!
↓1〜 先取2票
1.このまま戦う!
2.戦う前に一杯やるのを提案する(ブラッドワイン*2、マッスルワイン*1を消費)
3.一杯やるのを提案して一服盛る(吸血鬼殺ワイン*1消費)
0.自由安価(票数は内容ごと)
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:22:00.18 ID:g2NZtH6gO
むしろ完膚なきまでボコボコにして屈服させればよいのでば?
というわけで1
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:23:36.90 ID:TZYMGhsUo
万が一勝てたときフラナ先生との確執が全部解決しなさそう(強欲)なので
2
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:25:28.84 ID:u9/L/hD1o
3
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:35:08.99 ID:8jE3O0opO
0迷彩魔法をフル活用してさっきのナイフでブスリ
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:43:29.50 ID:EbvU6dmeO
2
397 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 22:34:13.86 ID:WhTzHwps0
イリス「――その前に!」

 ブラッドワイン「」ドン!

イリス「い……一杯、どうですか!」


フレメア「あの時のワインか……まあ味はそこまで悪くなかったし、貰ってあげる」


イリス「……私たちも、飲もう!」

ミスティ「ええ、そうね……」

ローガン「私とエバンスくんはマッスルワインを飲むか」

エバンス「おう、わかったぜ……!」

妖精「クロシュは……両方を少しづつもらったら?」

クロシュ「うん」

 *

 ゴクゴク… グビグビ… ゴキュゴキュ…

 ワイン瓶「」ゴトン…

フレメア「ふう……。言っとくけど手加減とかはしてやらないからね?」

イリス「望むところです……! 私たちも、全力であなたを止めます!」

ミスティ「……魔力がみなぎるわ……フラナさんのワイン、やはり効くわね……」

ローガン「だがそれは相手も同じだ。むしろ吸血鬼の彼女の方がブラッドワインの恩恵を受けやすいかもしれん」

フレメア「そうでもないかな。これ、血の入ってないお子様ドリンクだし」

エバンス「……なら付け入る隙はあるか?」チャキ

妖精「私たちもあの時より強くなった……それに今は太陽のある昼間……!! 勝てない状況じゃない……!!」

クロシュ「ん……!」


フレメア「フフ……じゃあ始めましょう。演舞の名前は……えっと、そうだな……悪竜と駄狐の鎮魂歌(レクイエム)! さあ、踊りましょ!!」バサッ――


 ――強敵 狂い吸血鬼フレメア――


 ☆フレメアが〈狂気の舞踏〉を発動!
  会心率が上昇し、さらに毎ターン会心率+10累積!!

◇自陣(銀のナイフ+5、ブラッドワイン+30)
・不死鳥化できる(1/1)

◇敵陣(戦力差+20、ブラッドワイン+30、日中-30)


↓1コンマ(合計+15)
01-20 痛恨
31-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 22:41:32.84 ID:ItRvK8tn0
399 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 22:58:53.36 ID:WhTzHwps0
フレメア「」ヒュンッ


ローガン「速いッ!!」

ミスティ「光速でも雷速でもないのになんてスピード……!?」


フレメア「馬鹿正直に囲んで叩かれてやるわけないでしょ? 端っこの奴から血祭ってあげる!」グオッ


イリス「!!」


エバンス「しまった、イリスちゃんが――」


 光の残像「」パヒュンッ―

 ガギンッ!!

光クロシュ「……!」ギギ

イリス「クロシュちゃん!」

フレメア「うげっ、光属性……!?」

光クロシュ「えいっ!!」

 閃光「」カッ!!

 〈会心の一撃!〉

フレメア「うぎゃっ、目がっ……!!」フラフラ


妖精「今だ! みんなかかれぇ!!」

エバンス「お、おう!!」


 ドガッ!! ボゴッ!!
     ボンッ!! バギンッ!!
   ドッギャァァァァァァン!!!!


 ――戦闘終了――
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:00:16.12 ID:TZYMGhsUo
どんだけ強くても囲んで殴れば(出来れば)いいんだよ!
401 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 23:09:28.91 ID:WhTzHwps0
縛られたフレメア「いたた……これが淑女に対する仕打ち?」

妖精「殺しにかかってきたのはあなたでしょ……」

フレメア「はぁ〜あ、まさかこんなに簡単に負けちゃうなんて……。私もヤキが回ったってやつかなあ」


クロシュ「……やきって何? たこやきのやき……?」

ミスティ「え、ヤキ……何かしら、エバンスはわかる?」

エバンス「焼きが回る……いや、すまん。なんの焼きのことかは……」


フレメア「ねえ、殺そうとしたのは謝るからこれ解いてよぉ」グイグイ

妖精「解けるわけないでしょ……」

フレメア「じゃあ殺すの? セレスティアみたいに。それとも駄狐みたいに豚箱?」

イリス「えっ……いや、えっと……私は、その……」

ローガン「……イリスくん、彼女は非常に危険な存在だ。情に流されるべきではない。そして我々には、彼女という爆弾を抱えたまま然るべき場所へ安全に護送する手段もない」

イリス「わ、わかってます! でも、その……うう〜ん……」


フレメア「……もしかして、私がフラナの姉だからって情けをかけようとしてる?」

イリス「……」

フレメア「胸糞わる……。そんな理由で見逃されるとか最悪だし、そのナイフで心臓を突き刺すなりしてさっさと殺せば?」

イリス「……」


どうするの……?
↓1〜 先取3票
1.逃がす
2.殺す
0.自由安価(票数は内容ごと)
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:12:26.41 ID:8jE3O0opO
0メゾンドクロシュに入れておく。フラナに会うまでに吐き出し方を覚える。
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:20:04.44 ID:zdeQIWcfo
0 敗者に選択権はないとロイエ教殴り込み部隊として連行させる
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:21:54.10 ID:TZYMGhsUo
1
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:25:25.01 ID:rXUnU2O80
1
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:29:34.82 ID:eyqoxe9jO
>>403+まさか誇り高い吸血鬼が勝負に負けて逃げるの?みたいな煽りを加える
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:42:48.75 ID:K/qoHdwk0
>>402
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:48:21.70 ID:BySVEHxEO
1
409 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:01:39.76 ID:hOpx8wJL0
イリス「……」グググ

 プシュー…

イリス「」プシュー…モクモク…


妖精「あー……イリスは良心と合理の板挟みで限界みたい……」

ローガン「………では汚れ役は私が務めよう。一応聞いておくが、皆も構わないか?」


エバンス「……ああ。そいつはレイ・アンバーみたいな半分被害者みたいな奴ってわけでもなく、最初から自分の意志で破壊活動をやってるテロリストなんだろ? だったら情けをかけてやる必要もないと思うぜ。後味は悪いけどな……」

ミスティ「………私は……少し、迷いがあるわ……。でも、ローガンさんが処断するというのなら止めはしない……」

妖精「まあ……私も、止めないよ。できることならフラナに引き渡したいところだけど、血分身はふっとばされちゃったしね……」

クロシュ「……」


クロシュ「……逃がすのは……だめ……?」

エバンス「クロシュちゃん……気持ちはわかるが、あいつは本当にヤバイ奴なんだ。レイ・アンバーみたいにクロシュちゃんを好きになったりすることもないと断言できる。逃がしたら被害が増えるだけなんだよ」

クロシュ「ひがい……」

ローガン「うむ……。フラナ氏の姉君ゆえ、少々心苦しくはあるが……」


クロシュ「……」トコトコ

フレメア「……何? スライム」

クロシュ「……もう、むやみに殺したり、壊したり、しないって……約束……できる……?」

フレメア「……」


エバンス「え、いやいやクロシュちゃん……! そりゃ無理だって! そんな約束守るわけ……!」

クロシュ「……でも……アウルさんが……フレメアさん、義理堅いって……」


フレメア「え? アウルが?」

クロシュ「うん……。フレメアさん……ザイルさんの、恩返し、してて……義理堅いって……」

フレメア「……」

クロシュ「……だから……約束……守る……?」

フレメア「………ねえ、アウルはどうして復讐をやめたの? 大切なものができたから?」

クロシュ「……わかんない。でも……アウルさん……狐さんたち、親戚みたいなもので……好きだって……」

フレメア「……」

クロシュ「………フレメアさんは……好きな人……いる……?」

フレメア「いるわけないでしょ。バカにしてるの」


イリス「バカになんか……してません!」ヌッ

クロシュ「!」

フレメア「あんた……」

イリス「わ、私は……フレメアさんは、フラナさんとちゃんとお話するのが良いと思うんです! だって、二人は家族で、姉妹なんです!! それなのに……それなのに、殺し合うなんて……だめなんです!!!」

フレメア「だから、部外者が――」

イリス「敗者は勝者の言うことを聞くものです!!! それとも、誇り高い吸血鬼は話し合いの席に付くこともできないんですか!!?!?」

フレメア「こ、こいつ……ガキの癖に……!」

イリス「そのガキに囲んで叩かれて負けたんです!! フラナさんとお話してください!!!」

フレメア「……」

イリス「それを約束してくれるなら……この縄を、ほどきます!!」

フレメア「……」
410 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:02:05.22 ID:hOpx8wJL0

フレメア「……いいよ。私、義理堅いみたいだし。約束してやる」

イリス「!!」

フレメア「でも話し合いの結果どうなるかまでは保証しない。約束は話し合いの席に付くところまでだよ」

イリス「……席についた途端喧嘩とかはやめてくださいよ。ちゃんと言葉で……」

フレメア「そんなガキみたいな屁理屈こねるか! 最初はちゃんと話し合ってやるよ!」

イリス「……約束ですよ。絶対ですからね!」

フレメア「あ〜もうわかったわかった! 全くもう、フラナの奴なんて面倒くさいガキを抱えてんだか……」

クロシュ「フレメアさん……むやみに、殺したり、壊したりしないっていう方の約束も……」

フレメア「わかったよ!!!!」

 *

 シュルシュル…

フレメア「……んじゃ。約束は守ってあげるから安心することね。私、義理堅いから」バサッ

クロシュ「ん……!」

イリス「はいっ! よろしくお願いします!!」


ミスティ「行っちゃったわ。でも、本当に行かせて大丈夫だったのかしら……? 約束を本当に守ると思う?」

妖精「……諸説あるけど、吸血鬼が約束事に真摯という伝承はけっこう数多く聞かれるんだ。私の経験でも、吸血鬼は契約を重んじる奴が多かった印象がある」

ミスティ「なるほど……」


ローガン「……ふう」

イリス「……すみません、ローガンさん。ローガンさんの忠告を、結局私……」

ローガン「……いや、構わない。吸血鬼を相手に約束を取り付けることができたのなら悪い結果ではないと言えるだろう」

エバンス「おう……。まあ実際、あそこであの吸血鬼を殺っちまうってのも本当に後味が悪いしな。見た目が幼い女の子だってのがまた……」

ローガン「うーむ……一部の魔族は幼い少女の姿でいることが多いが、一体なぜなのだろうな」

 ☆フレメアを逃がしました

 *
411 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:03:18.52 ID:hOpx8wJL0
 強化ソリ「」

ミスティ「さて、それじゃあそろそろ――」


デュア「お前たち、無事か〜!」タタタタッ


クロシュ「わ……!」

妖精「あれは……デュア!?」

エバンス「凄い勢いでこっちに走ってくるぞ」

 *

デュア「はあ、はあ……! 凄まじい戦の気配を感じて、急いで来てみたらお前たちだったとは……。敵はもう倒してしまったのか?」

エバンス「倒した……というよりは、撃退だな」

デュア「くうっ、恩を返す好機だったのに……! いやしかし無事で良かった!」

イリス「デュアさんはあれからどうしてたの?」

デュア「朝廷軍に追い回され、小舟を奪って再び海へ逃げたんだ。そうしたらまた荒れ波で遭難しかけてな……。通りかかった商人のクルーザーに乗せてもらって、すごすごと中央大陸へ戻ってきてしまったというわけだ……」トホホ

ローガン「なんと……」

妖精「ああ……それは申し訳ない……」

デュア「気にしないでくれ! お前たちがいなければどの道私は海の藻屑だったのだ。命あっての物種、刀の整備はまた次の機会にすれば良いさ」

ミスティ「デュアはどこへ向かっていたの? もし王都ならソリに乗せてあげるわ」

デュア「何、本当か!? まさしく王都に向かうところだったのだ!」

ミスティ「なら丁度良いわ……。私たちの戦いに巻き込んでしまったお詫びってわけでもないけど……乗っていって頂戴」

デュア「かたじけない! では遠慮なく相乗りさせてもらおう!」

クロシュ「うん……!」

 ☆旅の冒険剣士デュアが道連れに加わりました

 ◇
412 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:04:17.99 ID:hOpx8wJL0
というわけで本日はここまでとなります。次回は野営の行動決めから開始となります

いろいろあってついにセイントレア王都を目指すクロシュ一行。いきなりフレメア氏と激突してしまったり、フレメア氏を逃がしたり、デュア氏が道連れに加わったり、初日から盛りだくさんな旅路となった。あかちゃんスライムは焚き火をぼんやりと眺めながら、一日の出来事を振り返って物思いにふける――

それでは本日もありがとうございました。次回は、可能であれば火曜日の祝日に更新したいと思います(不可能だったら土日です)
また、折を見て王都セイントレアおよびセクリエ・ロイエで登場する人物の募集をしたいと思います。よろしくお願いいたします
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 01:14:43.33 ID:aTrYzB9Xo
おつでした
招かれないと家に押し入ったりしないとか聞くし、吸血鬼は種として義理堅い面があるのかも
フレメアさんの方はまず何とかなったのであとはフラナ先生にも話し合いの話通さにゃ…
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 05:12:27.21 ID:3BcUaO6Do
おつ
ついに王国主要部に殴り込みか…
意外と謎が多いロイエ教の実態もわかるかな
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 22:17:49.12 ID:DnmzjL7z0
乙です
今回フレメアとの戦いはすぐに終わってビックリした。ワインの力もあるけどセレスティアやアウルと違って苦戦なく勝利できてたね。
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 22:57:03.69 ID:DnmzjL7z0
>>415を書いた者で書き忘れていたけど
アウルは狐巫女の助けもあったね。
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